誰にでもできるようになる「対話による鑑賞」ワークショップ(東京)

 「美術による学び研究会in東京」で「対話による鑑賞話ワークショップの講師をさせていただきました。中学校にしぼって、しかも生徒指導で難しさのある教室でも実践可能な内容にしました。誰でもできるようにすることがこの研修での私の一番の目標です。
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 ワークショップの前に東京の長尾菊絵先生と事前打ち合わせで、生徒指導の難しい学級での鑑賞を想定して内容をつめることができました。二人は違う地域で違う生徒を指導している違う人間でありながら、そうできたのは、そこに確かな基本的な方法論があるからです。(長尾さんも生徒指導が困難な中での授業をされています)努力すれば誰でもできる方法だと確信しています。
下の、シートは、長尾さんと事前打ち合わせで主な確認してポイントです。当然、中学校での生徒指導的なことも含まれています。
(当日ホワイトボードに書いていた内容をもとに、ブログ用につくりました)
 
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  対話による鑑賞のワークショップの方法は昨年させていただいた釧路市美術館で研修会他の経験が生かされています。ありがたいことです。



 私がこうしたことが安定してできるようになったのは、生徒指導が困難な状況での実施した「対話型鑑賞」のビギナーズラックとその後の安定を求めて迷走があって起動修正をしながらやってきたからです。  
 さらに、中学校美術の教科書(光村図書)に掲載する美術作品のはどの学年で何を扱うべきかを決めるために、何年もかけて検証授業をしてきました。授業を見ていただいたり、ビデオに撮り、分析したり。また他の人の授業のビデオや文字起こしなども見て検証しました。こうした積み重ねをしてでできるようになったことです。

 このことを通して私が学んできたことを現場の先生にお返したいと思っていました.本当にありがたい機会をいただきました。
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 そして中学校の授各教科の授業や学級活動において仲間とともに学ぶ喜びことの喜びを得ていない生徒にこそ取り組んだらよい方法だと思っています。
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 現在教育界で望ましい手法としてアクティブラーニングのことが言われていますが、この「対話による美術鑑賞」によるファシリテーションの技術を身につけることは、とっても大きいです。
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 なお、鑑賞の方法はねらいによって、違う方法もあるのは当然です。念のため。いろいろ組み合わせて行うことが必要になってきます。

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それにしても全国各地からこうした意欲的な先生が集まってくれてのワークショップですから、プレッシャーもありましたが、あとでいただいた感想もありがたいものでした。

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なお、このあと講師のオファーがあったのは、うれしっかたです。

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 ⭐︎教師の姿から考える 「対話による鑑賞」

 ⭐︎対話による鑑賞を通して身に付く力、そして具体的方法 

 ⭐︎鑑賞〜探求的な学習
Commented by shiki at 2015-09-27 22:16 x
答えが一つと決まっていない美術だからこそ受容の姿勢ができ、発言すること(主体的に考えること)ができるのだということを改めて知り、美術教育に更なる可能性を感じております。

他人と積極的に関わろうとする力が美術教育によってつくということを大学の卒業論文で述べたいと考えておりますが、こちらの「対話型」の鑑賞というのは効果的だと感じました。

数年前までは鑑賞の授業があまりなかったように感じるので、鑑賞にはとても興味があります。
Commented by yumemasa at 2015-09-28 00:04
shikiさん、美術鑑賞でのテキストなら以下をおすすします。
私の授業も紹介されています。
http://yumemasa.exblog.jp/24202229/
鑑賞は人間関係をつくるうえで有効です。
Commented by あぽろ at 2015-09-28 23:25 x
美術は1人でじっくり楽しむものという考えが前提にあると、仲間とともに学ぶ喜びを得ていない生徒×美術という組み合わせは一見理解が難しいかもしれません。しかし、この異色の組み合わせが「対話による鑑賞」ですんなり結びつくことに面白さを感じました。
実際にそのような生徒を含めて授業した際の反応が気になります。
Commented by yumemasa at 2015-09-29 00:23
あぽろさん、これ実際に味わってほしいです。みんなで絵を見ることが、こんなにも面白いのかって思うでしょう。
実際の生徒の反応は事前の了解を得ないと難しいのですが、このビデオは了解済みなので、どうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=FEyTwP6zYnM
Commented by ちーかま at 2015-10-04 17:35 x
美術鑑賞をする上で自分独自の解釈は勿論ありますが「対話による美術鑑賞」(意見交換の場を設ける)を行うことで、自分が思いつかない視点からの解釈を他から学ぶことができます。これは発想を豊かにする力を鍛えるのにとても有効なことです。
「対話による美術鑑賞」は、会話のきっかけづくりにもなりますし、同じ考えをもつ同士はそこからまた話を膨らませたり、違う考えをもつ同士はお互いに興味がわいたり…。私自身意識していなかったことなのですが、山崎先生の先のコメントにもありますように「対話による美術鑑賞」は人間関係をつくるうえでも有効になることなのですね。
Commented by yumemasa at 2015-10-07 03:01
ちーかまさん、コメント亀のように遅くてすいません。
人間関係をつくる、とういのは確かにそうですね、「風神雷神はなぜ笑っているのか」などをテキストにしながら、より深く追求されるとさらに面白くなるでしょうね。
「意味生成」という言葉もとっても大切だと考えています。
by yumemasa | 2015-09-23 22:34 | Comments(6)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明