「対話をつなぐ美術鑑賞〜育まれる教師とこどもの絆」

「対話による美術鑑賞」に取り組むようになってから、私は変わりました。そのことで 子どもの幸せは増えたと思います。美術鑑賞がもたらす素晴らしさを実感しています。
 それは私だけではありません。
 例えば 今回ここで紹介させていただく「対話をつなぐ美術鑑賞」には この美術鑑賞を通して得た確かな手応えが書かれています。たくさんの方々がヒューマンな視点で語っています。
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 この本は沖縄のNPO法人 アートリンクが刊行したものです。一人でも多くの方にお読みいただきたい一冊です。「対話による美術鑑賞」が教室の中にもたらした様々なことが 書かれています。そこに流れるのはとっても人間的なものであり、学ぶ喜びであり、子ども発見であり、教師という仕事の喜びであり…。



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副題がついています。「信じよう 子どもの力、対話の力、アートの力、教師の力」で、これ、きれいな言葉を並べたのではなく 事実としてこう書いていることが この本を読めば よくわかります。
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↑こういう感じで13人の報告が紹介されています。読みながら「そうですよね!」「やっぱり!」「あ、わかる、わかる」「あー、やっぱりそうですよね、たまんないなあ」「子どもからこんな考えも出てくる事もあるのか!」って、いろいろ感じます。読んでいて元気が出ます!!
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「対話をつなぐ鑑賞」にはじめて取り組むときの葛藤なんかも書かれています。リアルです。教師として学ぶ事、共感します。それは子どもの幸せにつながりますから。
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↑前田さんの報告は今回知りたかったものの一つ。不登校の生徒達との取り組み。(何と、私の名前もちらりと出ていました。びっくり。)
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↑この本は2部構成になっています。アートリンクが行った「授業づくり講座」が、第2部の内容です。沖縄の5人の美術家が登場します。(アートリンクが巻き込んだ!)そう、地域と共にあるって、こういうことでもあるんだって、思いました。学ぶ事の何と多いことか!
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この本の最初に書かれているアートリンの宮島さおりさんの「ごああいさつ」、これ「鑑賞教育は、どうあるべきか?」に対する一つの大事な答えであると思います。
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*この本は 市販はされていませんので、メールかFAXでの申し込みをしてください。申し込み方法は上の画像をクリックして拡大表示されたものをお読みください。


 この記事を書きながらすごく実感した事。それは「対話による鑑賞」が人々の間に「共感」の感覚をもたらすということ。


《関連記事》

 ☆沖縄発「アートリンクマガジン」


*この記事は2012年3月18日に投稿したものです。
Commented by 黒木 健 at 2012-03-18 21:35 x
いち早く書籍を見ることができたので、facebookを通して編集長の宮島さんに感想をお送りしました。以下再掲します。

届いた届いた! 見ました見ました!!
装丁も内容も価格以上ではないですか!!! B5判がA4判に見えまする。
どの実践、いや“実感”も様々な輝きがあり宝石箱のようですよ。

高校勤務の平安名先生。そうそう!特に高校にいると平安名先生が言うように「美術を得意とする生徒たちの活躍できる居場所作りを中心とした活動」になっていきやすく(私はこれをダークサイドと勝手に言っていますが・・・)、先生のように気付き、立ち戻るきっかけに「対話をつなぐ〜」があったことはこの鑑賞メソッドの大きな一面だと思います。

喜屋武先生。こちらも涙が出てきちゃましたよ。それまでの先生と子どもたちの関わりがそうさせたんだなと。(うらやましいっす)
Commented by 黒木 健 at 2012-03-18 21:37 x
高松先生。もう高松先生だけで一冊できちゃいますよね(笑)。成績のことが最後に書かれていますが、そうだと思います。生徒の成績の高低は授業者である先生の成績なんですよね。生徒がやれない、できないじゃないんだなって改めて思いました。

前田先生のところはもう別冊扱いでしょう。でも・・・・本当のこと言うとまだ読むことができません。自分にとって“やばい”所とストップがかかります。そう意味で別冊なのです。後日心落ち着かせてしかと読み進めさせていただきます。スミマセン

