これが幼児の絵!? 魔法の酒井式描画指導法

 本当に驚きました!酒井式がついに2歳児までおりてきていたのですね。

これが幼児の絵!?魔法の酒井式描画指導法」(明治図書)

 その中から酒井臣吾氏の言葉を引用します。

「ついに私は幼児に対する絵の指導法を発見した。そして今それが全国で実践されはじめている。」

「私は四十年間、何千枚何万枚の子どもの作品を見てきたからであろう。
明確な意図を持って指導し、その作品を見ているうちに、作品の奥にある子どもの心を読みとることができるようになったのである。」



 これが幼児の絵!? 魔法の酒井式描画指導法_b0068572_131839.jpg今、本気で本気で驚いています。本当に大学で子供の絵の発達についてを教えていたのだろうか?

実は酒井式についてこうやって書いていることは世間で言われるバッシングみたいでいやだなと思っていました。

 「2歳児でもこんな絵が描ける!白鳥幼稚園で取り組んだ酒井式描画法の実録。幼児を対象にした酒井式の指導ポイントを詳しく紹介。第1章は酒井式の基本—顔の描画法、第2章は年齢別全20のシナリオを収録。自由画との相違は必見。フルカラー作品が見られるCD−ROM付。」

 なお、白鳥幼稚園は18・19年度の文部科学省教育改革推進モデル事業実施園に指定されています。(文部科学省は、一体何をみているのか。子どものが主体的に自ら学んでいくことこそ大切なのですは?園内に酒井式の絵があった段階で気が付かないとならないと思いますが。)

文部科学省がこのありさまです。さらにこれから、NHK教育テレビが、優れた図工の教育の例として酒井式描画指導法を紹介しました。私は、NHK教育テレビに対し、酒井式は問題があると指摘し、徹底したリサーチをした上で検討してほしいとお願いをしました。しかし、それでも放送されてしまいました。全国に各支部を持つ酒井式の研究会、そしてそれを支えるTOSS(他教科についてはまだよくわかりませんが、「育児」の実践例を見てあきれました)と明治図書(よい本も出していますが)。さらに酒井氏の肩書きはもと北海道教育大学教授。
 「たかが北海道の一中学校教師に何がわかる?!」と言われそう。

他の人の力を借りることにしました。


☆ローウェンフェルド
「おとなの鑑識眼を「満足」させるような作品をかかせることより、子どもの自由、幸福をたもつことに、関心をそそぐべきです」
(「子どもの絵ー両親・先生への手引き」白揚社)

☆スーザン=ストライカー
「学校に入るまでに、絵を描くという体験をどんなふうにどれだけさせたかによって、子どもの能力、感性、個性に大きな差ができ、その差は一生ついてまわるものだ。」(「さわってごらん」日本実業出版

☆宮武辰夫
「大人の概念から来た正確さを強いることは、幼児に必要な、夢や空想を枯渇さす。」
「幼児の絵は生活している」文化書房博文社

ローウェンフェルド
「子ども表現形式は、子ども自身の考えと経験に根ざしている。大人の干渉は子どもを混乱させるだけだ。
(「美術による人間形成」黎明書房)

☆チィゼック
「子どもの早熟は激励されるべきはない。お母さんにとっての彼女の7歳の子どが近所の10歳の子どもと同じ作品を描いたからといって、すこしもほこりにはならない。」
(「チィゼックの美術教育論」黎明書房)

☆トムリンソン
「表現を手際よく巧みにする熟練は、創造力と取りかえっこする代償物として、なんと貧弱なものであろう。」
(「芸術家としての子供達」美術出版社

☆宮脇公美
「子供が創造する環境に、先生の権威と大人の虚飾が少しでもあってはなりません。」
(「絵あそび つくりあそび」新書館)

鬼丸吉弘
「世間ではよく子供に画を教えるという。教えてはいけない。引き出すべきものである。子供は子供自身の発達の必然性である、現段階の感覚で形式をつくるのであり、そのことをおとなは、ただ間接的に援助しうるにすぎぬ。そして正しい援助だけがその結果として、子供の内にある真の創造力を結実させることができるのである。」
「児童画のロゴス」勁草書房)→大学の美術科教育学の教科書としてもよく使われているようです。学生時代に鬼丸先生からも学びました。

*以上いくつかの言葉を紹介しましたが、多少の考え方の違いはあるにせよ、(また国や時代の違いからそのままとはいかないにせよ)酒井式の考え方だけは、明らかにこれらとは全く違うものです。
 これまでの内外の児童画に関する膨大な研究、時には論争をおこしながらも、こうやって発展してきました。これらは単に児童画ということではなしに、子供の発達や心理学とも深く関わってきます。
 古くはルソーが「エミール」の中で言いました。「子どもは小さな大人ではない」と。

 私は思います。子どもが描く絵はおおげさに聞こえるかもしれませんが、やはり「その年齢だからこそ描ける、その子だからこそ描ける絵」であってほしいと。言い換えれば「今を生きる証」でしょうか。
 
 今日、この本の出版を知り、あまりにも驚いたので妻に見せました。妻の反応…「え!いくらなんでも、これは、ひどすぎない!?」小学校や中学校で子どもの相談員をしている妻にとっても、驚きでした。

 こんな本が出版されて売れるとしたら、本気で「児童画」のことについて世間一般に知ってもらわなくてはなりません。

 大学の教員養成課程(特に幼稚園)にも相当本気で頑張っていただきたいと思います。もう「○○式はよくない、」などと言っていられないと思うのですが。いかがでしょう。

 酒井氏自らが言われている「親が喜ぶ」とは本当でしょうか。もちろん、喜んでおられる親御さんもおられるでしょう。このことについては親御さんのお声もお聞きしたいと思っています。
 教育関係者以外の方の声もお聞きしたいです。
 
 今回他の幼稚園で「NHKわくわく授業」を紹介しているところがありました。(メールは出しましたが、返信はありませんでした)
 
 これまでに日本の美術教育研究団体で2歳児に絵を「指導」することをよしとすることがあったでしょうか?
もう美術の教育研究会などの中で酒井式に対して「苦笑」しているレベルではないかもしれません。私もこんなもの広がる訳がないと思っていましたから。
 今まで美術教育が必修教科から消えてなくなるかもしれないという危機感からこのブログやサイトを運営してきました。学習指導要領の見直しがはじまりつつある今、そのことを真剣に考えるべきなのに、何ということか!!!

