絵日記は心の交流誌
2013年 01月 17日
その中で、寺内先生が話された内容の一部をここに紹介させていただきます。
(公開については寺内さんからご了解いただいています。)
この話は寺内先生が取り組んでおられる「絵を聴く会」の中で取り上げられたものです。
(小学校3年生)「この前、学校のハムスターを見ていたら、ハムスターが寒そうにふるえていました。えさをあげてもふるえていました。
わらをつめると少しおちつきました。生き物係なのでちゃんとできるかどうか心配です。」
ユリカさんが学校で書いた絵日記です。このハムスターを描いてから文章を書いた絵日記です。ところが、ユリカさんは、巣の中のハムスターを正面から描いたこの絵が気に入らず、顔の部分を消しゴムで消してしまいました。
そして描き直したのが次の絵で、巣にもぐりこんでいたハムスターがお尻をこちらに向けています。ユリカさんはどうしてわざわざ描き直したのでしょうか。その気持ちに共感することが絵を聴くという人間交流です。
ユリカさんの描き直しは、文章と絵があわない、と感じたからです。このハムスターの絵は写実的に見えますが、実際のスケッチではありません。日頃からよく観察して、心に残っている姿を思いだし、顔のある絵を描き、文章を書いています。ハムスターはあまり寒いと冬眠状態になるということですから、巣にもぐりこんでいる姿に心配したのでしょう。
ところが文章の「寒そうにふるえていました。えさをあげてもふるえていました。」と書いてみて、巣の中にもぐりこむ後ろ姿でなくては実感が出ないことに気がついたのでしょう。子どもがいかに誠実に小さな生命を見つめているかと、心を打たれました。これが子どものリアリティ感覚で、小さな動物に寄せる気持ちが簡潔に表現されています。
(補足〜山崎)子どもが持って来たのは最後の後ろ向きの絵でしたが、よく見ると消しゴムで消したのですが、うっすらと最初に描いた形が見えたのです。それを再現したのが最初の正面向きの絵だということでした。
寺内定夫絵で聴く子どもの優しさ」萌文社P150-151より引用
(記事掲載については寺内定夫さんのご了解を得ています。)
☆絵で聴く子どもの優しさ
この記事は2005年1月11日に書いたものです。
「絵を聴く」ってなるほどと思うと同時に深いものなんだなと思わされました ユリカさんはこのハムスターをいつも観察していたから寒そうだとかが分かるんですものね、それを表現した絵なんですね 子供が描く絵は子供たちの思いも沢山詰め込まれているんですよね 娘もお絵かき大好きで良く描いていますが私はそこまで深く考えて受け答えをしていなかったと思いますね
最近はこれは何を書いたとか伝えてくれるようになりましたけどね。