研究会をする意味〜山梨から学ぶ

 2014年山梨で「全国造形教育研究大会」があります。A4 2ページの印刷物に示されたその構想。どんな研究会にしようとしているのかその意図が十分、伝わってきます。見事です!
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このような短い言葉なのに、すごく、よくわかるし、内容も本当に練られています。
私がもっとも注目したのは山梨でやろうとしてる「広げる」であり「with&for」 「Parents」「Society」です。これは今の美術の研究団体がしなければならないことの一つだと強く思っています。しかも、それはかけ声ではなく実効性のあるものでありたい。
この研究の主旨に強く強く賛同します!同じ方向を向いている仲間がいる、そう思えるのです。こんなに心強いことはありません。
 そして真似したくなる研究です。研究会をする意味を山梨の発信からさらに考えていきたいです。

 どんなに立派な研究をしても、どんなに立派な授業をしても、それが消えたらおしまいですから。

《関連記事》

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(滋賀で話させていただいたこと)「いま私たちがすべきことは何か?」~子どもたちの未来のために~

「広げる研究」をしたい←2006年に考えていた「広げる」の概念は狭いです。もちろんこれも必要ですが、今は山梨の言う「広める」こそ必要でしょう。特に一般の方々に「必要」と思っていただける発信が重要でたいうことです。

《関連サイト》

 ☆「造形100年教育」B-side美術教育雑感
Commented by すずきひとし at 2012-04-26 06:07 x
うーん、さすが鷹野さん、山梨県。
武田氏の四菱紋に四つの役割をあてがって、広重の江戸百景の浮世絵の俯瞰図を表紙に持ってくるとは。「俯瞰という新たな視点」というテーマに、妙に共感します。2年後ですか、今から楽しみだな。でも、今からの2年間が一番意味のある研修の時間になるんだろうな。
Commented by 山崎正明 at 2012-04-26 06:41 x
ここに書かれていることは本当に深いです。これ、プレゼンにしたら、もっとすごいでしょうね。山梨では動画もつくったそうです。それも見てみたい。まさに研究会をデザインしていますね。私たちが山梨で見たあのビデオを思い出します。2014年ころまでには、市民から美術は大事ですよって、言っていただかないと!
Commented by 鷹野 晃 at 2012-04-26 08:15 x
山梨大会の御紹介をいただきありがとうございす!感激です!
「山崎先生ならこの取組について喜んでくれるだろうな~」とずっと思っていましたが,やっぱり喜んでくれました(!)
 鈴木先生のおっしゃるとおり,取組の過程こそが大切に思います。多くの議論がおきることを期待しています。
 未来100年の子どもたちへ,何を残し贈り物とするか?
  私たち美術教師は次世代に何をバトンタッチするべきなのか?
   俯瞰して新たに見える課題とは??

 with Childrenについて,数学でしたが,本校の校内研で,今授業を受けたばかりの生徒が授業研究会に同席して意見を言うという試みをしました。
そう,100年という視点で見ると,不思議なことにこの子どもたちも貴重な同世代の同僚に見えてきます(!)
Commented by 石田貴之 at 2012-04-26 11:29 x
※山崎先生のブログ購読させていただいております、現在幼稚園年長児を持つ父兄です。(美大卒で美術教育を受けてきました。)
「with & for」 という思い、とても興味深く拝見させていただきました。一方「with & for Teacher」という思いも 保護者の中にあるということもコメントさせていただきます。「with Parent」の取り組みが、我々保護者を引き込んでくれるような入口をご提示いただけるものであってほしいと願います。(まだ幼稚園なのに飛ばし過ぎですが…。)保護者として具体的に何が行われているのか、今後少しずつ知っていきたいと思います。