 小学校で、酒井式についてその是非について、いろいろと話し合う次元を越えています。
 
 もっと早い段階で酒井式批判をしておくべきでした。しかし、こわかったのです。論争に巻き込まれて時間を奪われていくことが。そして自分の授業もまだまだ追求すべきなのに。本務は公立中学校の一教員ですし。


《関連記事》

やはり声を出さないといけないー酒井式描画指導
↑他のブログなどの関連記事を多数紹介しています。

図工の授業で困っているという小学校の先生方へ(重要記事)

酒井式の放送後考えたこと

鬼丸吉弘「創造的人間形成のために」

2月、酒井式関連のメールが3通来ました

《追記1》

酒井式をこれ以上広げないために専用サイトをつくりました

《追記2》

 ☆ 口汚いののしり、全くデタラメな意見 酒井式描画指導法をめぐって

《追記3》

 毎年8月、北海道千歳市で酒井氏の研修会をしています。小学校が会場で、教育委員会からも後援を受け、肩書きに北海道教育大学と入っています。会費も8000円と高額(2005年当時)ですから期待感が高まります。しかも出版も多数。これだとやはり信用してしまいますね。(2012年7月)

《追記4》

 現在このブログの記事は3500あります。そして一番アクセスが多いのが、この記事です。(2012年10月)

 ☆酒井式描画指導法はこの絵をどうとらえるのでしょう?

《追記5》

 この記事はものすごくアクセスがありますが、以下の記事の方が、さらにアクセスがあります。酒井式と対局にあります。どちらが、子供が生きるか読めばおわかりいただけるでしょう。(2016年7月)

日常的に描いた絵の展覧会

《追記6》

 この記事は、アクセスが、多いです。酒井式に頼るのはやめましょう。教科書を手に取り、指導書も見てください。実に丁寧に解説しています。用具、道具の使い方、教室環境のつくりかた。なげかける言葉の例。題材を通して培われる力。などなど。しかも、これらは、複数の教科書会社が切磋琢磨してつくっているものですから、刊行されるごとに、その内容は充実しています。(2018年9月)


Commented by にしおりゅういち at 2005-09-22 01:42 x
いや~
さすがにこれは、あきれてしまいました。

これは教育の名をかりた「金儲け」だ。
Commented at 2005-09-22 02:23
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yumemasa at 2005-09-22 02:33
本当にひどいですね。明治図書でこの本を出版できる感覚も信じられない。素晴らしい本を出版しているのに。出版の企画の段階で誰も疑問に思わなかったのでしょうか。
そしてやはり NHKの中でリサーチはまともにしていないだろうと判断せざるを得ません。今怒りが込み上げてきているので、冷静にならないといけないと思っています。
それにしても北海道教育大学函館校で教授をしていた方がまさかこれらの研究書を一般の教員である(研究者ではありません)私よりも読んでいないとは思えないし、知っていてのことだとしたら恐ろしい。
困りました。眠れない。
Commented by somethingt at 2005-09-22 02:59
山崎先生、コメントありがとうございます。助かります。
それにしても…明治図書もとんでもないものを出版しましたね…。こんなにも『売れるもの』に安易に飛びつくものなのだろうか・・・。それにしても安易過ぎる…。NHK、明治図書…美術科教育の本質、児童画のあるべき姿が曲げられていっている…。何か手は無いだろうか…。私もちょっと考えてみたいと思います。
Commented by 大坪圭輔 at 2005-09-22 05:03 x
酒井式が創造性を豊かにする教育、豊かな情操を育てる教育とはまったく違う次元のものであり、間違った指導方法であるというのは、理念上の問題というよりも、実践上の問題として捉えた方が分かりやすいと思います。実際に日々子どもたちの造形と向き合っていらっしゃる教育現場の先生の意見がもっとも大切だと思います。
Commented by きたのつづみ at 2005-09-22 08:09 x
こんにちは。なんでも早く、早く、なのですね。子どもの本質を見ないで、子どもをおもちゃにするのは止めてほしいです。
夫は、「2歳から絵を描いて、それでどうするの?それより、おしっこのほうを何とかして欲しいよ。」と言っていました。(笑)
わたしは、シュタイナー教育関連の本を一時、読み漁っていたので、このような早期教育には危機感を覚えます。山崎先生、これからも頑張って情報を発信してください。
ところで、シュタイナーの人間観、子ども観はとても面白いですよ。自分のブログに書こうかと思いましたが、あまり気軽に書ける内容ではないので挫折しました・・・。(もっと勉強しないと何から書いていいかわからない)
それから、「子どもは小さな大人ではない」ということは、化学物質の暴露についての問題でも引用されていました。子どものほうが、化学物質に対しての感受性が強いそうです。
なんでも、大人に合わせては駄目ってことですね。
Commented by イワサキ at 2005-09-22 12:50 x
こんにちは。耐えきれずに、自分のブログでも記事にしました。

