学校から美術教育が消えたら〜その2
2004年 12月 21日
今日、この記事を読まれた伊藤光悦先生(昨年退職)からメールが届きました。宮脇先生のご指摘について、特に深い関心を寄せられていました。(伊藤先生は石狩の図工美術部会の研究の新たな礎をつくった方です。このお二人が対談されたら、おそらく深い内容になるだろうな、などと思ってしまいました。)
宮脇先生の記事の後編を紹介します。このブログでも特に貴重な内容となります。
★日本文教出版「Forme形」273号から
「学校から図工・美術教育が消えたら(2)」
宮脇 理 (ミヤワキ オサム)
私が自分のメインサイトである「豊かな美術教育を」で最初に書いた記事「美術科の存在理由」と深く関わる問題でもあります。この答えを出すために、このブログをやっているようなものかもしれません。
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☆学校から図工・美術教育が消えたら〜その1
図工大好き・美術大好きがこうじて、ついには人生まで変えてしまった身ですのに、恥ずかしながら美術教育がここまで危機にさらされているとは知りませんでした・・・。もどかしい思いです。
先生方の真摯なことばに心打たれております。何か、できる事はないかしら・・・。
ところで、喫茶店見てきました。いろんな方が来られていて楽しそうですね。小学生がつくった発表物も見ました。先生や友だち以外の大人の人から認めてもらえることってすごくうれしことですから。もし機会がありましたら、図工の作品でも話題にしてあげて下さい。表面のうまさではなく主題に共感してくれる大人がたくさん増えてくれたらいいのになあと思っています。瀬戸内海の美術島?どんなところなんでしょうね。私の住むところは今日は道路が凍ってつるつる路面。運転も緊張します。
教育の世界やましてや美術教育の世界の中での些末な問題で一喜一憂していられない緊急事態宣言をしないと、本当に「もしも」の世界が来てしまいます。
教育はまさに現場で行われているものですが、そのことの意味、子どもが表現する場を通して育つことが保障されることの重要性を多くの方々に理解していただくための行動を起こさねばと痛感しています。
近く、東京で、そういうことを肴に集まってみようと思っています。北海道にもその情報は入れていきますから、というか、たぶん集まるメンバーから見て、山崎さんに即通じると思いますよ。
東京、狭い街です。
そして
「子どもが表現する場を通して育つことが保障されることの重要性を多くの方々に理解していただくための行動を起こさねばと痛感しています。」というところも本当のその通りですね。もう会って直接話がしたいくらいです。
この直接の行動は大きいものから小さいものまで実は多数あると思うのです。
大橋さん、その集まりで具体的な行動のアイディア出しあえたらいいですね。
大橋さんのされている「描画ツアー」もまさにそうですし、刺激を受けた私もいろいろな形で取り組んで手応えを感じています。
またこのブログをきっかけに美術教育関係者以外の方とのつながりもできました。そしてわかっていただけると思っています。
うーん、元気を出して前向きにやる方法を自分でも考えてみたいと思っています。昨年国会で小泉顕雄議員が中学校美術の授業時間数が少なすぎるということについても発言してくれました。またマスコミの中にもそのような価値をわかっていただいている方もいらっしゃらことがわかりました。そしてこのブログを見ていただいている一般の方々の反応もなんと心強いことか!
大橋さん、今度やるその集まり、もしかしたら今後大きな力を生み出すことになるかもしれませんね。いやぜひそうであってほしい。
何かやりましょう。私も連動して取り組みたいです。きっと私たちが本気でやればできる方法はあるはずです。
今回のコメントを読んで久々に「よし!」って気になってきました。
大橋さんが東京に来たことの意味は大きいはずです。
ところで、おおはしさんと三澤さんが連携してくれたら心強いです。危機意識は誰もが持っていると思うのですが、美術教育関係者以外の方々に向けて実際に行動を起こしている方々はまだまだ少ない気がしています。でも数は増えていますよね。
「なんでも展覧会」もそうですし、保護者対象のものもそうですね。昨年学級懇談会のあと、それをやってみましたし、子どもの絵の価値について一般の方々を対象に小さな講演ですがやってみました。
そうすると絵の見方が変わるんですね。本当に。
今小さなお子さんを持つ同僚の方々は幼児の絵の持つ価値についてご理解いただいています。みなさん、お子さんのためにどんな環境を用意するか、どんな関わりがよいのかも意識されているようで、もうそれだけでずいぶん違うんですよね。
知恵を集めて行動してきたいです。できれば莫大なエネルギーを費やさなくてもみんなでできるものも考えたいですね。
「あ、そうか!」なんて思える方法で、これが全国各地で広がればと思います。
子どもの描く絵の意味、そこでの学び、育ちをご理解いただくことは、とりわけ大事でしょうね。
美術教育のために頑張っているのではなく、子どものために頑張っているわけですから、そこをわかってもらえるようにしたいです。
三澤先生、今度の「集会」とても楽しみにしています。よろしくお願いいたします。
そうそう、その岡山の会では、千里敬愛幼稚園の小谷園長と一緒にパネリストなんですよね。がんがん発言してきてくださいね。その会、僕はどうしてもいけなくてとても残念ですが、小谷園長と山崎さんがパネリストって、これまたすごいことですよ!