「今授業を受けたばかりの生徒が授業研究会に同席して意見を言うという試み」すばらしいですね!先生たちも挑んでいるんだという姿を見せると、「心」ある子どもたちは協力しようとするはず。(※幼稚園での授業をのぞかせていただくと、子どもたちのそういう「心」=人を助けたいという思い、この段階ではクラスの8割の子に強く表出しているのが観察できます。この「心」信じていきたいのですが、学年が上がるにつれて消失していく現実も想像がつきます。)”挑む先生方”への”子どもたちの敬意”のかたちが見えてくるようです。
Commented by yumemasa at 2012-04-26 19:37
鷹野さん、またしても、びっくりさせられました。石田さんもコメントされているように生徒が授業研に同席、考えたこともなかったです。ただ、もちろん個人レベルでは授業がどうであったかなんて聞いたリすることはありますが・すごいなあ。でもやってみるとすんなりいけるかもしれませんね。
それから山梨が研究のそのもとになる部分も公開していくということに共感します。
鷹野さん、ぜひ本家のサイトでも公開してください。
山梨の目指す方向を強く、強く支持します!!!
2014年までに頑張れそうです。この2年、必死でやってみようと決意したばかりです。そこにちょうど、山梨からの発信。
刺激的です、私もやります!エキサイトするなあ。
「図工美術の日」もやります。よろしくお願いします。
Commented by yumemasa at 2012-04-26 20:18
石田さん、共に考えていきましょう。実は美術教育は学習須藤要領改訂のたびに、時間数を減らしてきています。それは趣味や才能の教科と思われていた感があります。好きなものがやればよいみたいな意見も実際にあるんです。それから先にあった「芸術科」の話。
現実は厳しいです。ですから山梨のような視点が大切なのです。美術教育の大切さを発信していくということが。そのテーゼとして学習指導要領があります。実によく出来ていると思います。図画工作の目標の中に「感性を働かせて」という言葉が入りました。この意味は大きいです。
とにかく美術教育に関わる現実を多くの方に知っていただきたいと思っています。
Commented by 鷹野 晃 at 2012-04-26 20:54 x
石田さんのお話、嬉しく思います! さすが山崎先生のブログ、いろいろなお立場の方々が読んでいらっしゃるんですね!すばらしいことです。
「造形教育を、造形教育関係者だけで語らない」が山梨の合言葉です。
生徒のいる研究会、なかなか面白いです。ただ、教師側の抵抗もあるのも確かです。なぜなんでしょうね(!?)
また、開催日を秋にしたのは「図工美術の日」の一環になったら~と考えます。
Commented by 井上哲義 at 2012-04-26 22:31 x
 鷹野さん山梨大会の内容、素晴らしすぎます。研究のあり方、振り返りの大切さ、更に深め合う事の大切さ、直接に熱意が伝わってきます。百年にも及ぶ美術教育の変遷を振り返る研究会。素晴らしい視点に心躍ります。研究実践は、実践して終わりでは意味がありません。実践を通す中で、何が足りなかったのか、何が効果的だったのかを、改めて検証していく事が、研究だと思います。俯瞰という言葉
を目にして、改めて研究のあり方を考えさせられた気がします。遠くから、謙虚な気持ちで、此れからあるべき、図工・美術教育の未来を見つめていく姿が、山梨の研究大会の視点であると思います。鷹野さんの視点と熱意に脱帽するばかりですが、北海道でも、生徒の「こうしたい」という主体的な生徒の創作活動に取り組み始めました。誰かが動かなければ何も変わりません。そんな意味で、鷹野さんの大会構想は、大きな励みになりました。山梨に負けないで、北国も子ども達の確かな感性を育てていきたいと考えます。物事を見つめる目、俯瞰する力、新しい勇気をもらいました。
Commented by 石田貴之 at 2012-04-27 01:37 x
山崎先生、「趣味や才能の教科」…つい最近まで私もそう思っていました。故にその意識を変えていく実践をすることの難しさもよくわかります。しかし時代の要請というものが後押しすることはあり得ると思います。気付けば低成長時代。100年構想を思うと、今までの100年をしっかりと消化する100年が次の100年かなと個人的には思います。私の子どもの頃より鑑賞教育がすごく強化されている、それもその一端かなと思います。
『感性を働かせて』この言葉、真に受けたいですね。
Commented by yumemasa at 2012-04-27 21:49
