人間が芸術的創造的に生きなかったとしたら…
2005年 02月 19日
ハーバート・リード
「芸術による教育」
(フィルム・アート社)
「人間が芸術的創造的に生きなかったとしたら、その個人、集団は感性が退化荒廃するだろう。そしてそのような創造的悦びから疎外され鉱物化した人間は、単に退化するだけでなく、攻撃的となり、内向してはノイローゼや自殺の傾向を現し、暴力や破壊活動、そして戦争さえも引き起こすこととなりかねない」
「良心的に教えようとすると、「あたかも教えていなかったように」教えなければならない。」
「教師は自分の貯えから与えるものは、そっと与えなければならない。」
《関連記事》
★「芸術教育 直江俊雄研究室(筑波大学)」で直江先生も訳されている「芸術による教育」のことが、紹介されています。本の一部が読めます。
なお、直江先生のイギリスの美術教育の報告も必見です!
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☆「美術教育の名言」
さて、不勉強とはいえ少しはこの本を勉強しました。早のみこみで未熟な私は「なるほど!芸術が教育の根幹なんだ!」と自己肯定願望にも気がつかないで今に至り反省しています。この本は半分は正しく、半分は正しくない
イメージ操作の重要性を直感的に見抜いたプラトンは凄い。しかし、芸術の定義は文化によって異なることが明白な現代、人間中心の西洋的な視点の教育観には限界があります。
加えて、これまでの芸術家が攻撃的ではなく、ノイローゼや自殺とは無縁だったとは絶対に言えません。
教育における創造の喜びの必要性、これはその通りだと思います。
感情的な書き込みですみません。
今、学力、学力とさわいでいるから、こんな時こそ、こんな本を読んで考えたいですね。美術教育の本質、存在理由を。指導要領改訂前に。さかいさん、全国造形教育連盟の研究委員会に意見を出しましょう。私はすでに出しましたが、今後も出して行く予定です。