図工美術教育の日(報告31) 秋田(1/2)「校内展」
2010年 11月 17日
秋田の黒木さんからの寄稿です。では、黒木さんお願いします。
図画工作・美術教育の日 賛同企画報告
秋田県立仁賀保高等学校 黒木 健
このたび授業作品の「校内展」と「校外展」の二つの取り組みを行いました。
校内展は10月2日(土)に行われた学校祭で、校外展は11月4日(木)から地元の銀行ロビーにて行なっていますが、両展共に授業の考え方や制作前のアイディア展開、生徒の感想などを可能な限り紹介しています。
■校内展
校内展での紹介題材は「チョークアート」です。
これはチョークという描くこともできるし、それ自体を削ったり組み合わせることで作品にもなる素材性を活かし、個性を活かした創作活動になるよう設定した題材です。
(山崎感想)なぜチョークアートに取り組んだのか、その理由が示されています。美術教育というのは一般的にはまだまだ、いわゆる「上手に」作品を「つくらせる」教科であると思われている部分もあります。しかし、そうではない、ということがこの報告では明快に示されています。
「図工美術教育の日」は授業改善を考える日でもあります。
授業の導入でこの映像を見せられて、黒木マジックにはまり込み、のめりこんでいく生徒の姿が見えてきます。それにしても、いつもの、身近な単素材だけの教材。題材発想の極限を提示してくれて学ぶばかりであります。教材カタログを捨てよ!・・・・
みなこの原点に戻って、生徒の心をくすぐる題材発想の創意工夫をしたいものです。一度「単素材による題材研究会」を開いて、刺激し合いたいですね。
この題材設定が身近であり、なおかつ、広がるような指導をしているからでしょうね。
このところ連日ハード、というかいつもですが…、な黒木さんに一段落したら、いろいろ教えてほしいですね。
私は、黒木ワールドといいうつつ、やはり一般化できる授業を展開しているところが、大事だなあーと思います。斉先生の実践もそうですね。
じゃあ、最初にどんな導入をしているのかなあ。仁賀保高校の生徒になりたい!
動画を制作した生徒は1年生で,自宅で作ってくれました。家で作っているとは言ってくれていましたが,作品提出の日ポツリと「これに入っています」と言って渡してくれたUSBメモリー,それをパソコンに差し込んで作品を再生したときの感動は今でも忘れられません。
導入ではシンプルに教科書を活用しました。「みんなから見ると表現っていろんな種類があって分かり難いと思うかもしれないけれど,大きく分けると3種類なのです。教科書を見てみよう。平面,立体,そして写真やビデオの映像ですね。」
これで生徒は自分の制作の方向性をうまく定めることができたように感じています。結果的には立体と平面が半々,写真表現と動画表現がそれぞれ1名となりました。もう少し映像メディア表現でやってくれる生徒がいてくれればと思ったのですが・・・
さて、このような授業がシンプルな導入から生まれている。しかも教科書を使いながら。
いろいろな表現が生まれるためには、教室の環境をどうするか、ということが大事になってくるでしょうね。
ところで、黒木さん、この記事の「チョークアートについて」と「マッピング」の画像を大きくしたいのですが、差し替え可能?
この授業はもう少し(と言うかかなり)補足が必要ですので,近々自身のサイトにアップしたいと思っています。
生徒に委ねることによってこちらも学びが生まれる,そんな授業だなっと改めて感じているところです。教えよう!と思っちゃうとだめですよね。なかなかそのへんの腹の括りようが肝心かと。