他の教科もそうですが、何のために学ぶのか、その軸がぶれては良い教育なんかできませんね。
とにかく、気づいた人が声に出していきましょう。
Commented by seedsbook at 2005-09-22 15:41 x
この方式にどれだけの人が賛同して実行しようとするかが問題ですね。
疑問に思ったことをこうして発言するブログがあって良いことだと思います。しかし2歳児とは。。。。何を考えているのだろうか?内容がわからないのに言うのもなんですが。。
Commented by yumemasa at 2005-09-22 19:31
岩田さん>
ブログで書かれたことで、しかも反対意見もどうぞというOPENな姿勢からtanakaさんという方からコメントがついたことは、いいことですね。コメントにも書きましたが「子どものために」という部分では一致しているわけです。少なくとも実践者は。ただ今回の「魔法の酒井式」は、自分のすごさを実証させるための手段ととられても仕方がないかもしれません。しかもそれを受け入れてしまう幼稚園。児童画に対する無理解を示したものと言えるでしょう。この児童画へへの無理解をどうにかしないといけないと思っています。
Commented by yumemasa at 2005-09-22 20:09
大坪先生>
やはり大学の先生が理論面で酒井式のいけない部分を指摘していただくことも、現場の身としては心強いです。美術教育の研究者の方々の発言が勇気を与えてくれます。事実大坪先生のコメント心強かったですから。今後もよろしくお願います。これをきっかけに美術教育はどうあるべきかという論になっていくと単なる論争ではなく、次の道が見えてくるものになっていく気がします。というか、そちらに持っていきたいと思っています。
Commented by yumemasa at 2005-09-22 20:21
きたのつづみさん>
親からの発言というのも重いものがあります。酒井式は「子どもも喜ぶ」「親も喜ぶ」この事実より強いものはないというようなことを言っています。酒井式はこの事実が大事なのです。しかし、本当にそうかなということです。私のところにも親御さんから酒井式の指導を受けて困っているという相談メールを何度かうけとったことがあります。やはり自信を持って我が子のためにやっている先生には言いにくいう方が多かったようです。中には私のブログをプリントアウトして渡したお母さんもおられます。ですから、お母さんがたが直接言いにくい場合はこのブログ等で発言して下さるといいと思っています。ところで「2歳から絵を描いて、それでどうするの?」この何気ない指摘なんか、すごくわかりますね。難しい論議をしなくても時には本質にふれることもあると思うんです。いろんな方のご意見を伺いたいなあ。
ところで、シュタイナーは学生の頃かなり読みました。おもしろく、新鮮だったというのは覚えています。最近はさっぱり読んでいませんが…。
Commented by yumemasa at 2005-09-22 20:32
イワサキさん>
美術の専門学校の立場からの発言もあり、まさに様々な方からのコメントありがたいです。
「他の教科もそうですが、何のために学ぶのか、その軸がぶれては良い教育なんかできませんね。とにかく、気づいた人が声に出していきましょう。」教育のあり方を問う、本当にそうだと思います。
ところで、これまでインターネット上でこのように各方面から批判があがるのは非常に大事だと思うのです。酒井式についてはこれまで広める側の情報だけという感じでしたから。これで酒井式を実践されるかどうか迷っている方への有益な情報源になると思います。ただ今回はNHK教育テレビでの放送ということもあり、状況的にはますます広がりを見せそうです。ただたくさんの方々が声をあげてくれることを願うばかりです。
Commented by yumemasa at 2005-09-22 20:44
seedsbookさん>
実は酒井式は海外でも指導実績があるようです。くわしいことは覚えていませんが。ドイツではありませんが。
さて2歳児に絵を教えるというだけで、もう論外ですね。表紙の幼稚園児が描いたであろう絵は小学校低学年のそれとほぼ同じです。本当にどれだけの人が賛同しているのか実数を知りたいですね。とにかくネット上で見つかる情報は酒井式の側からが圧倒的でしたが、今後は検索すると批判記事も出てくるようになれば、酒井式をやってみようかなと思っている人への判断材料になるでしょう。酒井氏およびその幹部(?)は変わらないでしょうが…。
Commented by シウ at 2005-09-23 08:44 x
はじめまして、画家のシウと申します。
僕の末っ子も2歳。
(もちろん勝手にどんどん絵を描いています)
この記事を読ませていただいてぞっとしました。
「酒井式」がこんなに発展しているとは思いませんでした。
やっている先生のコンプレックスとやらせている親御さんのコンプレックスが一致した結果のようにも思えます。
それを「社会のニーズ」と言ってしまえばそれまででしょうが
(本当は社会はもっと別のものを求めているのに、自らが求めているものが何なのか分からぬまま違うものを選択しているのでしょう?)、
いずれにせよ、「モルモット」になっている子供たちと親御さんたちは「創造」以外の「何か」を学んでいるのでしょうから、長じて「危険な勢力」となる可能性もあると思います。
(その方が心配です)
少なくとも自分の子供たちにはそれらを凌駕できるだけの見識と想像力を身につけてほしいと思いました。
その意味でも先生方の努力に期待したいです。
Commented by あんねりあん at 2005-09-23 09:23 x
山崎さん、こんにちは。

いろんな人に酒井式描画指導法を紹介しているのですが
山崎さんのブログに、
酒井式描画指導法についてのカテゴリーがあれば
そのURLだけを示すことができるので便利かな?と、
大変身勝手なことを考えております。

TOSSウォッチングの掲示板で、
 http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/bbs02/tree.php
そんなに美術に興味のない人にいろいろ説明していたのですが
こんな風に表現してくれた人がいました。

 > ふと、思ったのだけれど、酒井式を他の教科にあてはめると、
 >  1.テストを配り、
 > 2.先生の言うとおりに答案を書き込み、
 > 3.「みんな100点です。バンザイしましょう。」
 > となるのでしょうか。

みんな同じ絵が並んでいる酒井式のページとあわせれば
美術教育にそれほど興味がない人への訴求ポイントになるかな? と思います。
Commented by あんねりあん at 2005-09-23 09:25 x
最後に、私の娘(小3)が
酒井式描画指導法を受けたときを思い出していった言葉を。
(発言は昨夜。受けたのは約2ヶ月前です。)

 「あれはもう嫌だ。二度とやりたくない。
  なんで決められなきゃいけないの?

  担任の先生がときどき言う、鼻をもう少し大きく、
  という位なら、その理由もわかるし、我慢できる。

  でも、ストローを斜めに置けとか
  牛乳パックのここから描きなさいとか。

  そういうのは、自分で決めたい。
  自分で決めて、自由に、好きなように描きたい。」
Commented by あんねりあん at 2005-09-23 09:36 x
酒井式の中学教育バージョンも見つけましたよ。

