美術教育のサポーターを増やそう(その2)〜子どもの絵の見方
2005年 02月 09日
子供の絵の見方
絵に表現するということは、自由で楽しいものであるはずです。ですから筆や絵の具だけではなく、いろいろなものを用いて、心の中にあることを表したり、伝えたりすることができるようになれば、自由で楽しい表現を味わえることでしょう。以下の文章に、子供の表現と絵の見方についてまとめてみましたので、鑑賞の参考にしてください。
小学校低学年・・・
この時期の子供たちの表現は、絵としてのできあがりなどは気にせず、自分の感じたことや、考えたことを、思ったままに、時には声に出したりしながら表現していきます。ですから、低学年の絵を見る時には、子どもから話を聞きながら見るということが大切です。そうすると、絵の中には、大人が考えもつかないような楽しいお話がたくさんつまっていることが気づくでしょう。
小学校中学年・・・
この時期の子供たちは自分本位であった低学年の表現から次第に脱皮を始めます。ものの前後の関係に気づいてきたり、形や色などを見えたようにかこうとするような意識が現れてくるのです。また、この時期は、体験したことに対する感動が最も強いときであり、その人の、ものの感じ方を決定づける極めて大事な時期であるといえます。したがって写実的な表現ができるようになってきたからといって、表現技術を身につけさせることばかり力を入れるのは危険なことです。
絵を見るときも、上手、下手といったことを問題にするのではなく、人と違った感じ方や表し方を見つけ、ほめたり、はげましたりしたいものです。
小学校高学年・・・
この時期になると、写実的に美しく表したいという傾向がより一層強くなり、自分の絵を客観視するようになることとあいまって思いどおりに表現できないと感じたり、友達の絵と比べて劣っているように感じたりして、自分の表現に自信を失う子も現れてきます。ですから、今までに獲得してきた自分なりの方法に自信をもって表現ができるようにするため、絵の指導をする場合は、題材の工夫をすることが大切になります。単に対象を見てかく写生ではなく、自分の夢や願いを含めて表現することを通して、自分の個性に気づき、自分に対して自身を持つようになるのです。また、自信を持って表現に取り組めるようになれば、表現技術は自然と高まってくるものです。
中学校・・・
中学生になると、より高度なもの、より写実的なものなどを求めようとする傾向が強くなってきます。最近はコンピューターを使った作品が見られるようになりましたが、コンピューターは絵の具や筆を使うのが苦手な子にとっても、思いどおりの表現を支援してくれる有効な道具です。
これまで書いてきたように、絵とは子供たちがそれぞれの思いをもとに、自分の表現方法で表すということが基本となります。したがって、子供の絵を見るという行為は、作品を相対的に評価することではなく、子供がその絵を楽しんでかいた様子や、いっしょうけんめい取り組んだ様子などを、それをかいた子供に負けないように真剣に読み取ろうとすることにほかならないのです。」
*以上が作品展の解説文です。これを参考にまた各地区でどんどんやっていったらよいと思いました。この絵の見方については、またいろいろなご意見やお考えもあるでしょうが、今はこのような取り組みを増やし、山田さんの言われるようにサポーターを増やす事が先決でしょう。
会場に来られた方はこの解説の他に、作品についている作者の言葉も読むわけです。これは、おもしろい作品展になりますね。
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☆美術教育のサポーターを増やそう(その3)
《追記》
この記事をUPしたら、会津造形サークルの平塚先生がすぐにTrackbackしてくれました。
埼玉の先生の取り組みが、こうやって広がって行き、つながっていく、これは大きな力を生み出すかもしれません。平塚さんのすばやいアクションうれしいです!下のTrackbackをCiickして見て下さい。この記事の補強です。
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