「いったい、どんな表現をするのだろう?」

 今年も義務教育最後の作品「自分の存在証明・卒業作品展」が終わりました。題材の提案に1時間をかけます。そのあと思うこと、それは生徒達は「いったい、何をテーマに、どんな表現をしてくるのだろうか?」ってことです。教師が提案した題材を、生徒が自分にとって大事なこととして受けとめて本気で表現する授業をめざしています。
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 ここに表現されていることは、第三者が見てもわからないことでも、私、担任、親、級友だからこそわかるもの多いです。



表現の意図について、私が聞いても、秘密で教えてくれないこともあります。そんなこともとてもうれしいことです。
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 かつては、「この題材では、このような条件付けをして、このようなことをポイントにしてやれば、生徒は集中し、こんなレベルの表現をするだろう」と思ってやっていました。自信を持って。確かに一所懸命にやっていました。でも「いったい、どんな表現をするのだろう?」とは、思っていませんでした。
 
Commented by 木村早苗 at 2013-03-20 08:01 x
 学校現場では、多くの子どもたちは教師の意図を読んでいます。「自由に描いていいよ。」「何を表現してもいいよ」と教師が言っていても、これまでの習慣や用意された環境から、この教材では自分たちはどのような表現をすればいいのかという枠をつくり出している気がします。その枠は子どもにも、教師にも無意識に存在するから厄介です。
 でも、ここに紹介された作品には、子どもたちの「本当に何をしてもいいんだ!」という目の輝きが感じられます。子どもたちの自由が保障されることって本当に大事ですよね。
 自分で考え、自分で判断し、自分で行動する。そんな経験の中で、社会における、自分の「個」を確立すること。そんな子どもたちに、将来の日本を任せたい。教育の果たす役割ってとても大きいですよね。
Commented by やまちゃん at 2013-03-20 18:44 x
あははww
開校当初はここで合唱コンクールやったりしたものですよ。
先生には想像もつかないでしょうが。
思わずこの絵にどんな曲をバックに流そうか考えてしまった私って…

余談ですが流石に年なんで音楽のセンスが流石に古いらしく、自分のyoutubeのチャンネルに着メロ用のMIDIファイルを簡単な動画に仕立てて自分のブログのBGMに使ったりしているのですが(チャンネル名yamachanhangyo)、自分達が学校祭や学芸会で歌った曲は伸びず、いまどきの曲は恐ろしいほど伸びるというww
なんなんですかね。
ああ、こういう天真爛漫なセンスが欲しいです(爆)
Commented by yumemasa at 2013-03-20 19:25
木村さんのご指摘は私たちが心しておかければならないことです。義務教育の最後に、美術っておもしろいと実感してもらって卒業させたいなと思っていますし、今まで学んだ力を自分の表現のために存分に使えるそんな教育課程の編成も大切だと思っています。木村さんの言われる「自分で考え、自分で判断し、自分で行動する」といいうこと、これです。卒業制作は。
Commented by yumemasa at 2013-03-20 19:27
やまちゃんさん、北斗中学校、来年度で開校30周年を迎えます。特別な行事はしませんが、ささやかに心をこめたものをしたいとは思っています。
Commented by えばらただし at 2013-03-21 23:40 x
卒業生制作を私もしていますが、なかなかピタッとくるものがありません。教える、教えてもらうから抜けなせないのでいると感じています。自分で学ぶ、創りだす姿勢を身につける授業を日頃から行う必要性あります。美術出版のカタログが届きました。数回読みなをしました。
Commented by 武田珠后 at 2013-03-22 07:57 x
山崎先生、いつもブログで勉強させていただいております。
美術出版のカタログが届き、先生のコーナー熟読させてもらいました。
今年は、卒業制作に自分の存在証明を・・・と思ったのですが、時数の読みの甘さと、それまでの実践の乏しさから、色鉛筆やパステルで楽な感じで描く作品が多くなってしまい、反省しきりでした。
次年度以降は、先生の実践を参考にしながら「よりよく生きる」子ども達のために頑張っていきたいと思います。
私事ですが、この度の人事で隣町へ移動となります。私の後任は講師でまかなわれるということで実質的にこの伊達市には美術教師がいないという現状になります。北海道の美術教育は、どこへ向かっていくのか一抹の不安を感じております。
Commented by yumemasa at 2013-03-23 08:02
えばらさん、ありがとうございます。そいうえば、私が教師になったころは自己教育力の育成という考え方が打ち出されたころでもあります。そうした考え方に出会えたのもありがたいことです。
Commented by yumemasa at 2013-03-23 08:12
武田さん、伊達市、大変ですね。市なのに美術教師が一人もいないなんて。実は美術出版のカタログに出ることで、免許外の先生が気がついてくれて「中学校美術ネット」やこのブログに気がついてくれればと思っています。免許外の先生のお役に立つということも、大切なことだと思っています。ところで、卒業制作でのパステルや色鉛筆を選んだ子が楽な方向に流れたのか、別な思いだったのかそれは分析しておくといいと思います。たとえば、失敗したくないとか、淡い色で描いてみたいとか、いろいろありますから。それから絵の具っておもしろい、楽しいって授業も日頃からどんどんしたいですね。武田さん、いろいろと反省するのは私も同じです。とにかく、美術っておもしろい!って思って卒業してほしいですね。
Commented by えばらただし at 2013-03-23 22:03 x
 昨年秋11月、沖縄で、上野先生が「想像は、創造につながる」、神奈川県美術部会研究大会で美術部会長が「制作ではなく表現」頷きました。
Commented by yumemasa at 2013-03-24 00:51
えばらさん、きっとシンプルな考え方って大切なような気がしています。
by yumemasa | 2013-03-20 00:19 | 美術の授業(山崎) | Comments(10)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明