これが幼児の絵? というタイトルをもじって

「これが中学生の美術?」
http://www.geocities.jp/kono1452/seibutsu01.html

先生が下書きをした静物画を、中学生が塗るだけの授業。

中学生になっても、描きたくないものを
、ただ塗るだけの授業に何の意味があるのでしょう?
Commented by yumemasa at 2005-09-23 11:29
シウさんへ>
意見表明ありがとうございます。酒井式をすでに取り入れられている方ややってみたいなという方がこれを読まれる事でたちどまって考えていただけたらと思っています。
シウさんが書かれた「コンプレックス」という言葉で思い出しました。小学校の先生は全教科を教えているわけで、そのような方々が手を出している可能性も高いですね。
絵は描けなくてもすばらしい指導をされている方はたくさんいらっしゃるのですが、その方達は子どもの絵をしっかりと受け止めていることを思い出しました。「コンプレックス」かあ、そういう先生を支援することをもっともっとやっていく必要があるとまた強く思いました。
ただ、酒井式にのめり込んでいる人もコンプレックスを持った人も教科書の指導書をきちんと読んでいれば、こんなことにはならないのですが。もちろん指導書がすべて正しいというわけではありませんが。少なくとも極端に偏った指導にはならないはずなのですが。
ところで、シウさんのブログ見ました。興味もっちゃいました。森の中での生活ですか。うーん、お子さんもいい環境にいますね。
Commented by yumemasa at 2005-09-23 15:08
あんねりあんさん>
あんねりあんさんのコメントの中に画期的なものがあります。
それは、お子さんの言葉です。
酒井式は「親も喜ぶ」「子どもも喜ぶ」そして「素晴らしい作品」ができたという「事実」。
「事実」より強いものはないという主旨のことを話しておられるのはご存知と思いますが、あんねりあんさんが示したのもまた事実ですね。
これは大きいと思います。ネット上では数少ない意見ですから。
親はなぜ批判しないかというとやはり、子どものためによかれと一生懸命指導して下さる先生に対していいにくい面があるようです。
酒井式の指導を受けて困っている親御さんからメールを受け取ったりしていますから、そのあたりのニュアンスがわかります。
中には直接言いにくいので私のブログの記事を印刷して渡した方もいます。放課後子どものいないときに、先生に会ってゆっくり話してみることも勧めたこともあります。また、酒井式で図工の時間が嫌いになってしまった子どもを持つ親御さんが家で絵を楽しんで描くような機会をつくるようにしているという話もうかがっています。この方には寺内定夫さんの「絵で聴く子どもの優しさ」を勧めました
http://yumemasa.exblog.jp/1691558/
Commented by yumemasa at 2005-09-23 15:25
あんねりあんさん>
酒井式の静物画の塗り絵ですが、あれは広まらないでしょう。しかし、象徴的なことですね。中学校では酒井式はほとんどないはずですが、高橋さんという方が推進しておられます。美術教育が危機にある状況下ですから、接点を求めて一度メールでやりとりしました。「流派が違う」ということでした。それ以上やりとりは進みませんでした。
ただここでは別の問題として中学校でも問題点もあります。それは私の中にも大なり小なりあるかもしれません。若い頃の私は批判の対象です。http://homepage.mac.com/yamazakimasaaki/kanngae/Personal94.html
酒井式は組織的に極端なことをし、それを広めようとしているところが大きな問題点なのです。広めるためにありとあらゆる手段を使っています。出版物も多数。今回はNHKとも手を組みました。
Commented by yumemasa at 2005-09-23 15:35
(続き)実は酒井式のカテゴリも考えたこともあるのですが、問題点はそこだけではないのです。酒井式は象徴的なできごとであって、そこだけにしぼるとかえってよくないとも思っています。また批判だけではなく提案をしなければなりません。ですから、あえてという部分もあります。しかし記事数も500近くありますので、いずれ再構成が必要かもしれません。
ただ、その点をカバーするために《関連記事》でつながるようにしています。
Commented by あんねりあん at 2005-09-23 18:58 x
教えていただいた書籍「美術による人間形成」
は山崎さんのブログを見るととても魅力的なのですが
値段の関係で今は手がでません。
富山県内の図書館にも見つかりませんでした。

>酒井式は組織的に極端なことをし、
>それを広めようとしているところが大きな問題点なのです。

TOSSと結びついていると思うのですが
こちらの本にTOSSについて言及されているそうです。
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167443023
 カルト資本主義 斎藤 貴男 (著)
自分はまだ読んでいません。
「美術教育の名言」と同時に注文をしようと思っております。

私は元々ニセ科学に興味があったところに(TOSSはニセ科学も扱う)
偶然、酒井式を半体験しました。
あまり知らない美術教育全般を扱うと手が回りませんので
私の方では当面は酒井式に焦点を当てて行こうと思います。

もっと深く考えたい人、他の方法を模索したい人には、
山崎さんのブログ他を紹介する方法を取ろうと思います。
Commented by あんねりあん at 2005-09-23 19:00 x
絵を描く上で一番最初に来るものは、
感じる心、描きたいと思う心だという結論に
恥ずかしながら、数年前にようやくたどり着きました。

それは、
ものを作る人、表現する人に共通する普遍的なものだと思っていたのですが
「流派」という言葉で共感してもらえない人がいるんですね。

大きな壁を感じます。


なお、子供の発言ですが、一部変更します。
 「担任の先生がときどき言う、鼻をもう少し大きく、
  という位なら、その理由もわかるし、構わない。」
我慢ではなく、構わないと言っていたかと思います。
Commented by yumemasa at 2005-09-23 20:34
あんねりあんさん>
「美術による人間形成」までは行かなくてもよいでしょう。当時の状況と国も違いますし…。「美術教育の名言」は入門書としてはお薦めできます。WEB上ではやはり大橋さんの「KIDS ART LABO」をお薦めします。またサイトでは私のブログにリンクしてある「千里敬愛幼稚園」で大橋さんがかかわっています。幼稚園ですが、その応用で小学校を判断してよいです。また「子育てチャレンジ八王子」もおすすめ。私の尊敬している「寺内定夫さん」のことが書かれています。あんねりあんさんが、酒井式のサイトばかり見ていると精神衛生上よくありませんよね。私の経験上。腹が立ってきたり。でも素晴らしい授業をされている方がたくさんいることを知ると元気がでてくるはずです。このブログの左上に美術教育リンク集というのをつくってありますから、のぞいて見てください。
そしてもう一つ、実はインターネットを使っていなくても本を出していなくても日常的に素晴らしい授業をしている方はたくさんおられます。
Commented by yumemasa at 2005-09-23 20:42
(続き)
「絵を描く上で一番最初に来るものは、感じる心、描きたいと思う心だという結論に恥ずかしながら、数年前にようやくたどり着きました。」という言葉を読んで実は私もそうなんですよ。私の中にも酒井式的なものがあったんですね。だからわかるんです。
 http://homepage.mac.com/yamazakimasaaki/sketch/Personal43.html
これは私のメインサイトの記事ですが、ブログに転載しようと思っていました。酒井式を批判する自分への自戒もこめて。
Commented by osa at 2005-09-23 21:44 x
こちらでもおじゃまします。
今日、長旅の途中で「小学校学習指導要領解説 図画工作編」を拾い読みしつつ考えました。
http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0199446189

NHKの番組では小学校2年生であったかと思いますが、酒井式の指導法は指導要領から大きく逸脱しているとしか読めませんでした。
本質的な解決ではないのかもしれませんが、もし、私の子供があのような絵を描かせられたとしたら、私はその点を示して学校及び教育委員会に抗議すると思います。
私塾ならばいざしらず、公立学校において教員の個人的な考えにもとづく「良かれと思う指導」がまかり通ってよいはずはないですから。

小学校の先生向けの指導手引などで、指導要領を視野に入れた解説書があると、先生方は手に取りやすいのではないでしょうか。
Commented by osa at 2005-09-23 21:45 x
明治図書の「2歳児でもこんな絵が描ける」というキャッチは、まったくの詭弁ですね。2歳児だからこそ、大人の言うとおりに文句も言わずに行動しますので、身体能力の限界を引き出すのは簡単なことです。
むしろもっと年齢が上がった方が、自分の意志を持ちますので言うこと聞きませんよね。
Commented by あんねりあん at 2005-09-23 22:21 x
>酒井式のサイトばかり見ていると精神衛生上よくありませんよね。

