栽培 今の子どもにとって必要な学習

 写真は技術の授業で、栽培中の大根を観察しているところです。中学校2年生が朝、昼、放課後と栽培中の大根がどうなっているのか見にいっています。水やり、間引き、雑草抜きなどの仕事もあるのだだけれども、理屈抜きで「どうなっているんだろう?」と何気なく行っている姿も目にします。いい姿だなと思います。そして必要な教育だと思います。こんな生徒の姿を見る職員室の教師は笑顔になります。
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 国際的な学力比較で世界で何番目、それも大事かもしれません。でも、他に大事なことがたくさんあるのに「学力」ばかりが話題にされる。これは大人の責任。
 さて、都会で過ごす若者にとっては、農業はかけはなれた存在。しかし、毎日口にする食べ物はどこから手に入れているかは忘れがち。だからこそ義務教育でやらなければならない時代になりました。




 自然の恵み無しでは生きていけないということを忘れてしまいがち。このような栽培を若い時期に少しでも体験するのか、まったく体験しないのか、その差は大きいでしょう。
環境や命のこと体験を通して感じとることの大切さも訴えていきたいと思います。

 この栽培の授業の根拠は指導要領にも示されています。
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 ☆中学生が未来に夢を持つ←「技術」の授業。
Commented by すずきひとし at 2010-09-04 13:51 x
うれしい記事です。山崎先生に話しましたっけ?私が農業しているの。ほんの1.5アールほどの農地ですが、12年ほど前からやっています。年間25種類ほど。これまでは週末農業でしたが、この春からは毎日農夫です。採れすぎた作物は職員室で「鈴木農園無料販売所」なんて、配っていました。今夏はあまりにも暑くて、今は早朝5~7時と夕方が農作業の時間。タマネギ、ジャガイモはおおよそ一年分をまかなっています。今はナスとシシトウ、オクラ、ピーマン、モロヘイヤ、トマト等等。大地の力はすごいです。自然・天候との駆け引きがこの上なく至福の時間となります。以前このブログのどこかで投稿したと思うのですが、『農業』を義務教育の中に含めたいですね。ものを育てること。自然の力を感知する事。体、五感を働かせる事。環境を意識すること。すべて大切な事ですよね。それは美術の取り組みと近いもののようにも思います。
Commented by すずきひとし at 2010-09-04 13:56 x
<続き>彫刻家の朝倉文夫も「制作者は農業をするべし」といって、お弟子さんたちに農園作業をさせたようです。上野の朝倉彫刻館を訪ねた事があるのですが、屋上は一面農場でした。屋上緑化の先駆者でもあった訳です。アートとしての農業を考えても面白いと思います。都会の若者は農業の機会がないと言いますが、今農業する事が若者の間で少しずつライフスタイルとして、動きつつあります。私の畑の隣の隣の荒畑で、若者グループが格闘しています。脱サラや世界中を駆け回ったあと、農業にたどり着いたという若者たちです。彼らとの交流も面白いです。農業は待ってくれません。いやが応でも自然のサイクルにこちらが会わせなければしっぺ返しを食います。また、そこがとても魅力的な事でもあります。東京と言っても、うちはその中のど田舎ですが。
Commented by yumemasa at 2010-09-04 19:42
鈴木斉さま、目に浮かぶようです。斉先生、農業とまではいかないけれども栽培(あるいは飼育)が、今度の指導要領で生徒全員がやることになりました。必修です。
この写真のような簡単なものでも若いときに、体験したことがあるかないか、で自然観や農業観あるいは食に関する意識とか大きく違ってくると思います。
いま、こうして都会でもすぐに出来そうな方法が普及することは大きな意味を持つと思います。
そういう意味でこのコメントはありがたいです。
若者が農業ですか、実はわたしの家の近くは農家がほとんどです。というか農地と住宅街が道路一本はさんでわかれている感じです。
Commented by yumemasa at 2010-09-04 19:46
(続き)私の母の実家は農家です。幼児期に体の弱かった私は、夏、冬休みは、ほとんど親戚の農家にいました。おそらく、10年以上はそんな感じでした。だから私という人間にも大きな影響を与えていると思います。
教員採用試験で落ちた年は農業を手伝っていました。トラクターもバリバリ使いました。
過酷な労働でした。もっと野業は儲からないといけないと思いました。
そうですね。本当に自然相手の仕事です、それを実感します。
by yumemasa | 2010-09-01 21:31 | 自然と人間 | Comments(4)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明