酒井式にあきれる保護者

 酒井式描画指導法について、私のブログの読者からメールをいただきました。ご本人の了解を得られましたので紹介します。

「私の子供が通っている小学校でも1年生の図工で「酒井式」をやりました。まったく「見事」としかいえないくらい自分の子供が変わってしまい、普段描いている絵との違いに驚きました。あれほど子供の絵を「生き生きとさせない」手法があるのですね。子供が描いてきた絵のテーマが「楽しそうな顔」だったのですが、我が家にあるたくさんの絵の中で一番楽しそうに見えないのが皮肉のようでした。」「周りの親御さんの中には、「きちんとした絵が描けていてよかった」と感じられる方もいるようです。私自身もそうだったのですが、「本物そっくりに描く」=「上手」という価値観が根強いので、「酒井式」を喜ばれる方は多いのかもしれません。

 山崎さんのブログを読むようになり、紹介されたいくつかの本を読んだりするうちに、子供の絵は目的ではなく(コミュニケーションの)手段なんだと思うようになりました。だからこそ、技法と同じかそれ以上に、なぜ描くのかを大事にしたいと考えています。
 親としては、学校教育にどれくらい関与したら良いのかの判断がつかないところも多いのですが、せめて「学校任せにはしない」という気持ちで子供と向き合って行くことが大事ですね。

《山崎感想》

 酒井式については、酒井氏が北海道教育大学教授でしたからの、信用する方も多いのでしょう。
 書店にも多いですし。酒井式を実践されている方はこのような保護者の声にも耳を傾けてほしいものです。
 なお、今度の学習指導要領の図画工作の目標は「表現及び鑑賞の活動を通して,感性を働かせながら,つくりだす喜びを味わうよ うにするとともに,造形的な創造活動の基礎的な能力を培い,豊かな情操を養う。」となっていますが、今回の改訂において目標の中に「感性を働かせながら,」という言葉が入ったということの意味は大きいです。

子どもの思いが、何も感じられない絵 (保護者の声)

口汚いののしり、全くデタラメな意見 酒井式描画指導法をめぐって
by yumemasa | 2009-08-25 20:30 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明