「世界を変えるデザイン」その他90%の人たちへのデザイン
2010年 11月 12日
デザインということを考えるとき、この考え方は外せない、そう思いました。私がイメージするデザインって、世界の人口の10%のためのものだったのですね。感覚ではこのようなことは想像はしていましたが、具体的に写真を添えて説明されると、これからの世界で「その他90%の人たちへのデザイン」がいかに大切であるかを痛感しました。
本のイントロダクションの一部を紹介させていただきます。
「世界の全人口65億人のうち、90%にあたる58億人近くは、私たちの多くにとって当たり前の製品やサービスに、まったくといっていいほど縁がない。
さらにその約半分近くは、食糧、きれいな水、雨風をしのぐ場所さえ満足に得られない。
この残りの90%の人々の生活を良くするには、何が必要なのだろうか。
「思い」だけでは、何も変わらない。お金の援助も、それだけでは不十分。
実際に人々のライフスタイルを改善する、具体的な「もの(製品)」が必要なのだ。
そのような「もの」をつくる上で、「デザイン」の役割は欠かせない。
たとえば、アフリカには、井戸で水を汲み、何キロも歩いて家に運ぶ人々がいる。
水を運ぶの重労働だが、ドーナツ型の容器があれば、子供でも、転がして楽に運べる。
シンプルだが、考え抜かれたデザインが、人々の生活を大きく変える。
消費社会にあふれる「もの」とは少し異なる、世界を変えるための「もの」。
世界には、そんな「ものづくり」に取り組む人々が大勢いる。」
この本は2007年にクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館で開催された「DESIGN FOR THE OTHER 90%」という企画展がベースになっています。
なお、この本の存在を教えてくれたのが高2の娘。今プロダクトデザインに興味を持っています。わすか10年前にはひらがなしか書けなかったのになあ。人間の成長はなんて早いのだろう。
《関連サイト》
☆世界を変えるデザイン―ものづくりには夢がある(情報考学 Passion For The Future)
☆その他90%の人たちへのデザイン Qドラム
(ブログ初掲載 2010年1月2日)
大学の授業で20年以上前,ゼミの助教授が言っていました。
「デザイン」って言葉は,図工美術では狭義の言葉だから,もっと広義の意味を理解してから授業で活かせ と
時間・場所・生活,その人や国のすべてを考えることが,デザインの始まりだよ・・・・と。
頭でわかっていても,現実にはできていません。私に至っては5%以下でしょうか。
でも,この考え,私たちの教科での授業作りと一緒なんでしょうね。
一部の子供や一部のメディアだけをみるのではなく,まずは現実にいる目の前の子供達全員を(生活環境や暮らし,個性~実態の把握)しっかりみて,(授業を)デザインする。
シンプルだけど,目の前の子供達のことを考えた授業が,人々の生活(感性やこれからの生活の中での図工・美術のあり方)を変えていけるのかな
いつも,何気なくコメントして,最期に自分の首をしめそうな内容になります。
・・・・少しはがんばろう。
このブログを始める前ですが、校内の研究理論が行き詰まっていたときに、「研究をデザインしよう」と言って、当時の研究の文書を床に並べ、俯瞰し、重要な言葉をもとに、再構成しました。
これが、すごくわかりやすくなって、研究が一気に見えてきました。当時の職員室で「デザイン」という言葉もよく使われるようになりました。
ですから、miyazakiさんの指摘された考えは本当に大事だと思います。それから「シンプル」であることは みんなで共有しやすいですね。
さて、この本の世界を押し進めることは、デザインが世界を変えて行くということですね。