お気遣いありがとうございます。
けれど、こういう人間の負の部分、
詐欺とか自己啓発セミナーとかで人を陥れたり
精神的におかしな人とかを見つめる機会もよくあるので、
慣れているというか、大丈夫です。

「酒井式描画指導法」で検索すると
山崎さんや私のブログも上位でヒットするようになってきました。
ネットの力もかなりあると思っておりますので
少しずつですが、何かが変わると信じております。
Commented by yumemasa at 2005-09-23 22:32
osaさん、こんにちは。大橋さんのブログでの「「自ら学び自ら考える」力を育成できていないというご指摘も「思いや願い」という言葉の意味するところを真剣に考えたら、酒井式のような指導法に溺れることなどあるはずがない」というのも実に端的に酒井式の問題点を示していると思いました。
「表現及び鑑賞の活動を通して,つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て,豊かな情操を養う。」とうのが学習指導要領に示された小学校図画工作の目標ですが、osaさんのご指摘の通りです。酒井氏自らも「情操を養う」という部分はカットしていますね。
この点については,
わくわく授業の放映1週間前にディレクターに直接電話で教えましたが…。
さて、正直こんな指導がまかり通っているのですが「善意」なのですね。
ですから私は酒井式を放映したNHKの責任を問いたい。それは一気に全国的に広める役割を持ったからです。本当に幼稚園に広まれば子供だけが持ち得る感性なり創造の目がむしりとられることになるでしょう。
妻と話していてこれは、ある意味では幼児虐ではないのかと話し合ったほどです。
Commented by yumemasa at 2005-09-23 23:03
(続き)
話はそれましたが、学習指導要領に準拠してつくられた教科書には、その教科書をくわしく解説した「指導書」というものがあります。
この「指導書」は教科書会社が発行しています。そこには「指導案」というものがあって、それを参考にすればある程度授業ができるようになっています。すくなくともこの指導書を参考する教師であれば、あんなに広がってはいないのですが。
なお一般的な学習指導案では「描く」という子供の側からの記述ですが酒井式のシナリオでは「描かせる」となっています。単なる言葉の問題ではありません。
こう考えてみるとNHK教育テレビでの今回の放送では、もしかしたらリサーチなどまともにされていないのではないかと思います。まともにリサーチしていれば、ごく常識的に判断すれば放送できなかったはずです。
Commented by yumemasa at 2005-09-23 23:09
あんねりあんさん>
「ネットの力もかなりあると思っておりますので少しずつですが、何かが変わると信じております。」私も同じ思いです。でなければ、休みの日を使ってこんなことしていられないですから(笑)。
ひとつ手応えを感じているのはアクセ数が増えてきたことです。
Commented by osa at 2005-09-24 06:50 x
NHKが学習指導要領について知っていた上だったという事実は、とても重要だと思います。ひどいですね。
東京都では今年度から小学校でも「授業改善推進プラン」の作成と公開がされます。これはこれでいろんな意味で別な議論もあるかと思いますが。
中学校ではすでに行われていて美術についても当然作成されています。一番多いのは教科書会社が公開しているものを参考にして、というパターンで(これも別の議論があるかとは思いますが)、そういう点ではあのような授業が入り込む隙はないはずなのですが…
Commented by yumemasa at 2005-09-24 07:53
osaさん、NHkのディレクターの方と電話で話しましたが、やはり書面でやりとりすべきだったと思いました。電話でのやりとりでしたから、記録が残っていないのです。電話でのやりとりは、相手の人柄もある程度わかるよさもあります。本当は会って話がしたいです。
放送後もメールを送りましたが、今のところ反応なしです。
http://www.phoenix-c.or.jp/~naoir/zoukeigenngo.htm
まあ、私が意見などしなくても真剣に組織としてリサーチをしていたら、専門家でなくても、ごく普通の判断力があれば、放送しないはずです。
おそらく、「おもしろい」と思ったから放送したのでしょう。
どちらにしても、放送後も平気で何事もなかったかのようにNHKのサイトには酒井氏のQandAが公開されています。この感覚に非常に憤りを感じています。
Commented by まいける東山 at 2005-09-24 13:01 x
>酒井式は「子どもも喜ぶ」「親も喜ぶ」この事実より強いものはないというようなことを言っています。酒井式はこの事実が大事なのです。

以前、有料の子供向けwebサイト企画に関わったことがありますが。
やはり「子どもも喜ぶ」「親も喜ぶ」というコンセプトでした。
ですが、プライオリティを整理すると「関係者が喜ぶ」>「親も喜ぶ」>「子どもも喜ぶ」という順番なのです。
自分たちもそれで食ってるわけだし、活動を続けないといけないので「関係者が喜ぶ」という事は必要ですが。問題は、親も子供も「○○"も"喜ぶ」状態なんですよね。
ビジネスとして成り立つためには、子供のためのコンテンツではなく、親に達成感や満足感を与えるコンテンツを提供し、収益構造をつくるのですが。
結局このプロジェクトを降りたのは、自分で親を利用することで収益を得るという提案し実行しましたが、もともとは「子供向けサイト」として運営するための手段だったのが、そっちが儲かるからということで喜びを感じ、もとのコンセプトを置き去りにして、手段に走ったことでした。
教育事業として、子供が主体ではない事が、この手のものに共通する問題だと思います。
Commented by まいける東山 at 2005-09-24 13:21 x
放送の件ですが。
メディアリテラシーの問題ですよね。


今回、NHK教育テレビが流してしまったものだから、最後の良識?が崩れた的なところもあって、いろいろ騒いでますが、民放では、あたりまえですよね。
美と健康についての番組なんて、モロです。その場の成果を求める内容ばかり。

NHKの恐ろしいことは、NHKのやったネタを、近い将来民放がやるということです。
たとえば、NHK「ためしてガッテン」の放送後2ヶ月ぐらいで関西テレビ「あるある大辞典2」で放送し、その後に日本テレビのみのもんたの「おもいっきりテレビ」で流すというパターンがあります。

教育テレビで反響を得た(賛否共に)ということで、民放が、NHKなら検証して番組を作っていると予想し、あまり検証せず制作し、何度も同じような内容の番組が放送されるという事が予想されます。

 つづく
Commented by まいける東山 at 2005-09-24 13:23 x
刺激的な情報の繰り返しは恐ろしいもので。
いま、津波後のプーケットを追っかけているのですが。
ぶっ潰れた情報ばかり流れたために、全く復興しているのに、潰れたイメージだけが残っていて、日本人観光客が、昨年比90%以上"減"という状況になっています。

