大切な宝物
2006年 08月 14日
恒例の図工の校内作品展で、とても印象深い光景がありました。それは、作品展前日の展示作業でのこと。
立体作品は子ども一人一人が体育館まで作品を持ってきて自分で展示するのですが、そのこだわりは大変なものでした。保管場所から会場へ作品を持ってくるのに、両手でしっかりと抱え、展示台にそろりと置きます。置いたあと、前から、後ろから、横から、斜めから、上から、ぐるっと周りから、自分が納得できるまで時間をかけて位置を確かめているのです。
そのしぐさは真剣で、それでいてとても楽しそうな様子でした。授業での制作中の楽しさとちょっとちがう、晴れやかな真剣さとでもいったらいいでしょうか。子どもたちが書いた感想の多くに、『展示してある自分の作品はすごくよかった』とありました。
作品をつくる楽しさ、見る楽しさ。そして、作品展として会場に展示する楽しさ、見てもらう喜びがここにあります。他にかえ難い図工美術の価値です。
田尾明敏 埼玉県 55歳 教員 男