描くのが楽しい、夢中になって描く〜義務教育を終える今
2008年 12月 09日
さて、義務教育の終えようとしている今、見て描く力はどの程度ついているのかを知っておきたいと思いました。私が、それを知るためには生徒に実際に書いてもらわなければなりません。それは、私の都合です。だから、生徒におつきあいさせるだけであってはならないと考えました。そこで1時間で完結する内容で、描く対象は生徒にとっても価値あるものでなければならないと考えました。
ですからこの授業の導入は「この世でもっとも大切なものを描きます。」からはじめました。
自画像に取り組みながら、自分と向きあう、真剣な時間、そんな空間になることを願って。
中学校3年生はこれから「卒業制作〜自分という人間の存在証明」に入ります。卒業制作では自分の主題に沿って表現方法も自分で決めます。今回、絵に描くものを自画像としたのは「卒業制作」の中で生徒自身が自分の姿を描くことも想定したからです。
完成しなくてよい、1時間だけの授業です。描くことに夢中になる授業なれば良いのです。
「自画像」を終えて、生徒に簡単に感想を書いてもらいました。とてもうれしかったのは「楽しかった」という言葉を半分以上の生徒が使っていたことです。さらに自分が描けるようになっていたという感想も多かったです。
なお、今回の授業では、描く前に2分間だけ、瞼を描いてもらいました。時間があれば目全体もどうぞというスタンスです。しっかり目を描けることが大事なことではなくて、見て描く時の頭の中を活性化させる、感度を上げるということが目的であることを告げています。ウォーミングアップです。あとは指示なしです。
この記事で紹介した2枚の写真(画用紙のサイズは八つ切り)は一クラス全員(31人)です。これだけ描けて、さらに楽しく感じているならば十分と感じました。さらに学びたい生徒は高校以降で。
今回、生徒たちがこのように描けた根拠は下の表にあるようなこと(北海道石狩造形教育連盟の研究〜山崎は研究責任者)を、いろいろな場面でくりかえし指導してきたことにあります。
この写真は石狩の「育みたい力」
☆表現=生きていくことの縮図
☆「 自分という人間の存在証明 」
そして、「描くことを楽しませる」勉強になります。ついつい「描かせようと」あれこれ言ってしまうところ、これまでの子どもたちの学習の成果を信じている先生の姿勢が何ともいえないです。何より、「育みたい力」に書かれてあることがいかに効果的であるか実感できました。早速使わせて頂きます。
この生徒たちは1年生のとき自画像を描いていますが、顔の特徴とか描く時のポイントだとかは一切指導していません。やったのは導入のときに「福笑い」をして、バランスについて、学習しています。
ですから授業で言う言葉はこの育みたい力です。自分で研究部をしていたので、ほとんどこれでやっています。
それにしてもこうも楽しいと言ってくくれるとは!
出MAXさんの記事にあった「粘土で人生を知った」って言葉もすおいですね!ブラボーです!