額に入るといいね。
2004年 12月 15日
作品が完成したとき、ちょうど美術室にあった額があったので、私が「今日は、額縁屋さんになってあげよう。」と言いながら、額縁屋さんがどんな仕事をするのか説明し、生徒に「あなたは、依頼主ね。」と言いました。目の前で、台紙の色を選んでもらったり、カッターで台紙を切ったりして額装しました。
「いかがでしょうか?」というと、彼女の表情がパーッと明るくなりました。じゃ、サインも入れて。「これなら、部屋に飾りたくなるよね。」と私が言うと「全然違う作品みたい!」と言って感激していました。
私もとてもうれしくなりました。
あの表情を見て、作品を飾ること、作品を大切に扱うことの大事さを、再認識しました。あー、こうやって作品をすべて額に入れたらいいだろうなあ、と思いました。
教材費に組み込んだら高価だし、うーん。
今度、石狩の図工美術部会(平山一弥部長)で生徒作品を美しく飾る方法についての実技研修会をすることになっています。
額というのは日常世界からの境界線で非現実化する線なので、額があるのとないのとでは作品に対する気持ちは違ってきますよね。作品が一つの生き物であるかのように対話してくる存在に昇華する瞬間が額装した時です。まるで産声をあげるかのような瞬間ですね。