スケッチする能力(その1)
2005年 01月 19日
これらの絵を見てどう思われるでしょうか。「中学校2年生でこの程度?」と思われる方もいるかもしれません。
でも、私は最近、これだけ描けたら十分だと思っています。なぜなら、この絵は基本的には「描かされた」絵ですから。もしこの生徒たちが本気で「描きたい!」と思ったら、大人になったときにも描けると思うのです。さらに興味を持って、好きになってたくさん描けば表現力は向上しますし。
★しかし、それでも、このままではいけないと感じていることがあります。 それは…
この授業の最初に「これから、作品を鑑賞するのだけれど、見られるのがいやな人は?」と聞きました。すると6人が手を挙げました。「どうしてですか?」と手をマイクのようにして、インタビューしたのです。「へただから」ということでした。
でも私から見て決してそうではないのです。
つまり、自分の作品のよさに気がついていないのです。ここが課題なのです。
自分は絵がへたとか、才能がないとか思い込んでしまうのです。
その自分の表現のよさに気づいてもらうために、この鑑賞の授業があります。ですから、この休み中に出す課題のねらいの半分以上はこの鑑賞授業のためにあるのです。
しかし、おもしろい傾向があります。級友の作品のよさはちゃんと認めているのです。
自分には厳しいのです。しかし、その作品を鑑賞する中で生徒の意識も変わっていきます。
「自分はヘタだ」と言っていた生徒が照れくさそうな笑顔を見せたりします。
(私は「別にほめてはいないからね。本当にそう思うから言っているんだよ。」ということもあります。)
ここでは、同じようなものを描いてもその人の感じ方によってその表し方が違うのだということをつかんでもらうようにしています。
1年生の鑑賞では名画の表現の違いも気がついてもらえるようにしています。マチスもあれば雪舟もあるし、レンブラントもあるわけですから。
実は、今の大人の方にもいいたいのです。描きたければ描きましょうと。うまいとかへたとか考えないことです。まずは描くことそのものを楽しいでくださいと。ちなみに、いわゆる写実的な表現力は訓練によって高まっていきます。でも絵は写実的な絵がよいということで言っているのではありません。
こちらでコメントされてたmaruya-naosimaさんを、昨日夫が読んでた「AERA」でお見かけしました。びっくり!直島、いってみたいです。
ところで、実はこの課題、子ども達が何を描いてくるか、とても楽しみなんです。作品の裏に書いてもらっている感想を読みながら絵をもるのもまた楽しいのです。
ところで、人がつながるのは、おもしろいですね。発見があるから。