同じ「運動会の絵」でも…

あつく美術教育を考え語る会の参加報告(その9)

 2日目は、1日目に続き、作品を持ち寄っての話し合いをしました。クラス全員の作品を持ち寄っての話し合いです。
一人の子の表現について3つの作品を通して指導のあり方を考えたり、描かない子をどうとらえるかを考えたり、ここには書ききれないことが多数出てきました。午後からはじめて終わったのは6時近くでした。
  
同じ「運動会の絵」でも…_b0068572_194265.jpg さて、この作品を持ち寄っての話し合いで、たまたま違う学年で「運動会」の作品が出てきました。学年も違いますが、表に出てきたものも違います。
 そこで、模擬授業をしました。授業をした先生に、「導入」の部分を実践してもらったのです。
その教師に言葉の中に図工教育で何を願っているかが端的に出てきました。
 この研修会での発表者の中には「図工の指導に自信がない、これでいいのだろうか」ということで学びにきたという方もおられます(頭が下がる思いです)。
  
同じ「運動会の絵」でも…_b0068572_193584.jpg これは、非常に勉強になりました。図工美術教育の研究実践を強く押し進めてる方と、自信がないという方が同じ土俵での話し合いですから、本質を語り合うことになります。双方にとってたいへん有意義な話し合いになったと思います。

 結局は「運動会」という「題材」そのものの是非もありますが、題材を通して子どもにどんな力を育てていくのか、目の前のこどもをどうとらえるのか、ということになると思います。

 いまだに「大きく描かせる」「のびのび描かせる」という通念があるとも感じました。児童画に対する、このような観念は学校教育現場に限ったことではありませんが…。ここを広く認識していただくことも必要でしょう。

 美術教育研究団体が取り組むべき大きな課題のひとつでしょう。

 小学校の現場では実際に図工を好きな先生が何人いるのか、いや、きらいとか苦手と思っている人の方が多いのでは?という話も出ました。
 しかし、先生自身が絵が描くのが苦手だということと実際の指導がよいかどうかは別ということも実際の討議の中で確認できました。

この会を企画していただいた渡辺先生にはひたすら感謝。

帰り道、寺内先生が「みなさん、きっと伸びますね。」とうれしい一言でした。

☆同じ題材でも指導観・子ども観で、こんなに違うのかという実例について述べている本があります。この本を私のブログで記事にしました。ご参照ください。

  指導観・子ども観の違いで絵がこんなに変わる!
by yumemasa | 2005-08-18 19:05 | 子どもの表現 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明