全国造形教育研究大会プレ大会(札幌)

全国造形教育研究大会プレ大会(札幌)_b0068572_841060.jpg来年7月26〜28日に札幌で開催される「全国図画工作・美術教育研究大会」として、札幌で小学校2年生の授業が公開されました。
 来年に向けて今回のプレ研に関しての研究資料からもその準備の充実が伝わってきました。
授業は『「あったかい!」をつなげあう造形活動』をめざし「心の発動」「感動の共有」の2つのことが授業の中で出現するようにつくるようにしているとのことです。この積みあげによって『「わたし」が創られていく」と考えているということでした。
 (私は授業だけの参加でしたので、詳細はわかりませんが、配布資料だけからでも、授業の見方、子どものとらえ方、研究協議の持ち方など ものすごく工夫されています。)
 詳細は以下で近く公開されると思います。注目です。

 ☆北海道造形教育連盟
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↑とりあえず、3色使ってみたいですから、道のようにしてつなげます。(ただし、このときの思いはわかりません)そして、この黄色い線が青と赤の線を踏み越えていきました。すると…
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(上の写真の続き)「あっ!」って声をあげました。この模様のおもしろさを「発見」したのです。
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この子は「今ね、道をつくりながら歩いているんだ」って言っていました。ローラーを動かしているこの子にとっての意味です。しかし、大勢の仲間と活動していますから、その行為の意味も互いに刺激を受けながら変容していきます。
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ローラーで描いていますが、同じようなことをしているように見えても子どもの感じていること、考えていることが違うという事が、子どもの目線や動作からも少し見えてきます(でも、このとらえ方の「過信は禁物」ですけど)私は子どもに直接声をかけて聞いてしまいますが、これは研究授業の邪魔になってもいけないし、悩ましいところです。
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意図を持ってローラーを転がしていますが。この色のムラのおもしろさが気に入ったようです。
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道の周りに池を描いています。真ん中は深くて足がつなかいそうです。それを色で使い分けています。この色を使い分けた表現には驚きましたが、子どもは必要があれば描くんだなと、改めて思いました。
 まわりには草があって…このあとトンボを描きくわえました。その子らしさが見えてくるようでした。クレヨンではなく、筆を使っていたらまた違ったでしょう。
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家を描いているのですがお隣さんの家との関連で子どもの絵も変化していきます。こうした交流が学び合うことのおもしろさを実感させていくのでしょう。
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こうした描画材の選択が活動を大きく変えます。紙の大きさも含めて今回の活動の質を大きく左右することになります。なお、今回使用した紙はガムテープで補強するなど、子どもの側に立って楽しさを阻害しないようにしています。ブルーシートをガムテープで固定しているのも安全への配慮です。
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このように試行できるように紙を準備しているのは大事ですよね、絵の具の濃度も調整できますし。新聞紙の方が、大きくて気楽かもしれませんけど。
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奥村高明先生と岩崎由紀夫先生が来られての授業研究です。おそらく、このあと、子どもの姿からの授業分析がおこなわれたはずです。
私が気のついたことの一部をブログに書かせていただきましたが、これを複数の教師の分析でやるわけですから 実際の協議ではさらに広がり、深まりを見せたことでしょう。 この授業、環境の構成を変えていくと、もっともっと充実していきそうです。来年の全国大会は期待です。

