先生が子どもの前でお父さん、お母さんに絵の説明をしています。描いている形にはこんな意味があるとか、描いている時の様子とか、先生は本当にくわしく知っていました。描いた本人の前で、絵がほめられているんです。すると描いた子がニコニコして絵のことについて話しだしました。素敵な光景です。こどもの表現を表面的にとらえるのではなく(たとえば、きれいとか、のびのびしているとか、そんな言葉ではなく)その子の思いを先生はちゃんと聴いて知っているのです。
この絵は白いケント紙に描かれています。最初にケント紙に本人の写真がはったものを渡すのだそうです。今年度はじめての取り組みだそうです。(この写真がまたいい!その子にとってのとっておきのショットという感じです。その子その子によって、撮られた時期も場所もみんな違います)最初に自分を描くのだそうです。一応肌色の色を塗った紙等を置いておくのだそうですが、結局ほとんどの子ども達は自分で自分で紙を切ってオリジナルの形をつくるのだそうです。服はたくさんの布(親から集めたそうです)から選んで表現しています。あとは周囲に自分の夢やなりたいものや好きなものを描くのだそうです。最初の言葉がけがものすごく大事だと話していました。こうして一度エンジンがかかると、あとは自分からどんどん描いていくとのことでした。私がやっている「自分という人間の存在証明」と共通したものが本当に多いです。
この絵の前にこんな小品をつくています。手を入れて遊ぶ人形です。セットで建物もつくっています。これで遊ぶ姿を思わず想像してしまいました。そしてこのあといよいよ白い紙のステージ(これは山崎の言葉です)に「自分」を描くわけです。
絵の横にはメッセージカード。先生が絵をきっかけとして、子どものよさを書いています。
先生によってカードの形が違っています。「徹夜してつくりました。」と笑顔で答える先生もおられました。
若い先生のセンスのよさ!坂本園長に先生の採用規準で美術的な力は見るんですか?と訪ねましたら、そうではないとのこと。みんな工夫しながらここまでやるのだそうです。
こんなカードをもらったら宝物ですね。
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大地太陽幼稚園の作品展(その3)