子どもの絵をどうとらえるか 酒井式をめぐって

子どもの絵をどうとらえるか 酒井式をめぐって_b0068572_11264317.jpgこれは北海道の小学校に配布されたポスターです。健康増進に関するポスターや標語を募集するものです。酒井式の絵ですが、子どもの絵というより、教師の絵です。もちろんよかれと思って指導されているでしょうが…。
 これがすべての小学校に配布されたとなると、やはり酒井式はよい指導方法として認識されてしまいそうで心配です。結果としてこのポスターが酒井式やTOSSの広告塔の役割を果たしてしまうことになります。
(ポスターを制作した団体には電話をさせていただきました。主旨は酒井式の指導法についてご検討くださいというものです。ネットで検索されご判断されることをお勧めしました。)
 酒井式では、権威あるところに認められるような絵はやはりよい絵であるという認識があるようです。そのことを象徴する内容が以下のものです。

 ☆ 口汚いののしり、全くデタラメな意見 酒井式描画指導法をめぐって

子どもの絵をどうとらえるかということについて、よろしければ以下の記事を比較してご覧ください。

 ☆幼児の絵をどうとらえるか…林 健造さんの言葉←「幼児の絵の読み取り心得」

 ☆これが幼児の絵!? 魔法の酒井式描画指導法←「幼児が描く顔 ノッペラボーが酒井式でここまで変わる」という考え方が根底にあります。

私は以下のサイトを立ち上げました。

 ☆酒井式 描画指導法への疑問←サイトには次のような言葉を書きました。今もその思いは同じです。
子どもの絵をどうとらえるか 酒井式をめぐって_b0068572_12291994.jpg「酒井式について様々な角度から検討できるようにという願いからこのサイトをたちあげました。
そしてこの事を考えていく事も図工美術教育のあり方を考えていく事につながっていくことになると思います。また当面の課題としては「子どもの絵のとらえ方」について教員はもちろんのこと、広くご理解いただくことだと思っています。 (05年10月7日)」

なお、昔の私ですと、このようなポスターが出た段階で「あーあ」と愚痴を言っているだけでしたが、幼児にまで酒井式を指導しようとする動きが出てくるとなると、いくら何でも黙っていてはいけないと思うようになりました。最近は今回のように直接意見を言わせていただくようにしています。言わない限りわかっていただけませんから。
子どもの絵をどうとらえるか 酒井式をめぐって_b0068572_1302750.jpg なお、昨年は似たような事例で、意見を言わせていただきました。先方で十分検討されたようで、偏りのないようにしたいという主旨のご返答をいただきました。というわけで、声を出していくことは大事だと思います。

《関連記事》

鬼丸吉弘「創造的人間形成のために」
by yumemasa | 2007-07-21 11:26 | 子どもの表現 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明