千葉県立美術館で全校生徒によるインスタレーション
2011年 09月 08日
千葉県立美術館 普及課の東(あずま)健一さんより、ご寄稿いただきました。以下は東さんの文章です。
9月7日より,千葉市立磯辺第一中学校と千葉県立美術館の連携モデル事業による展覧会を開催しています。
事業内容は地域で開催されるアートプロジェクト「創造海岸アート祭り・美浜誰でもアーティスト」の一環として,全校生徒が制作したインスタレーション展示を県立美術館で行うというものです。また,この展覧会は美術部が実行委員となって,中学生自らが展覧会をキュレーションする試みで,6月から活動を開始しました。
今回の取り組みでは,地域のアートプロジェクトと連携するので,県立美術館の学芸員以外にも,地域で活躍するアーティストや,千葉大学の小橋先生や学生さん,プロジェクトを運営するアートNPOの職員,市民ギャラリーの学芸員の方々と交流しながら,自分たちの展覧会を作り上げてきました。特にアーティストのアトリエを訪問では,プロの表現者から,作品を作り,発表することの意義や心構えを深く学ぶことができたようです。
出来上がった展覧会は,「今の私から,なりたい未来の私へ」というテーマで,全校生徒250人の全身壁画と,学校を象徴する「船」をモチーフとしたメインオブジェを組み合わせたインスタレーションとなっています。
ちなみに,全身壁画は「自分らしいポーズを型どり,今の自分と,未来のなりたい自分を色にたとえて表現する」というもので,作品内に作者のメッセージが張り込まれています。
また,船の航跡のように漂う泡には,「今のこの世の中をどう思うか?」というメッセージが記載されています。
会場内にいると,中学生一人一人の息遣いや,熱い想いがひしひしと伝わってくる素晴らしい展示です。
とあるご老人は,「わしは中学生の作品から元気をもらえたよ」とおっしゃっておられました。
生徒が生活する地域を舞台として,アートを軸に中学校と美術館,大学,NPO,市民ギャラリーが手を組んだ今回の試みで,何が生み出されるのかが楽しみです。
お近くの先生は,是非ともご覧ください。
展覧会情報は以下の通りです
場所:千葉県立美術館第6展示室
開催期間:9月7日(火)~9月11日(日)9:00~16:30
入場無料
(山崎正明)全校生徒で生み出すということのよさを、強く感じます。インスタレーションの手法を用いているので、無理がないし。
何よりこの展覧会のコンセプトがとてもよい、この取り組みをなぜするのか、そんなところからも学べる事は大きいと思います。
メッセージを読んでみたいなと思います。そのことと色や形の関連も考えてみたいななんて思いました。
共同制作でありながら、一人一人の思いが大切にされている。いいなあ、この展覧会。