人間が芸術的創造的に生きなかったとしたら…

 全国造形教育連盟の研究委員会で意見を公募(画期的な出来事!)するということでしたので、先行研究を見直してみる必要も感じています。

人間が芸術的創造的に生きなかったとしたら…_b0068572_1823468.jpg ハーバート・リード
  「芸術による教育」
  (フィルム・アート社)

「人間が芸術的創造的に生きなかったとしたら、その個人、集団は感性が退化荒廃するだろう。そしてそのような創造的悦びから疎外され鉱物化した人間は、単に退化するだけでなく、攻撃的となり、内向してはノイローゼや自殺の傾向を現し、暴力や破壊活動、そして戦争さえも引き起こすこととなりかねない」

「良心的に教えようとすると、「あたかも教えていなかったように」教えなければならない。」

「教師は自分の貯えから与えるものは、そっと与えなければならない。」

《関連記事》

★「芸術教育 直江俊雄研究室(筑波大学)」で直江先生も訳されている「芸術による教育」のことが、紹介されています。本の一部が読めます。

なお、直江先生のイギリスの美術教育の報告も必見です!

__________________________________

「美術教育の名言」
Commented by さかい at 2005-02-19 23:09 x
懐かしい! 「芸術による教育」の和訳が筑波大学院の試験問題でした。(馬鹿な学生だった私は準備もろくにしないで受験して落ちました。絵を描くのになんで英語が必要なんだと、自分の不勉強を棚に上げて憤っていました。)
さて、不勉強とはいえ少しはこの本を勉強しました。早のみこみで未熟な私は「なるほど!芸術が教育の根幹なんだ!」と自己肯定願望にも気がつかないで今に至り反省しています。この本は半分は正しく、半分は正しくない
イメージ操作の重要性を直感的に見抜いたプラトンは凄い。しかし、芸術の定義は文化によって異なることが明白な現代、人間中心の西洋的な視点の教育観には限界があります。
加えて、これまでの芸術家が攻撃的ではなく、ノイローゼや自殺とは無縁だったとは絶対に言えません。
教育における創造の喜びの必要性、これはその通りだと思います。
感情的な書き込みですみません。
Commented by yumemasa at 2005-02-20 07:29
えっ?感情的な書き込みとは、思いませんよ。私も大学院大学に行きたかったのですが、とうとう受験しないで終わってしまいました。指導要領が改訂されてしまう前にじっくり考える時間がほしい!学校では美術のことは考える時間なんてないしなあ。
今、学力、学力とさわいでいるから、こんな時こそ、こんな本を読んで考えたいですね。美術教育の本質、存在理由を。指導要領改訂前に。さかいさん、全国造形教育連盟の研究委員会に意見を出しましょう。私はすでに出しましたが、今後も出して行く予定です。
by yumemasa | 2005-02-19 18:23 | 美術教育の研究 | Comments(2)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31