フィンランドの教育 Arts とCrafts |
いま、文科省の教師教育の委託研究でフィンランドのヘルシンキにいます。
小学校には、美術Artsと工芸Craftsという教科が別々にあります。戦前の図画と工作みたいです。
なおかつ、フィンランドは、OECDの加盟国の中でも最も年間の授業数が少ない国なのでArtsとCraftsの全授業にしめる割合はすごいことになります。
実は、日本の図画工作の時間数の割合も諸外国に比べて高い方なんですが、まったくおよびません。
おそらく、フィンランドは美術教育の時間割合が世界一です。どの教科も一方的にレクチャーするような授業は少なく、対話形式で進められていくのですが、ArtsとCraftsでも対話やコミュニケーションを重視しています。日本の学習指導要領に示されている「話し合う」という形式的な時限を超えています。
ムーミンの国なので子どもたちの絵にも自分の分身のようにムーミンやスナフキンが登場するのですがもちろんOKです。
中学校には、やはりArtsとCraftsが教科としてあるのですが、Craftsは、1クラスの人数が15人以下になっています。普通は24人なんですが、物理などの4教科だけ15人に制限されていてCraftsもその4教科に入っています。
実際に、街中を歩いても家具や工芸品を扱う店が多くてびっくりします。
フィンランドの学校をみてまわっているうちに、この国のPISAの点が高いのは、ArtsとCraftsをこんなにやっているからかも、とさえ思うようになりました。案外、当たっているかもしれません。
《関連記事》
☆教育の不易と流行←栗田真司先生の文章
☆フィンランドの美術教育事情←尾澤勇先生の報告の紹介(コメント欄も)
《関連サイト》
☆教育先進国であるフィンランドの文化芸術教育の視察研究←尾澤勇先生の報告(2004)
☆フィンランドとフィンランド人の生活についての雑記帳←手工科、スロイド教育についての紹介も
☆手工科教育の実際←写真つきで紹介
tsuji