知識も大事ですが…

知識も大事ですが…_b0068572_8403178.jpg 今日北海道新聞を見ていたら釧路湿原のキタサンショウウオの危機が告げられていました。あの広大な湿地に人工池をつくらなければならない状況に、驚きました。
 それで、ふと思い出しました。何年か前のことですが、道路工事の関係で湿地の一部が埋められていました。横にいた娘が「とうちゃん、あそこにサンショウウオとかいないの?」 。娘は小さな頃から自然に触れています。私が好きで連れて行っているのですが…。こうやって小さな頃から自然にふれていないと、娘のこの言葉はなかっただろうなと思います。
 以前から環境教育の必要性は叫ばれています。しかし知識としていくら環境教育を大事にしても、実体験がなければ…。知識はもちろん大事ですが、その前に感じる心の感度をあげることこそ大切なのではないかと思ってます。
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昔と違い自然が身近なところから遠のいています。残念ながら大人が意図的に自然に触れさせなければならない地域も増えてきていると思います。
(以前、授業中生徒に「カエルの卵見たことない人は?」と聞いたら予想以上に手があがり驚きました。)
 命の尊さや美など自然から学び取ることのなんと多いことか。
世間で言われている学力向上も大事でしょう。でもそこで得た学力をどう使うのか。次の時代の担い手である子ども達を、どう育てていくのか、世間でにぎわっている学力(受験学力)論に何か大事なものが欠けている気がします。

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Sense Of Wonder


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Commented by seedsbook at 2005-05-18 17:02 x
こんにちは。自然への興味が少ない子供が増えているようですね。ここでも同様です。もちろんそうでない子供もありがたい事にたくさんいます!私が顕微鏡を覗いてごらんと言って、覗いても、仕方なさそうに”ク~ル”と言うだけの子供に逢いました。まあこれだけが世界ではないのですけれど。好奇心が八方に広がらないと言うのは、なんだか寂しいなあ、とお思いました。
Commented by yumemasa at 2005-05-18 20:38
seedsbookさんの発信はドイツからということもあり興味があります。いつかの記事では日本人との共通点や相違点を語っていましたけれど、なるほどなあと思いました。ところで自然に親しむということでは、ドイツでも同じなんですね。顕微鏡をのぞいてもクールとしか言葉でしか表現しなかったとしても、もしかしたら感じるているかもしれませんね。すてきですね。顕微鏡のぞいてごらんという大人がこどもの周りにいるということは。好奇心を育てるためには幼児期がとても大事なんだと思います。この好奇心こそ学ぶ力の源なんだろうなあ。今の学力論でこんなことも話題になってほしいと思っています。
Commented by liner-s at 2005-05-18 23:42
確かに実体験を経験しないと自然と素晴らしさはなかなか感じられませんよね。
自然に触れる喜びを知らない子供たちは、お酒が飲めない大人と同じぐらい損な気がします。
例えがあまり良くないですね。。
なんていうか、非常にもったいない・・・そんな気がします。

大人が自然に触れる楽しさを教えなくてはいけない時代なのかもしれませんね。
それにはまず、身近な大人が自然に興味を持たないとですね。
そして学校でもそういう授業は積極的に実施すべきだと私も思います。
自然に接する事も含めて、何か興味心を駆り立てる授業が、将来子供たちの重要な“熱”に繋がるのではないでしょうか(^^)
Commented by yumemasa at 2005-05-19 00:15
linersさん、そう、そうですよね。「将来」子ども達の重要な熱につながるということ。この「将来」という長いスパンで教育をとらえる事も大事ですよね。すぐに成果が出せるものばかりじゃないですよね。例えばテストだとかは結果が出ますけれど。
by yumemasa | 2005-05-18 00:49 | 環境教育 | Comments(4)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明