仏像が好きな高校生の話
2007年 04月 21日
「この写真見てください。広隆寺というところの弥勒菩薩なんですけど、これ高校生の時すごく好きで部屋にポスターを貼ってあったんです。」
「仏像の好きな高校生って、どう?」
(生徒は笑っています)
「修学旅行で見て、感動したんです。」
「仏像好きの高校生と聞くと、きっと思いっきり引きますよね。実は本当はロックの好きな少年でしたから、部屋にビートルズなどのポスターも貼ってありました、その横にこの仏像です」
まあ、こんなことを話しながら私が高校生にころ、いろいろ悩んだり、いらいらしたり、したとき、この仏像には救われたというような話をしました。
「高校生のころは本当にお世話になった仏像です」
「不思議ですね。モノがこうして人間の心を変えるのですから」
4月から文教大学でお世話になっております、山内舞子です。
研究室のブログに書き込み等いただきまして、ありがとうございます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
仏像といえば、私は高校生のころからかなり本格的に仏像ファンでした。
部屋には、広隆寺の弥勒菩薩像ではなく、中宮寺の如意輪観音像のポスターがありました(このふたつは、ちょっと似ていますね)。
私の言っていた高校(埼玉県立伊奈学園総合高等学校)では、少人数制の発表形式の授業があり、そこで一時間、「仏像の見方」について発表したたことがあります。たしか17歳くらいのときだったと思います。仏像めぐりをはじめたのは高1のころ、時にはひとりで夜行バスにのって奈良や京都に行くこともありました。
でも「自分が変わっている」という認識はしていませんでした。
みんなが「引いている」のに気づかないくらい自分が鈍感であったか、周囲の人々がみな、さまざまな価値観をみとめられる人たちであったためかは、わかりませんが。
…個人的には後者であると信じたいですね。
そして私はその後、仏像の研究をするため京都の大学に進学したのでした。
さて、山内さん、夜行バスで女の子が仏像めぐり。そして大学進学もそれで決めるとは…純粋だなあ。
好きだなあ、そういうの。
「さまざまな価値を認められる人」って言葉、山内さんが書いてくれたけれども、美術教育の重要な役割の一つだと思っています。
そう、そうなればいじめなんか消えるわけで。
とにかく大学進学の理由が最高にいいなあと思ったのです。
しかし、山内さんもポスター貼っていたとはなあ、驚きました(笑)
ところでバルタン星人は素晴らしい!
成田亨さんがデザインしたウルトラマンに出てくる怪獣。ダダ・シュールレアリスム作品からかなり影響受けたようです。
この弥勒さん、中指を一度折られたんですよね。魅力にとりつかれた京大生がほおずりしたとかで・・・。国宝の本に書いてあったのを思い出しました。
そういえば、ウルトラマンで、ダダという星人か怪獣とかっていませんでした?
青木先生の記しているダダも、少々何が元になった作品なのか記されております。記憶が正しければ、キリコの絵からダダといった星人がモデルになったはずです。この書籍、自宅に置いてきたため詳細を記せずじまい。そうそう、中指折れしまった事件も思い出しました。
中学生に仏像鑑賞もよいと感じています。見方が分かれば、近場にある仏像に親近感を抱くかもしれません。連休中は、勤務地域の美術鑑賞三昧の小さな旅~~です。^^;
話があちらこちら・・・・
(みなさん、ごめんなさい、折角仏像に話がもどってきたところなのに)
昨年川崎の岡本太郎美術館で「ウルトラマン伝説展」を見ました。そのカタログの冒頭に、巌谷国士氏(明治学院大学教授)の談話が乗っていて、そこにとても興味深い記述があります。
以下に一部を引用。
「たまたま大学時代の友人にTBSのディレクターがいて、飲みながら『ウルトラマン』の話をしたことがありました。彼が直接の担当だったかは知りませんが、「怪獣や宇宙人の名前が払底してきた」なんていう話を聞いて「それじゃあ、ダダとかブルトンなんてどうか」と言いました。そしたらあるときテレビにそれが出てきた(笑)。」
巌谷氏はそのすぐあとで、
「でも僕がいったから出たのかはどうかわからない」
といっていますが…。
実をいうと私は怪獣の名前を知る前にダダとかブルトンという言葉を知っていたので、最初こういう名前の怪獣がいると知ったときには、「なんてインテリな」と思ったりしたものです(私は79年生まれです)。
私の最近のお気に入りは「ぺスター」と「ジャミラ」です。
私の部屋にはゴジラの模型がおいてあります。それとC3PO(小さいけど)。
授業の中でも軽く紹介しているんですよ。実は。