異年齢から学ぶ 小学生が美大生と出会う
2010年 01月 06日
三澤先生の「旅するムサビ」の取組に手がかりをいただいて実践した、大学生との交流を行った事例がありますので、報告させていただきます。
子どもたちは、初めて出会う日本画や油絵を前に目を輝かせて盛んに自分の思いを語り合いました。また、描く姿、その人とのふれあい、美術を学ぶという生き方との出会い、「自分の表したいことがよりよく表せるように工夫して描く」という思いの共有・・様々なことが子どもたちの見方や感じ方を広げ、心を揺さぶり、描くことや学ぶことへの意欲につながっていると、実践した教員も共同研究した教員も子どもたちの姿に成果を実感しています。
(山崎感想)子どもたちが、大きなお兄さん、お姉さんの描いた絵を見て、ものすごく興味を持ったということ、写真に見える子どもの「まなざし」からも感じ取れます。主体的に学んでいる様子が伝わってきます。
この授業では絵について描いた本人から、いろいろ話が聴けただけではなく、目の前で実際に描いているところを見せてもらっています。画材や道具も驚いたことでしょう。きっとこの子達が美術館に行って作品を見たとき、あるは名画を鑑賞するとき、絵との距離は近くなっているでしょうから鑑賞の深まるでしょう。また自分たちが描いたり、つくったりするときも違ってくるでしょう。大きなお兄さん、お姉さんに対する見方も変わってくるでしょう。
なお、注目すべきは、先の授業のねらいの明確さです。このねらいがあってのこの授業です。
私の中学校でも昨年教育実習生が来られて音楽の授業の一部を使ってマリンバを演奏しました。その時の生徒の表情。あの驚きの表情を思い出しました。美術では高校生の先輩の絵を見て感動していましたもん。ものすごく見ていました。異年齢から学ぶということのよさを感じます。
ところで、このうような形での授業報告ってわかりたすいですね。子どもの「学び」を感じ取りやすいです。
そしてこの報告からわかること、ネットをうまく活用して授業改善を図っていること。東京でやったことが、九州の小規模校で生きてくるくるなんて、なんと素敵なことでしょう。
《関連サイト》
☆多摩図研で「プチムサ」授業公開←小学生が美大生と出会う
《関連記事》
☆中学生が美大生と出会う
大作家の作品ではなく、身近な年代の、何年か前まで自分たちと同じ中学生だったにおいのする学生の作品。でも一歩も二歩も先にあり、表現の深い世界に入り込みはじめている作品です。
その作者が目の前にいて、制作過程の想いから悩みから、作品のコンセプトまで聞くことができるチャンス。『旅するムサビ』を通して、作品と向き合い、その制作過程を垣間見、作者との会話を積み重ねた彼らは、
美術館も芸術家も、現代アーティストも、それ以前と比べ、途方もなく身近な存在になっています。(と思います)『表現する』という垣根もとても低いものに変化し、「いつでもその垣根を飛び越えてやる」という気構えまで感じさせます。美術作品をみることへの抵抗感がなくなるだけでなく、これからずっとアートの世界を身近に感じるようになり、そして自分も表現者になりうるということに気付く、そんな授業にしたいものです。
きっとそんなことが起こっているのでしょうね。つづく
中学生と大学生との出会いでは、生徒たちの作品が生まれる過程と美術作品といわれるものの制作過程との距離感がぐっと縮まり、表現活動というものに対するイメージもぐぐっと身近なものに変化する時間でした。生徒たちの口からは「わたしたちももっと表現してみたい、もっといろんな作品を見てみたい」という言葉が生まれてきます。
野乃平さんの実践報告の小学校でも、きっとそんなことが起こっているのではないでしょうか。山崎先生の言うとおり、学びの現場が目の前にあります。
すずき先生が実際に実践されて目の前の中学生の姿から語っているのですから、ものすごく手応えを感じます。
途方もなく「身近な存在」とか「垣根が低いものに」という言葉に象徴されていると思います。
特にひとしせんせが「つづき」として書かれた部分はリアルです。