後半の画家の皆様。濃いっすなぁ。秋田のように寒い所には頑固じじい(失礼)が多いとこれまた勝手に思っていましたが、南国にも素敵な頑固者がおられるようですねぇ。こうやって沖縄の作家さんの作品と出会うことができたのもこの本の良い一面だと思います。
Commented by 黒木 健 at 2012-03-18 21:40 x
同じようなサイズ、厚みの本をつくったことがあるのでよく分かる(つもり)なのですが、結局本作りは「選んで、流れを作る」ことであり、その過程には残念ながらいろんな事情で選ばれなかったものもたくさんあるはずなんです。それを思うとこの本の奥行きというか広がりは計り知れないものあります。

(思いつくままでスミマセン)掲載写真、どれもいいですねぇぇ。文章を読まなくとも写真だけ見進めていってもぽあんとあったかい気持ちになれます。ある意味「対話〜」の授業はどの場面を切り取ってもシャッターチャンスてんこ盛りなのかもしれませんね!

以上です。 連続投稿失礼いたしました。m(__)m

対話による鑑賞の関連書籍(主に方法などを記したもの)はいくつか出版されていますが、このアートリンク刊「対話をつなぐ美術鑑賞」と併せて読むことで、その魅力や威力がより鮮明になるんではないかなとおもいました。
是非是非全国の皆様お申し込みください。オススメですよ!!
Commented by yumemasa at 2012-03-19 04:37
黒木さん、いやー、びっくり、だって あのコメントを私のブログに転載させていただこうかと思っていたんです。で、転載させていただきますね!
Commented by 黒木 健 at 2012-03-19 05:04 x
以心伝心 (^_^)
Commented by yumemasa at 2012-03-19 05:18
うれしいね
Commented by 井上哲義 at 2012-03-20 07:22 x
 素敵な本が、アートリンクから出ましたね。私もすぐ申し込みました。早く見たくてわくわくします。山崎さんも変わったと言ってましたが、対話による美術鑑賞によって、私の美術への意識や子どもへの意識が大きく変わりました。生徒の成績の高低は実は、授業者である教師の成績なんだという言葉、心に響きます。生徒がやれない、できないんじゃないんだという所、私もそう思います。評価とは、子ども達、一人ひとりを、どれだけ正確に見れるかという事です。教師側の責任も大きいと思います。もっともっと深く生徒を見ていく事、良さを引き出す力をつける事が大切だと思います。この本をもとに、対話による鑑賞教育を更に深め、子どもを美術教育のあり方を模索していきたいとおもいました。素晴らしい本の発刊に胸が踊ります。黒木さん、ご紹介ありがとうございます。
Commented by yumemasa at 2012-03-20 11:15
Facebookの中では かなり話題にされています。うれしいです。井上さん、石教研でも紹介したらいいと思います。
Commented by 井上哲義 at 2012-10-17 22:40 x
とても素敵なとりくみだし、書いてる人たちの一つ一つが、財産と言うか、貴重な言葉ですね‼こんな取り組みや、北海道の今を、もつともつと新鮮に届けるてだては無いのだろうか!我々の実践をもつと、リアルに公開できたらいいなあ‼と思っています‼ 石教研の研究の成果も。大切な、現状の成果となると思っています。是非、全国と交流を深めて行きたいと思っています。素晴らしい実践を積み上げて行きましよう‼‼\(^o^)/
Commented by 井上哲義 at 2012-10-17 22:51 x
とても素敵な紹介ですね‼アートリンクの内容は、涙を誘うような、充実した内容となっています。子供の未来を見据えた、全国的な高まりは、更に強いものを、感じます‼ 北海道の実践の公開も、これから、もつと、増やして行きたいと思っています‼‼\(^o^)/
Commented by 井上哲義 at 2012-10-17 22:58 x
ご苦労様です‼
Commented by yumemasa at 2012-10-17 23:32
井上さん、石教研の活動のあり方ももっと見直すことで、可能性は広がっていくと思います。
by yumemasa | 2012-10-16 22:25 | 鑑賞教育 | Comments(12)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明