小学校で旅するムサビ
2010年 06月 14日
そのことが以下のブログで書かれています。
ひとつの事象を複数のブログで取り上げることの意味も大きい。非常に画期的なことだと思います.
そして、18日、今度は北海道江別市の第二中学校で「旅するムサビ」が行われます。
☆2010.6.10 旅するムサビ@茅ヶ崎←武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクト
☆6/10(木)旅するムサビ←図工を知らない図工の先生
☆『旅するムサビ@茅ヶ崎』から考える・・・←the fundamentals【basics】of ART
「美術による学び研究会」のメーリングリストに投稿がありました。茅ヶ崎の教育委員会の小野範子さんによるものです。たいへん、ていねいにその価値を書かれていましたので、了解を得て、転載させていただきました。以下、小野さんの文章です。
「旅するムサビの学生さんたちが、6月10日(木)茅ヶ崎市立茅ヶ崎小学校にお越しくださいました。
詳しくは、「旅ムサ」で検索してのホームページをぜひ御覧ください。
今日は茅ヶ崎市美術館に学芸員の方が「旅するムサビ」を見に来てくださったのでお礼と感想を聞きに行きました。
学芸員の方は、子どもたちと学生さんのやり取りを見て、「『作家』は、自分の作品の裏側、ましてやプロセスを語らないよね。すごくビックリした」と、おっしゃいました。
私がうれしかったのは、学芸員の方が一人の「作家」として学生さんを捉えていらっしゃることです。作品がすばらしいということです。
それは、子どもたちも証明していました。
子どもたちの目は、本物(よさ)をしっかり捉えます。
本物だからこそ、気持ちが動きます。
もっと、学生さんから聞きたい。もっと、自分が気が付いたことを話したい。
そして、聞いてもらいたい。
子どもたちの素直な感性があふれていました。
様々な鑑賞の手法があると思いますが、
旅ムサのよさは、作品があって、作者がいること。
これは、美術館のギャラリートークとは違いますよね。
「素の学生と素の子どもがぶつかること」が重要だと考えます。
子どもが素直に感想をぶつける中に、
学生さんは気が付かなかった自分のよさを見付けることもあるでしょう。
また、子どもたちの中にも何かが生まれたと思います。
この授業を終えて、担任が次の授業をしようと思ったら、
「先生!次の授業ができません。僕たち、今、絵が描きたいんです」って、
言われて、ビックリしたそうです。
また、あるクラスでは、担任が次の授業にいったら、
教室中で学生さんの話してくださった内容をもとに、
子ども同士でギャラリートークが始まっていたそうです。
とすると、やり方にこだわらずに、対話をうまくしなきゃと考えずに
ありのままでいてほしい、そのまま子どもたちにかかわってほしいと思いました。
本当に真剣で、前向きで、ステキな学生さんたちに出会えたことは、
子どもたちにとって一生の宝になったと思います。
また、茅ヶ崎小学校の先生方の心をグッととらえたようです。
「学生さんの話が面白くて、のめり込んじゃった。
子どもたちのことを見られなかった。ははは。」と、
夢中になって学生さんの話を聞かれていた姿がたいへん印象的でした。
「鑑賞するとしゃべりたくなるものなんですね」ともおっしゃっていました。
茅ヶ崎小学校の先生は、時々子どもと同じ目をしていることがあります。
先生方が面白いから、子どもたちも面白いのです。
子どもたちが面白いから、先生方も面白いのです。
この取組みがずっと続き、広がっていくことを願っています。
三澤先生をはじめ、お世話になった方々に感謝しております。
茅ヶ崎市教育委員会 小野 範子
小野さんに転載をお願いするにあたって、小野さんが、次のような言葉を添えてくださいました。
「茅ヶ崎小学校は、図工の研究を2年前から始めています。今回は旅ムサを通して、子どもたちだけでなく、先生方や保護者の方、また、横浜国立大学とのコラボもあり、つくりながら、まるで図工のような展開をしています。」
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茅ヶ崎小学校の先生方の印象が小野先生の言葉「…時々子どもみたい…」と本当にピッタリです。
北海道、江別二中でも素敵な出会いとなることを楽しみにしています。