大きく報道された、後のフォローをどうするのかが、メディアの課題だと思います。

また、メディアリテラシー教育がなされていない状況の恐ろしさも、同時に感じます。

まだ、メディアリテラシーが身に付いている人が多くいたら、今回の件は、さらっと流されて、一話題で終わりだったかも知れません。
Commented by yumemasa at 2005-09-24 16:38
まいけるさん>
つくる側の論理について貴重なお話ありがとうございました。今回のことで教育テレビの提供する番組は必ずしも信用できないということもわかりました。残念ですが。
私が小学生の頃、理科の授業などで放映を心待ちにしていた感覚が残っていたものですから。基本的に信頼していたのです。
たとえ少数意見であっても再度リサーチをしてくれるものだと信じていました。電話では貴重なご意見ありがとうございましたと言っていましたが、いざ放送してしまったあとは、いくらメールを送ろうが全くの反応なしです。まあNHKの「新生プラン」の通り、「一部の人間ががたがたさわいでも、俺たちが正しいと判断しているんだから、文句は言ってもやめないよ」ということを実行しているのでしょう。
 受信料をとるなら法的な手段に訴えるくらい絶大な自信がある番組を提供しているのだから、やはり今回のように断固正しいと判断した根拠を知りたいと思っています
Commented by yumemasa at 2005-09-24 16:45
(続き)まいけるさんのご指摘のあった今度は民放になったら、それこそもうどうしようもないですね。うーん、 NHKとのやりとりは続けた方がよいのかどうなのか悩むところです。
「大きく報道された、後のフォローをどうするのかが、メディアの課題だと思います。」というご指摘その通りですね。ただNHKが今回課題を感じているのかどうか。
まいけるさんの「も喜ぶ」というのを読ませていただいて、実は酒井式を一番喜ぶのは「教師」なのだなとあらてめて思いました。子どもが指示通りに動かせて楽をできるという事実。追試などという言葉は使っていますが。
クラスによって子どもが違う、その年によっても子どもが違う、ひとつの方法ですべてあてはめることのおろかさ。そういえば、ある教師は「酒井式は教師が自己満足したいがためにあるんじゃない?」というのを思い出しました
Commented by yumemasa at 2005-09-24 21:21
(続き)さきほど、私のところにチーフディレクターより私信が来ました。私同様の厳しい批判があったが、賛同の声も多数あったとか。やはり数々ある指導の一部であるという程度の認識はかわらないようです。
ただ、手書きで7枚も書いてきてくださったことについて、心が動きました。
Commented by まいける東山 at 2005-09-25 01:48 x
私信が来ましたか・・・。

まあ、番組制作者って、実直で丁寧な人もけっこういます。

賛否両論の反応が来たということは、番組制作者からすると、話題性のインパクトが強かったということで、評価されるべく状況なんです。
言い換えれば、こういう話題は視聴率が取れるということです。
ですので、認識は変えずに、このテーマを選んで放送したことの、自信を深めたのではないかと思います。

映像は、見た人にとっては、見えたモノ、全てが真実であるわけで。取材している人が、数あるモノのうちの一つである認識をしていても、番組を見ている人には、そういう認識がない。
教育テレビって、どちらかというと、民放地上波より、学習意欲の高い人が見るわけで、数ある指導の一部であるという認識を持って見ると、たかをくくっていたのかもしれません。
良いように言えば、視聴者を信頼した番組作りなのでしょうが、危険な側面をもっています。

このようなネタは、ウケると確信したとしたら、違う指導法を紹介する番組を作ると思います。
それで、この問題が解決するかは、微妙です。

つづく

Commented by まいける東山 at 2005-09-25 01:52 x
それと、違う指導法を紹介する番組をつくり放送されたとして。
今回の放送の方が注目度や記憶が勝ってしまう可能性もあります。

やはり、ナチュラルなものより、刺激的なモノの方が、見ている人にインパクトが大きいですからね。しかも、最初に見た方がインパクトが強い。

プーケットの復興についてのドキュメンタリー映像作品を制作しているのですが、津波で潰れているシーンや、壊れた建物のシーンを、1シーンも使わずに、編集出来ればと思っています。
(被災地は、一見何も無かったように復旧した普通の所にも、ひたひたと、さまざまな問題が忍び寄るから恐ろしい)
Commented by yumemasa at 2005-09-25 09:55
東山さん>
「映像は、見た人にとっては、見えたモノ、全てが真実であるわけで。取材している人が、数あるモノのうちの一つである認識をしていても、番組を見ている人には、そういう認識がない。」
 そこが、こわいのです。
「やはり、ナチュラルなものより、刺激的なモノの方が、見ている人にインパクトが大きいですからね。しかも、最初に見た方がインパクトが強い。」そして、このインパクトがある指導法を無批判に取り入れてていく人が出てくる。
しかも、酒井式は簡単に出来るから、すぐに再現可能。あれが小学校
で広がったらこわい。
あー、やっぱり私のような一中学校教師では難しい。本当に。肩書きがないしなあ。
ところで「プーケットの復興についてのドキュメンタリー映像」見てみたいです。テレビで放映されるのですか?
Commented by まいける東山 at 2005-09-25 10:17 x
ビデオジャーナリストの日本での第一人者、アジアプレスの野中章弘さんに、電話でですが、相談した事があるのですが。この内容について、どんなにしっかり撮影されて、構成されても、テレビ放映される確率は、半々だと言っていました。
採用されにくい原因の一つに「ナチュラルなものより、刺激的なモノの方が、見ている人にインパクトが大きいですからね。しかも、最初に見た方がインパクトが強い。」ということがあるそうです。

また、プーケットの観光風評被害についても、正にこのことで発生し、経済問題に発展している。だからこそ、メディア自体が、否定されてしまうので、採用されない部分もあるかと思います。

また、関西と関東との温度差も採用が難しい環境となっているようです。関西は、被災地の復興ネタがウケるんですが。関東ではイマイチ。番組の多くは東京から流されるので、東京に住んでいる人で、全国に流すかどうかを判断してしまっています。
関西のケーブルテレビを含めたローカル番組の方が、プーケットの復興状況を番組化しているケースが多いそうです。

つづく

Commented by まいける東山 at 2005-09-25 10:25 x
それより、確実に人に伝える事が大切だというアドバイスもあり、DVDなどで見ることが出来るようにしたいと考えています。

学校も含め、多くの人が見てくれる場所での上映を目指しています。
口頭ですが、タイ政府観光庁も、機会を作ってくれそうです。

要は、草の根メディア作品ですが。
それも、ネタにしながら、テレビに採用されるチャンスを狙っていく予定です。

草の根でもいいいから、ウケているということをテレビ局が知り、ウケると思ったら、採用されるようですしね。

ただし、編集権は放送局にありますから、私の伝えたいことが伝わるわけでもない危険性があります。
その危険性をさっ引いても、今のプーケットが壊れたイメージのまま忘却されるよりマシです。

