学力論争の狭間で

学力論争の狭間で_b0068572_24441.jpg東京の「こどもの城」で、この秋東京都内の30校の小学校が集まって展覧会が開催されました。テーマは「ラブアンドピース」。
○○賞などというコンクールではなく、美術教育の価値や存在理由を問いかけるような内容になっています。非常に志の高い作品展だと思います。
 注目すべきはこの作品展に向けての「参加校指導者のことば」がブログのスタイルで発信されていることです。その中でも特に印象に残ったのが主幹の鈴石弘之先生のものでした。

大切な図工の時間  (←鈴石先生が書かれた記事)

学力論争の狭間で揺れる図工・美術教育、親からいらない教科といわれるNo.1が図工。

 この記事に私がCommentをしたところ、鈴石先生から返信がありました。そこで東京都の恐ろしい実態を知りました。思わず「戦前?」という言葉が頭をよぎりました。
Commented by 野里子 at 2004-12-11 12:19 x
はじめまして。。crayon-pastelさんのところから辿って、このごろ頻繁におじゃましております。というのは、次女が児童教育を学んでおり、酒井式に興味を抱いたからです。

そして今日は、長女が小学校低学年のころ、図工の授業で、散策のあと「見てきて発見したことを描きましょう」と言われ、「わたしはなにも発見できなかったから描けない」といって、2時間、画用紙を白紙のままで見つめつづけた…ということを思い出す「大切な図工の時間」にであいました。

今、長女は芸術大学で造形を学んでいます。
図工と美術・芸術はいっしょではないだろうとわかっていても、この気持ちの変わり目はいったいなんだったのだろう…どこにあったのだろうと思います。こんなところに美術教育の、なにかヒントがありそうな気がするのですが......。口下手ですが、いたいことの半分でも、伝わればうれしいなぁ。。と思います。
では。。

Commented by 野里子 at 2004-12-11 12:44 x

すみません。。なんども。
上記文、じつは長文になってしまい送信できませんでした。
半分以下にかいつまんだので、読み返してみたら意味不明です......
メールの出し方もわからないので、このままにしておきます。

URLもspaceの文字があることで、記入できませんでした。
↓ここに書きます。ブログもよくわからなくて、なんだか、恥ずかしいことですいません^^;

http://www.geocities.jp/himekospace4610/
Commented by yumemasa at 2004-12-11 15:03
野里子さん、恥ずかしいなんて、とんでもない。誰もが最初は初心者です。娘さんが何も描けなかったという体験、酒井式なら絶対に描いてますよ。白紙を見続けるなんてあり得ません。描けない理由は娘さんの言う通りです。教師の言った言葉を誠実に受けとめたんでしょうね。きっと。(なんて正直な子どもなんだろう!)では、酒井式で言われるがままに絵を描かされてそれで作品ができることで、何が育つのでしょう?子どもは、教師が描かせたい絵を描かされるという作業をするだけです。教師はどの子にも描かせられるという(子どもを意のままにコントロールできる)満足感は得られるでしょう。子どもの絵を正しくとらえられない親は、うまく描かせてもらえたといって感謝するかもしれません。
途中まで描きましたが、コメント欄ではキツいですね。十分伝えることが。そこでとりあえず11月28日の記事にあるkids Art Laboや12月6日の記事で紹介させていただいた「寺内定夫の子育て塾」をぜひご覧下さい。子どもの絵をどうとらえるかについて、非常にわかりやすく説明されています。私のメールはyamazakimasaaki@mac.comです。
Commented by yumemasa at 2004-12-11 15:20
野里子さん、続きです。
なお私の「豊かな美術教育を」(このブログの左にリンクしてあります)の授業ビデオをご覧になられると私がどんなことを考えているか少しはわかっていただけるかもしれません。
娘さんには「センスオブワンダー」と「絵で聴く子どもの優しさ(寺内定夫・萌文社)を強く勧めたいです。
なお、酒井式で絵を指導していたら、子どもから絵を通してのメッセージは受信できないでしょう。
キミ子式なんてものもあります。
なお、つけたし。小学校の時の先生が「散策のあと…」という授業は子どもにとって。あまりにも難しかったかもしれません。別の投げかけがあったはずです。このことについては「豊かな美術教育を」の「美術教育あれこれ>美術教育雑感」の中の「題材設定の理由」「題材との出会い」をご参照下さい。
あー、こんなに紹介されたら大変ですね。時間があるときにでも、よろしければどうぞ。
by yumemasa | 2004-12-11 01:48 | 美術科の存在理由 | Comments(4)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明