東京未来大学にも関東から千里敬愛幼稚園の研修に参加していた幼稚園の先生たちが集まってきて、自主研修会をはじめました。大学のある足立区北千住あたりから美術教育ののろしを上げようかと画策中です。
8月25日には長野県東御市梅野記念絵画館で、スケッチ大会があり、その場で子どもたちの描いた絵を親御さんに解説し賞状を渡すというユニークなイベントもあります。保護向けにアクションを起こしていきましょう。
この記事を書いた1年半前は何をどうしていいか先が見えてこなかったのですが、全国のあちらこちらに同じ思いを持って、そして実際にアクションを起こす(これがもっとも大事ですが)方々がたくさんおられることがわかってきました。現状は厳しいですが、やっていきましょう!本気で。
そしておもしろいことは、いろいろな立場で、いろいろな組織に所属する方々がそれらを越え、こうしてつながっている。それは本物でしょうね。
子どもの絵の読みとりについては、北海道の渡辺貞之さんがその大切さをずっと語ってこられました。そんなときに大橋さんの描画ツアーを知り、多くを学んだわけです!1月には小谷園長と長文メールのやりとりでなんだかより理解が深まりました。そこに来て「なんでも展覧会」があり、教育美術振興会のギャラリートークを見て、やっぱりこれだって思いました。三澤さんのスケッチ大会の絵の解説も興味深いです。
初等教育資料の絵の解説もインパクトありです。自分でも考えていることがあります。WEBを活用したものです。
もう今や美術教育をご理解いただく対象は保護者だけではなく、広く社会に向けてですね。
前嶋先生の全国に粘土場をつくろうとしている取り組みにも共感しています。このコメント欄ひさしびりに熱い想いにさせてくれました。いやー、ブログをやっていてよかったです。
美術教育のプロフェッショナルのみなさまのあとでコメントするのはなんとも勇気がいりますが…子どもの作品に関する報告をひとつさせてください。
昨日、額装作家さんのアトリエの取材に行きました。
彼女はご主人の赴任先であるパリで額装の勉強を始め、現在は東京の自宅で教室も開いているのですが、そこで私は、彼女や、その生徒さんが、自分の子どもたちが描いた絵を額装しているものを眼にすることができました。
絵にあわせて、マットをつくり、額に入れ、壁に飾る。
とても愛にあふれた好意であると感じました。
そして、作品というのは、大切にされるといっそうかがやきを増すものであると感じました。
こんど、彼女を招いて親子のための額装講座なんかもやってみたいな…と構想中です。
実現したらぜひ教えてください。
ところで取材活動っていうのもいいですね。また、いろいろ教えてください。いろなアンテナをはっておけば、きっといろんなところでつながり、力を生み出す、そう思っています。これからもどうぞよろしくお願いします。
三澤先生、東武沿線の話、おもしろいですね。その要に山内さんの千住があるというのもおもしろい縁ですが、僕と山内さんの出会いと再会の軌跡のびっくりです。
なにしろ、ぜったい「普通」の人なら足を踏み入れないようなディープな場所で、たった一度、京都国立近代美術館でのシンポジウムの後の懇親会で、たまたま座り合わせたのが山内さんでして、その時もらった名刺の舞子って言う字で覚えていたくらいですから。
そのとき同席だったのが、花篤実先生、岩崎由起夫先生、そして奥村高明先生、私、そして山内さんでしたからね。
今回の千住ミーティングの仕掛け人は山内さんですものね。
世界は狭い!こわいなぁ・・・、嬉しいなぁ!っておもいました。
京都で集まったメンバーもすごい顔ぶれ。
皆さんでつながっていけばやがて大きなウエーブとなりますね。それにしても、ブログをはじめたころは、北海道以外の出来事などまるで知らないに近い状態でした。今はとにかく前に進める感じがします。どうしようと困惑するのではなく、次は何ができるかという発想になっています。
発信する相手は社会全体かなと思っています。
場所は千住、創業は昭和初期という、かなり場末な感じの5人も入れば満員の酒場です。ここの主人の昼の顔は美術館業界でも有名な研究者兼コレクター。外見はかなりボロいのですが、外壁に展覧会ポスターが張りかさねられている様子はまるで佐伯祐三の絵画のよう。
先日のおつまみの一例を挙げますと、江戸時代の絵本、岡本一平の
漫画、昭和中期の教科書…でした。たまに「あ、これね、来月○○
美術館の企画展に出すものなんです」と手渡されることもしばした。
(大橋先生が「普通」の人なら足を踏み入れないようなディープな場所、とおっしゃっていたので、どんなところだ?と思われた方も多いかもしれませんが…)
山崎様、みなさま、千住へお越ししの際はご案内しますのでご興味がございましたらご一報を!
いままで味わったことがない「アートとの出会い」を保証いたします。
いやいや、山内さん。確かにすごいおつまみですよね。しかし、それほど大きくはない千住の町とはいえ、あの小さなお店を見つけて、そこに入り、そして、二度目の訪問で山内さんと出会いました。
それもアートの力なんでしょうね。
今週は九州小倉から広島とロードに出ていますが、東京に戻ればまた覗いてみます。今週は滋賀大学の新関先生がこられるので、お連れしようかと思っています。
つまみがすごそう。
それにしても偶然とはなんとおもしろいのだろう!大橋さんのコメント見て、そう思いました!