ちなみに、ピピ島の子供の絵を使った絵本が出るそうです。
これも、自費出版のようです。


Commented by まいける東山 at 2005-09-25 10:36 x
最後に、付け加えさせて頂きますが。

読んでいる人には、なんで、酒井式の話題に、プーケットが出てくるのか、疑問に思っている人もいるかもしれませんが。

この二つの問題の根底に同じ「メディアの問題」があるからです。



それと、ピピ島の子供の絵は、

http://www.geocities.jp/giftsofphiphi/phiphi.html

に詳細が載っています。



Commented by yumemasa at 2005-09-25 11:12
プーケット島の復興映像がメディアでとりあげられにくい理由を通して、今回「教育テレビ」が推奨授業として、あえて特定の団体である「酒井式」をとりあげたか、を考えるうえで非常に参考になりました。
そして番組制作側としては「酒井式」が幼稚園児に絵の描き方を教えるという非常におそろしいことを進めようが、それは視聴者の責任であるというスタンスでしょう。
これが、どんなに危険なことか、わかっていない。あまりの自信にこちらが不安に思うほど。「私って、そんな特別のこと、言ってるかなあ、少数派なのかなあ」って。
 NHKディレクターの方の手紙に書いた事が本当だったとしたら、美術教育関係者は今回の件についてあまり批判しなかったような感じで悲しくなってきました。私の知っている限り少なくとも5人は意見をあげていますが。声をあげなければ認めたと同じようなもの。結局は視聴者の好意的な意見が多かったのでしょう。多数決の論理ですね。
Commented by ノグチピー(専業主婦) at 2005-10-09 06:24 x
山崎先生、こんにちは。
恥ずかしながら酒井式というのを初めて知りました。
ゾッとしました。みんな同じような絵を描いて喜んでいるんですね。。。
どうして、子どものをそのまま受け入れられないのでしょうか?
自分の描きたいような絵をむりやり変えさせられて、本当に子どもは喜んでいるのでしょうか?
逆に、喜んでしまう子どもは自由で個性的な他の子どものことを受け入れられるように育つのでしょうか?
今、学校で母親たちのいろんな悩みを聞いていると、ちいさな時から「こうあるべき」という方法で縛られる子どもは、他人を受け入れることが苦手のような気がします。
これは絵だけの問題では決してないのですが、酒井式に疑問を感じない母親には陥りやすい問題であると思います。
Commented by yumemasa at 2005-10-09 10:57
ノグチピーさん、
専業主婦、子育て真っ最中の方からのコメント聞いてみたかったんです。
もうこのようなコメントはとてもありがたい、だって酒井式は親も子どもも教師も喜ぶからいいのだというところをよりどころにしていますから。
ノグチピーさんのコメントは、その喜ぶ親のあり方にメスを入れるもので、こんな切り込み口があったのだなと気がつきました。考えた事もなかったです。刺激になりました。
そして、実はまさしく酒井式は「絵だけの問題では決してない」というのも本当にそう思います。
そして2歳児の絵の指導の問題ですが、もうここまで来るともはや教育でもなく、幼児虐待かもしれません。こんな考えの持ち主の授業をMHK教育テレビは抗議されながらも放送に踏み切りました。
Commented by yumemasa at 2005-10-09 11:01
ノグチピーさん(続きです)
こうなってくるとやはり子育てチャレンジ八王子の活動も、そして学んだ事を多くの方々と共有化するために開設されたHPも非常に重要な存在と実感できます。
Commented by akane at 2005-10-14 03:17 x
山崎先生、みなさん、こんにちは。私は中学で美術を教えております。遅いコメントでごめんなさい。
 酒井式って言うのは、チラッと知ってました。よく、教育研究会などにも本が置かれていました。最後まで読んで、危機感を感じたのは私だけではないのだな、と思いました。それを見て頭に浮かんだイメージは、「松本の旧・開地学校に展示されている昔の絵の書き方読本」です。
 混沌としていて自分に自身がないときは、何か、こう、バシッと決まって型をはめてもらう方が楽なんでしょうか?。人を型はめて見るほうが楽なんでしょうか?。しかし、それを全国放送で行ったり、2歳(?)児に行ってしまったりするのは、もう洗脳ですね。
 ・・・新しい画用紙を生徒に配ったときに破られたり飛行機にされたり、人の作品壊されたりするとね、 ・・・教育研究会にいって、そういう本や人に出合うとですね、藁をもすがる気持ちで、しがみつく・・・ということも、・・・やはり 忙しい現実でも心を亡くさず普段から話合うことは大切ですね。
Commented by yumemasa at 2005-10-14 18:21
akaneさん、
コメントありがとうございます。逆にワンテンポおくれてのコメントなんかもいいですね。過去の記事も読んでいただいていると思うとありがたいなって思います。
ところで「藁にもすがる思い」ということで酒井式を論じられている方がいました。でも、つかんだ藁がとんでもないものだったってたとえ話をしていました。
過酷な状況下での美術教育ですが、そんな時こそ生徒に本気で授業を提案することが大事じゃないかと思います。今私の学校の学校もけっこう厳しいです。しかし、本気で「命」をテーマにぶつけていると、こちらの本気も伝わっていくのだと実感しています。何かいい題材ないかなあ、程度の考えで授業に望めばそれは見破られると思うのです。教師にに悪態をつく生徒にも本気で価値があるということを伝えればやっぱり伝わると思う事が何度かありました。生徒自身がそこにやる価値を見つければ、やっぱり主体的にやると思うんです。そりゃ全員が真剣に命について考えたかと言われると、「はい」とは言いきれませんが、学級全体にただよう雰囲気はやはり誠実になってきます。生徒指導の難しい学校は楽ではありませんが、そこから学ぶ事もまた多いと思います。
Commented by yumemasa at 2005-10-14 18:22
(続き)
さて、酒井式は指示した通りにやるこどもを育てます。指示した通りにやれば子どもは評価される訳です。シナリオなどは単純で、言われるがままに動けば教師は楽でしょう。しかし、そこに何が育つかということが忘れられています。それは当然の帰結です。なぜなら酒井臣吾氏は「情操を養う」という立場に立たないと明言しているからです。
そこでは子どもの思いは大事にされていません。酒井式は「造形言語」とか「造形力」などといったそれらしい言葉を使っていますが…。
今問題なのはそれを推進している幹部の方であり、主宰者の動きでしょう。これから酒井氏に走る人を増やさない方法を考えていくのが大事だと思っています。酒井氏本人が私は間違っていましたと言う訳はないでしょうから。
まあ、どちらにせよ2歳児の絵を見たら本当に唖然とします。明治図書のサイトで見る事ができます。著作にアクセスし、「立ち読み」をクリックすると見る事が出来ます。
akaneさんの言われる通り、普段から話し合う事は大事ですね。このブログもそんな話しあいの一助になればと思っています。
Commented by iroma at 2009-02-21 11:02 x
はじめまして、子育て中の母親です。

