かつては、私は水彩絵の具の使い方を中学校に入ったからということで再度指導し、透明描法、不透明描法などについても練習をさせ、それを基礎・基本として絵を描かせていました。しかし、今はそのようなことは軽く触れるだけです。練習も
遊び的なニュアンスでやり、絵の具のおもしろさを再発見することが主です。それに生徒が本気で「こう表現したい」と思えば、自分で工夫して描いてしまうということも体験を通してわかりました。だって水彩絵の具は小学校のときから使っているのですから。ですから基礎・基本などといって時間をさくこともなくなりました。
今の重点は水彩絵の具のおもしろさを味わい、描くことがいっそう好きになってもらえるような授業をすることです。
8年前から使っているのが透明水彩絵の具です。(絵の具は学校で準備しています)
透明水彩絵の具を本格的に使うのは難しいですが、気楽に使うなら最高です。絵の具はあらかじめパレットに出ているし、絵の具はすぐにとけてくれるし、後片付けも楽。
透明水彩絵の具をはじめて使うときはスケッチを楽しむということが主です。ハガキ大の大きさの画用紙に1時間に数枚描きます。とにかく義務教育の中で「絵の具で絵を描くのって楽しい」って実感してほしいのです。
最初に生徒の作品や作家の作品を軽く見せ、とにかく、どんどん描いてみようという雰囲気でやっています。楽しそうです。
この授業は鉛筆やコンテ、木炭、フェルトペンなどを使ってスケッチを楽しむということを先に体験しているということが先です。
もともとは外に出て風景画などを描くということではじめました。
「見て描く」授業でしたが、勢いでこんな絵を描く子も出て来ました。筆と絵の具の感触を楽しんでいます。
透明水彩絵の具は数ある描画材の一つというスタンスでやっています。ただし、透明水彩絵の具で本格的に描いた絵も簡単に紹介しています。これが同じ絵の具で描かれたものなのかという驚きの反応をします。
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