《関連記事》

 ☆異年齢での共同制作←子どもの描く行為を分析

 ☆やりがいのある幼稚園の先生対象の研修会←絵の具を使う気持ちよさ

 ☆「愛が共鳴する幼稚園 」(寄稿)山崎佳枝←子どもたちから感じるもの
Commented by 森實祐里 at 2010-09-05 20:58 x
山崎先生、ご参会、ありがとうございました。
ぜひ、分科会にも残って、ご発言いただけたら、話し合いがもっと深まったと思いました。
今回は、運営面でも課題が浮き彫りとなり、来年に向けて見直していきたいと思っています。
このブログの山崎先生の授業の見方も参考にさせて頂きながら、
10日に研究部会で反省をしたいと思います。
本当にありがとうございました。
Commented by yumemasa at 2010-09-05 22:03
森實さん、見てくれたのですね、コメントありがとうございます。
ちょうど、最近、幼稚園でも子どもが絵の具に触れながら遊ぶ時の意味を分析していろいろと発見があったので、今回の授業も興味深かったです。
チームでの授業づくりは大変でしょうが、面白いでしょうね。
せっかくコメントしていただいたので、少し関連するかなあというものを関連記事としてリンクしました。
もう1年、ないんですね。
Commented by 森實 祐里 at 2010-09-06 14:48 x
チームでの授業づくり、何かアイディアがあれば、教えていただけるとうれしいです。
今回は、研究部として授業をつくり、みなさんに視点や扉、授業実践テーマについて考えていただき、共通理解を深めていこうと思っていました。
来年度の大会は各扉ごとに授業を作っていくことになります。
運営面での反省、私の気がつかない部分がたくさんあると思います。プレ大会をやってみて、初めて分かったことがいっぱいあって、反省しきりです。
でも、反省して、振り返ってばかりいられない時期にきているので、どうすればよかったのかを検討していきたいと思います。
いろいろと教えていただけるとうれしいです。
Commented by yumemasa at 2010-09-06 21:58
森實さん、大変ですね。でも、当たり前です、全国大会の授業の責任者なんですから、それは誰がやっても大変です。でもやりがいはありますよね。それにたくさんの人が支えてくれています。そして、これまでやってきた実績もあります。

そして、チーム札幌には高橋さんのように、若い時から、共同研究のよさと難しさをよく知っている人がいますから、心強いですね。私は34回大会の授業を見て、驚きました。これが共同研究のすごさかって。そのノウハウがあります。
プレ大会をやってみて、たくさんのことに気がついたってのも最高ですね。それでこそプレ研じゃないですか!
たくさんの課題が見える、それはもう苦しくてもやりがいのある世界です。そして乗り越えられない壁じゃない(断言!)
Commented by yumemasa at 2010-09-06 22:02
(続き)でも、私は、どの研究もそうですが、シンプル、構造がシンプルでわかりやすいものがいいなあと思っています。研究紀要をさっと見て「そうだよな!」って思えるのがいいなあ、個人的には。言ってみれば、職員室の中で他の先生に見ていただいて、理解していただけるようなもの。
石狩の研究は美術教育を知らない人にも見てもらいました。
何かあったらメールでも携帯でもどうぞ。

全国大会のプロセスが見えるコメントってある意味、すごいかも。これを読んで、全国大会に参加した人は、紀要を見る目が変わるでしょうね。

森實さん、好きだなあ!かっこつけないから。だから「対話による鑑賞」でいい授業が出来るんですよね。

ま、みんなで壁を乗り越える、これはすごく魅力的!
葛藤から生まれるもの、これほど大きいものはない。
Commented by 森實 祐里 at 2010-09-11 11:33 x
いつもいつも、あたっかいコメント、うれしいです!
昨日、研究部会で反省をしました。
北海道のMLで出された反省や当日いただいた反省を基にして、行いました。
そして、
たくさんの問題点も浮き彫りになりました。
今後は、私たちの主張をどのように提案していけばよかったのか、いろいろな方法を考えていくことになります。

また、ぜひ、お力をお貸しください。

あったかい大会を目指して頑張ります!
Commented by yumemasa at 2010-09-11 12:32
方法を考えるのって楽しいですよね。私、美術教育のセールスばかりやっています(笑)
研究に真摯に取り組む姿を見ると、内心では「おいていかれるかも…」と不安になったりするんですよ、さ、私も充電、充電。
by yumemasa | 2010-09-04 09:09 | Comments(7)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明