こちらのブログで酒井式のことについて知りました。
こういう問題があることについて、子育て中のお母さんたちにも考えて
ほしいと思いましたものでブログを紹介させていただきました。
このことについてコメントを残してくれているママたちもいますので
よろしかったらどうぞ^^
Commented by 3歳児の母 at 2009-07-11 01:09 x
はじめまして。4年も前の日記にコメントして恐縮ですが、子供の幼稚園で酒井式を今年8月から取り入れるという話を聞き、どういうものなのかネットで検索していたらこのブログにたどり着きました。
正直とまどっています。
子供にはのびのびと描いてほしいのですが、酒井式ではそれが難しいということでしょうか?
今うちの子は3歳です。
幼稚園で酒井式を導入することをやめてもらえるようにお話したほうがよいのでしょうか?
その場合、私は専門家ではありませんし、どのようにお話したらよいのでしょうか?
わが子のこと、同じ園に通う子供たちのことを思うと、とても心配で不安になってきました。
アドバイスお願いいたします。
Commented by yumemasa at 2009-07-11 09:00
3歳児の保護者さん、
 実は、このような相談は小学校の保護者からもいただいています。
幼稚園でははじめてです。おそらく明治図書から出た「魔法の描画指導法」が影響しているのかもしれません。
でも先生方は子どものためにやっているというのですから、言いにくいですね。
そのようなときは、私のブログの記事や、私のサイトから必要部分を印刷したりして、このようなこと書かれているのですけど…ということで手渡してみてはどうでしょう。先方もどんな批判がされているのかを知ったうえで、やるわけですから。
http://homepage.mac.com/yamazakimasaaki/housiki/Personal154.html
酒井式は、実は教える先生にもよくないでしょう。それは絵にこめられた幼児の想いをまったく受けとめなくなるからです。言われた通り上手に描けたかどうかです。
私のブログの左メニューに「カテゴリ」がありますが、その中の「子どもの表現」をクリックしてください。
そこで子どもの絵の意味について書いています。美術が専門かどうか、そんなことはたいした問題ではありません。何とかお役に立ちたいです。
近く、酒井式に関する記事を書くことにします。
Commented by 3歳児の母 at 2009-07-11 21:51 x
早速のお返事ありがとうございます。
印刷して先生に読んでいただこうと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
Commented by yumemasa at 2012-04-14 21:35
2012年現在、このブログでは記事別のあよそのアクセス数がわかるのですが、この数ヶ月、この記事がベスト10以内をキープしています。それだけ気にする人が増えているということだと思います。
Commented by ジェリー at 2013-05-07 00:04 x
先日、偶然レッジョ関連で検索していたら先生のブログに出会いました。
わたしは、日本が夢や希望を持ったこどもたちが多くいる国となるよう心から願っています。しかし、現実にはつまらない子どもを量産する産業や学校教育が存在します。わたしのような一主婦にできることは
せめて、幼児期はそういった世界からは別の「小さい人たちの保証された空間作り」と不安を煽る世の中からお母さん達に「大丈夫!」と守り、サポートすることだと思い、【あそびのアトリエ】という親子教室を開設しました。「教えないことの大切さ」を伝えたいと思っています。
先生のブログでも勉強させて下さい。
よろしくお願いします。
Commented by yumemasa at 2013-05-07 23:56
ジェリーさんのされようとしていること、いいですね。「幼児期はそういった世界からは別の「小さい人たちの保証された空間作り」と不安を煽る世の中からお母さん達に「大丈夫!」と守り、サポートすることだと思い、【あそびのアトリエ】という親子教室を開設しました。とっても大事なことだと思います!そして「教えなことの大切さ」というよりむしろ「自分で考える面白さ、発見する面白さ」なのでしょうね、言い換えれば。
レイチェル カーソンの「センス オブ ワンダー」ってやはり、すごく大切だと思います。
Commented by あゝ at 2016-04-27 01:25 x
言ってる事概ね共感しますし同意見ですが、文章が下手というか。焦り過ぎというか…否定するのであれば○○式が何故必要でないのか、それで絵心を身に付けると何が危険なのかをもっと具体的に啓発、啓蒙する必要があるのでは?それを身に付け子供が嬉しいと感じていたら?もっと上手くなりたいきっかけだとしたら?全体として、危ない危ないとだけ叫んでばかりな感じがします。
Commented by yumemasa at 2016-05-01 14:18
「 あゝ 」さん、コメントありがとうございます。でも、私の文章はその通りですしょうが、失礼な書き方ですね(苦笑)。日常も、そんな言い方をする方なのでしょうか?
 なお、私に「共感しますし、同意見ですが」ならば、私の記事の値打ちを低めることに、エネルギーを使うよりも、私の文章に補足する方がいいと思います。しっかりとお考えがあるいのでしょうから。
 
 ただ、私は「 あゝ 」さんのご意見の中にある「それで絵心を身に付ける」以降の仮説自体に同意しかねます。少なくとも幼児教育の視点とは違います。
 そもそも「絵心」って言葉自体が難しい言葉ですね。
 「子供が嬉しいと感じていたら?」「もっと上手くなりたいきっかけだとしたら」と思わせてしまうこと、そのものについても課題があります。ましてや2歳児、幼児をこのように思わせてしまうこと自体が問題です。

 私の記事は、酒井式関連の人から「印象での批判」とか「危険だと叫んでいるだけ」と批判されていました。向山氏からも批判されています。

なお、 「 あゝ 」さんに、この一記事だけで、説得すること自体を求められると厳しいです。私に意見を言う時間があるのであれば、私のブログに記事として取り上げますから、よろしければ原稿をいただけませんか?

ただし、その場合は、可能な限り、実名をお願いしたいです。その方が説得力があります。

私は、これを評論のために書いていません。酒井式をやってみようか、迷っている方々に考えるヒントにしていただいているつもりです。ネットの上で、実名で批判する人がいなかったので、この記事の意味があります。
 実際に、私のところに教師や保護者の方から、相談メールがきます。そういう意味では、この記事は文章が下手であろうが、焦っていようが、何も言わないよりは良いと思っています。
 
by yumemasa | 2005-09-22 00:00 | 子どもの表現 | Comments(61)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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