この作品をどう思いますか?
2004年 12月 15日
以下は生徒の描いた作文です。
「(1)授業を通して感じたこと、考えたこと、発見したこと…私はこの作品をつくっている間に思ったことは、自分なりに小学校6年生の時よりけっこううまくかくことができてうれしいです。
何より絵の工夫をもっとできるようになった気がします。
(2)この授業を通して見についた力や感じ方、考え方…私は、この美術の時間を通して色の工夫や、絵の工夫がすごく楽しいものなんだなと思いました。
何よりも色を工夫を身につけたと思います。二番目に身につけた力は絵を工夫する力です。
最初は中のもようがなかったけれど、中のもようを入れたらよくなりました。」
俗にいう下手なのかもしれません。しかし、この生徒は制作中も誠実な態度で取り組んでいました。なかなか進まず悩んでいる様子も見えました。
実は、この作品の最終段階で「もっと工夫したら?」と声をかけようとしていたのでした。しかし、実際には「奇麗な色だね。なんか見ていたら気持ちが明るくなるね。」というようなことを話しました。ただ「完成かどうかを決める前に、作品から離れてみるといいよ」と加えました。
そうして、黄色いイチョウの葉に模様をいれたのでした。
あの時、私が「もっと工夫をしたら?例えば…」なんて言っていたらどうだったのでしょう。
子どもの表現を受けとめるために私はこの作文も非常に大事にしています。
なんなんでしょう、飾り気もなく描かれたイチョウの葉の存在感でしょうか。
なのに、寂しげというか涼しげなバックの水色がまた、不思議な取り合わせです。
artshoreさんの「飾り気もなく」という表現がなぜか彼女の雰囲気と重なったのでした。