そうだったのか!子どもの絵を見る喜び

 これは、札幌の光真幼稚園の園児が卒園にあたって描いた卒園アルバム用の表紙の絵です。園の一番の思い出を描いています。
 この絵を園の先生方といっしょに見たとき、子どものその思いに触れ、本当にうれしい気もちになりました。
 絵について話していて何度も「そうだったのか!」ってわかったことがあります。感激しながら。一人一人が何に喜びを感じていたのか、どんなことに興味があったのか、子どもにとっての園の生活は…。
 園児達は、自分の絵が共感的に受けとめてもらえることをわかっていて、描いています。そのことがもっとも大事なことの一つでしょう。だって「先生、あのね…」と絵で語りかけたら、ちゃんと受けとめてもらえるんですから…。上からの目線で「上手だね」とか「いきいきしている」という表面的に「ほめる」ということとは違います。
 
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先日光真幼稚園で見せていただいた子どもの「絵の手紙」。ほとんど絵を描かなかった子が、ある出来事をきかっけに、いわゆる絵らしい絵を描きました。
 それは、トランポリンをして跳びはねた喜びを絵にしたものでした。次に描いた絵は園でみんなでバルーンをした歓びです。
 特別技術が向上した訳ではありません。描き方の基本を身につけたからでもありません。うれしくて、うれしくて、だからどうしても描く必要があったから、描いたのです。

 さて、先日、小学校の先生から夏休みに描いた絵日記を見せていただきました。ある絵に、棒人間が描いてありました。それは海に行った時の絵です。海で見つけた貝とヒトデはとってもくわしく描かれていました。興味を持ったところをていねいに描いています。「先生あのね、海に行ったらね…」という体験を通して見つけたよろこびがそのまま絵になっています。
 この子ども達にとっては絵は強力なコミュニケーションツールであるということが、よくわかります。
 絵日記を見ていると、その子の感じたこと、うれしかったことなどが見えてきます。小学校の先生にはこの絵をもとに子どもとたくさんお話したらいいですね、って話ました。


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by yumemasa | 2009-08-30 07:03 | 子どもの表現 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明