美術教育の価値を伝えるプレゼンテーション(その1)

美術教育の価値を伝えるプレゼンテーション(その1)_b0068572_1024164.jpg 先日、秋田の高校の黒木健さんが これまでの実践を まとめて 冊子にされました。黒木さんの実践は知っているのですが、改めて 学ぶべき実践だなと思いました。黒木さんが授業を通して 生徒にどんな力をつけ、何を育んできたのかが ひしひしと伝わってきます。充実した実践があってのことですが、美術の授業はどうあるべきかを問う優れたプレゼンテーションになっていたと思います。だからこそ 多くの反応があったのだと思います。
 さて、ここで着目したのは 黒木さんの 本としての編集の仕方です。短い文でビジュアルで伝える。デザインの力です。
 今回、高校の美術の授業の取り組みが 小学校の図工の専門でない先生からも 共感を得ている(千歳の岩崎愛彦さん)こと、中学校の音楽の先生(札幌の佐々木さん)からも。どうして、そうなったかを黒木さんの冊子を見ながら 学び取りたいものです。
今回 生徒の言葉を掲載した事は私は ものすごく重要なポイントだと考えます。
Commented by 笹木 陽一 at 2011-12-11 10:48 x
札幌の音楽科・笹木です。
「生徒の言葉を掲載した事」の重要性を、山崎先生が指摘していることに、強くわが意を得たりとの気持ちになりました。前回も書きましたが、黒木先生の実践に強く惹かれたのは、授業デザイン=教育方法(指導法)の素晴らしさはもちろん、「学ぶ子どもの語り(ナラティヴ)」を示し、そこに教育の真実が現れているように感じたからなのです。

オーケストラの指揮を学んでいた頃、プロの指揮者のリハーサルを見学に行った際、その指揮者がアドヴァイスしてくださったのが、「指揮者がどう振っているのかではなく、プレイヤーがどう演奏しているかを見なさい。その指揮者が優秀かどうかは、オーケストラの姿からしかわからない」ということでした。

どんなに素晴らしい指導をしていても、学び手がモティヴェートされていなければ、さらには学び手そのもののあり方が表現されていなければ、何の意味もありません。「学び研」が追求しようとしている趣旨に賛同して、他教科ながら議論に混ぜていただいていることの第一義は、ここにあります。

Commented by 笹木 陽一 at 2011-12-11 10:49 x
私はここ数年、「ナラティヴ・アプローチ」に関心を持ち、学び手の臨床的な語りから教育を「人間発達援助」として再定義しようとする「臨床教育学会」の研究にもコミットするようになりました。「子どもの姿を語る会」を立ち上げ、様々な領域の方々と語り合い、学び合う機会を作り出そうとしていることも、この問題意識と重なります。

山崎先生の記事の趣旨(プレゼンテーション=編集のあり方)とはずれたコメントとなってしまいましたが、思わず勢いで書いてしまいました。いつもながらの長文コメント、お詫びします。皆様のご意見、ぜひお聞かせください。失礼します。
Commented by yumemasa at 2011-12-11 12:40
笹木さん、指揮者のリハーサルを見る視点のお話、ありがたかったです。それはまさに授業を見る視点ですね。
授業を見るときは 子どもを見る、子どもの頭や心の中でないが起こっているかを 見る そこから授業改善を 考えるってことと大事にしています。それは すべての教科においてです。
 先日の夕張での「ビデオ」による発表は「子どもの学びの姿」が 他の方法より よく見えてきました。
 笹木さん、音楽と美術は運命共同体です。共にやっていきましょう。子どもの幸せのために。

by yumemasa | 2011-12-11 10:26 | Comments(3)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明