なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)

札幌市の中文連(第53回 札幌市中学校 美術・書道展)で札幌の水野一英さんの展示パネルはすごくよかったです。ただ展示するのではなく、「提案」がありました。見に来る市民に向けて「なぜ、その授業をしたのか。」そのことを説明しています。
なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)_b0068572_19143288.jpg
 どのような根拠でこの授業をしたのか、学習指導要領との関連からも説明しています。パネルに「学習指導要領」という言葉が出てくるので、かたい印象を持ちますが、水野さんは そのことを きわめて平易に しかも短く書いています。



水野さんのされたカメラを使った授業、これは使用する写真の意味がまったく違います。「秋写真」「マイイベントポスター」は一瞬見かけは似ていますが、解説を読むとその違いが非常に明確になります。
なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)_b0068572_18352064.jpg
なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)_b0068572_1915559.jpg
なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)_b0068572_19152713.jpg
なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)_b0068572_1916458.jpg
このように授業のねらいが明確に示されていますので、子どもの側から考えることもとてもやりやすくなります。
あー、確かにこのような授業を設定すると感じ取る感度が高まるなとか、コミュニケーションをするために他者のことも考えるなとか、そんなことが見えてきます。
このパネルを見た市民は 今を生きる中学生のデリケートな感性に触れることができますね。解説があることで「写真うまいなあ」以上の感想を持っていただけるといことです。
なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)_b0068572_1917580.jpg
なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)_b0068572_20325268.jpg
この解説をを読めば「水墨画、上手だなあ」ということだけではなく、子どもは何を学び、何を感じ、描いたのかそのことが想像できます。
なぜその授業をしたのか、ねらいを伝える(作品展を通して)_b0068572_19172934.jpg
なお、水野さんは全国造形教育研究大会 千葉大会で提言をします。

《関連記事》

子どもの絵を読む

なぜ作品を展示するのか

作品展で「子どもの絵の見方」を配布

第50回「札幌市中学校美術・書道展」
Commented by andre-candre at 2009-11-23 22:42
私も様々な題材に挑戦しようと、いろいろ面白そうなことに試みてみるけれど、「どのような根拠でこの授業をしたのか」、「授業のねらいは何なのか」ということが、きちんと押さえられていないと、ただの変わった授業で終わってしまう。
授業する側も、生徒にも、そして学習の成果としての作品をみる人にとっても、授業の意図を示すことって、とっても大事ですね。また、作品だけでなく、「学び」そのものをみることができると思います。
私も、大事にしたいと思いました。とっても勉強になります。
Commented by yumemasa at 2009-11-23 23:06
andre-candreさんの書かれたことは、本当に大事なことですね。研究会でよく、どうしたら そのような作品ができるのか そのことに対しての質問が出ることがあります。もちろん そのような側面もありますが、やはり、どうして その授業をしたのか、つまり「題材設定の理由」ですね、ここですよね。
つまり子どもの中に何を育むのか、どんな学びの可能性があるのか、あるいは美術を通して子どもが少しでも幸せになるためには、何をすべきなのか、そんなことを じっくり考えるのも大事ですよね。
andre-candreさんのコメントを読んでこの記事を書いてよかったなあと思いました。ありがとう。
by yumemasa | 2009-11-23 18:35 | 美術教育の啓発活動 | Comments(2)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明