物語の世界に思いをはせる

 先日たまたまですが、娘が小学生の時に図画工作の時間に描いた「モチモチの木」の絵を見ました。娘が 物語を読み取り、その世界に入り、こんな風に想像したその時間のことを想像しました。そしてこのような授業をしてくださった先生に対し、ありがたいなと思いました。
 絵をよく見ると、木の枝に雪まで積もっていました。自分の経験と重ねながら、描いているのでしょう。これは物語の中に深く入り、自分なりに想像を膨らませたからです。親である私は、作品の出来栄えではなく、絵をじっくり読み取りながら、娘が過ごしたその時間のことを想像していました。
 
 さて「モチモチの木」といえば「酒井式描画指導法」では定番題材ともいえるもの。酒井氏が解釈した「モチモチの木」を、今度は現場の先生が、子供に押し付ける。物語を読んだ解釈はひとつだけです。想像の絵なのに、想像することは許されないのです。そこで何が育つのか?
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 さて「美術による学び研究会 山形・東北大会」で、「岸辺の二人」を鑑賞した実践報告がありました。中学生や高校生が映像の読み取りから、思考を深く働かせながら、映像の奥にあるものに思いを馳せたことがとてもよくわかりました。その時間が貴重な時間であることが、彼らの言葉を通して伝わってきました。

Commented by やまちゃん at 2018-02-14 19:57 x
物語の世界を想像する…

とても大事で、良い事ですね。

絵に限らず、詩や小説のようなものでもこういうことは大事だと思います。

私個人としてはやはり宮沢賢治の”銀河鉄道の夜”とか、高村光太郎/智恵子抄より『樹下の二人』なんかは美しいイメージが目に浮かぶようで好きな作品です。

こんなイメージが湧いてくるような人って、どんな人なんだろう?と思います。

私が青葉中学校に在籍していた時の美術の先生が、まさにそういう切り口で生徒に話していたのを思い出します。

長じて、『モノの見方を制限しない』というのは、教師のみならず、子供に関わることのある大人であれば、以って意識すべき事柄でもあると、改めて自戒の念も湧いてきます。

よいエントリーをありがとうございました
Commented by yumemasa at 2018-02-14 20:10
率直な感想、ありがとうございます。
宮沢賢治、高村光太郎など、やはり心揺さぶる名作ですね。
そのようなよい教材を子供と出会わせるの大事なことだと思います。
by yumemasa | 2018-02-14 07:55 | 子どもの表現 | Comments(2)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明