鷹野さん、造形教育の関係者だけで語らない、というのは大賛成です、この考えがもっと広まればと思っています。多くの方との交流から生まれることの大切さ、このブログでも実感しています。「図工美術の日」も大事なキーにしたいです。
Commented by yumemasa at 2012-04-27 21:56
井上さん、そう誰かが動かないと変わらない、動けば変わるかもしれない、そこにかけたいですね。やりましょう。
Commented by yumemasa at 2012-04-27 22:01
石田さん、正直な感想、うれしいですね。そう「趣味や才能」の教科じゃない、人が生きて行くうえで大切なものの一つ。それは子どもも教えてくれる。いいでしょ「感性を働かせて」その主語は「子ども」です。
石田さんと鷹野さんがブログで交流しているって面白い!
Commented by 鷹野 晃 at 2012-04-28 09:48 x
井上先生,コメントありがとうございます!
取組は始まったばかりです。
北海道大会はもちろん,過去の大会での成果,全国の先輩方の築き上げた造形教育というすばらしい文化を振り返り,今後未来100年を確かなものにしたいと思っています。
くれぐれも“絵に描いた信玄餅(?)”にならないようにしなければと思っています(!)。
どうか皆様,「造形100年教育」をテーマに論議を交わし合い,つながりあい,広め,高め合いましょう。御支援ください!
Commented by yumemasa at 2012-04-28 23:54
鷹野さん、インパクトありますからね。私は鷹野さんがつくったビデオが見てみたい。美術教育のプロモーションビデオになっているんだろうなあ。
Commented by すずきひとし at 2012-04-29 19:55 x
鷹野さん、今年の夏も山梨に関わらせていただきます。心の片隅に、この提言を意識して、臨んでみますね。
山崎さん、「造形教育の関係者だけで語らない」やっぱりこれが一番力になるわ。同感。
Commented by 鷹野 晃 at 2012-04-29 23:16 x
鈴木先生、いつもありがとうございます!人口86万人の小さな山梨県。他の都道府県のみなさまの支えを必要としています。よろしくお願いいたします。
また、山梨大会の提言VTR、どこかで放映する機会をいただけたらと思います。5分くらいのものです。私もできるだけ出向けたらいて広報できたらと思っています。そんな機会があったらぜひ教えてください!よろしくお願いいたします!
連続の投稿申し訳ありません。なんか山崎先生の発信力に頼りっぱなしです。
Commented by 山崎正明 at 2012-04-30 07:54 x
ああ、ここでのこういう会話、いいなあと思います。「山梨大会の提言VTR」YouTubeでながせたらいいのになあ。
研究会があるとき、どこかの会場で流す手はありますね。
データを宅ファイル便で送れば可能ですね。
山梨がHubになるってことですね。こういう研究会をずっと待っていました。
Commented by hakusuke at 2012-08-18 23:28 x
未だにぐっとくるあのVTR。帰宅後も、とっさに構えてしまったデジカメ動画を見ては、泣けるー。新学期地域の職員にも伝えなくちゃーとドキドキわくわくしています。
私自身はまだまだ、噛み砕いて噛み砕いて研究テーマを読み、また武田菱に帰宅後「おぉぉぉお。山梨だしね」と、後から気付き、深い。深すぎる。でドキドキしています。何よりも、映像に写っていた子供たちが4つ元気に伝えてくる、伝えられるといったところがすごいなと感心しました。何よりも分かりやすく、誰もがわかる。これが、本当にすごいことであり、大切なことだと考えさせられました。

ほんと取り留めないコメントで申し訳ないですが、「泣けたー!感動したー!」を夏季休暇後の職員室、いや校長室で騒いでいた私でした。まだ、ワンペーパーにまとまっていませんが、地域では必ずアピールします。ハイ。
Commented by yumemasa at 2012-08-19 00:45
hakusukeさん、本当にあのビデオはわかりやすいですね。それだけではなく、研究そのものも、研究資料も。
鷹野さんからは本当にたくさんの知恵をいただいていますね。感謝!
by yumemasa | 2012-04-25 20:29 | Comments(19)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明