どんな作品ができたか、よりも、何を学んでいるのか

 かつての私は、表現活動を通して達成感を味わわせてあげることを中心に考えていました。達成感が次への意欲へとつながると思い、そのことを追求していた時期がありました。だから、目標となる描かせたいイメージがあって、そこに到達するような授業追求していたのだと思います。

 しかし、今は 子どもがどんな作品をつくったか、ということよりも 何を学んでいるのかということを重点にしています。子ども自身が 自分の今の学びに やりがいや価値を感じているのかどうかということこそ 大切なのだと思います。そして、その学んだ内容や質こそが、授業評価になるのだと思います。

 以上にような生徒の学びをとらえるために、毎時間、生徒にインタビューするとよいのですが、それは現実的ではありません(たまにやりますけど…)。そのかわりに やっているのが、誰もがごく普通に取り組まれている生徒の自己評価です。私は言葉での自己評価を大切にしています。
 これらの言葉が授業改善のヒントになります。
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 これは3年生の抽象絵画のための構想段階のものですが、子どもの感想を読むと、なるほどと思う事がたくさんありました。このような感想をいつも読んでいると、子どもに届く言葉で話せるようになると思います。



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 ☆自らの手で美を生み出す
Commented by 石垣 文子 at 2011-05-11 22:31
私も山崎先生の考える方向に大賛成です。でも、これをやろうとする時、一番の障害になるのは、文章力です。
中学生の年齢では、まだまだ自己表現の文章化は難しいが、それを感じ制作につなげることには、長けている子がたくさんいます。
ただ、クラスの生徒を見まわした時に、そんなタイプの人は、片手ほどの数です。ですから、その子たちは、授業中にピンポイントに、コミュニケーションをとることで、十分補うことができると思っています。
結局のところ、私たち教師が、子供たちの事をきちんと把握することにつきると思います。
把握したうえで、その子供たちが、自分のカリキュラムでどのように変化したか?どんな感じ方を体験できたか?を見極めていく必要があるのだと思っています。
また、そこを感じる事が、人間教育としても美術科の醍醐味でもあると思っています。
Commented by 山崎正明 at 2011-05-12 06:29
石垣さん、まるで研究会で提言して、ご意見をいただいている感じがしてうれしいです。
この文は、挨拶が終わってから、書いているほんとんど、そのままの印象でしょう。どう?って聞いたら、答えてもらった感じでしょうか。
子どもたちのことを把握するのにはこのような文章だけではないですね。子どもの仕草や表情。目線や手の動き。つぶやき、さまざまなものがたくさんあるというこ、いまこれから校内の研究でも心がけていきましょうという提案をしているところです。
石垣さんのコメントで、またいろいろ考えることが出来て感謝です。
Commented by 井上哲義 at 2011-05-12 11:22
山崎先生、とても参考になる実践だと思います。抽象画の取り組みも面白いのですが、生徒達の作品に対する意気込みが強く感じられる素晴らしい自己評価です。先生のコメントもいいですね。生徒理解や作品理解についても、文章の中で分かること、目線や仕草、顔色で分かること、会話やつぶやきの中から、ああそうだったのかと子供達の内面が見えてくる時、創作活動の中に美術教育の大切な事が沢山渦巻いているんだなと感じます。教師も子供達の動きを見逃がすまいですね。ところで、谷川さんに会って来るんですね。いな〜
Commented by yumemasa at 2011-05-12 20:12
井上さん、「子供達の内面が見えてくる時、創作活動の中に美術教育の大切な事が沢山渦巻いているんだなと感じます。」そうですね!
本当に。こういう素朴な事、大事にしていきたいんです。
いま、ステンドグラス飾り始めました。注目度は高いですよ。
谷川俊太郎さんと佐藤学さんの対談、レッジョエミリア、わくわくものです!
Commented by hita61 at 2011-05-15 23:08
 山崎先生、ご無沙汰しております。埼玉県の樋口です。
山崎先生のおっしゃる通りだなとつくづく感じています。私は、今年度から図工ノートを使うことにしました。図工ノートには、自由帳を使い、その日の図工の感想や考えたこと、アイディアスケッチ、作品の写真、製作途中の写真などを入れ、子どもが自分の学びを振り返ることができるようにしたいと思っています。また、図工ノートには本当の自由帳のように好きな絵を描くこともありだと思っています。図工の勉強だけでなく、後になって、その時の自分を振り返ることができたらと思っています。
Commented by yumemasa at 2011-05-16 20:13
樋口さん、「図工ノート」いいですね。ぜひぜひ。子どもが自分の制作過程を振り返ったときに、そこに自分の「学び」が見えてきたり、価値を再発見したりするんだよなあ、なんて最近思う事が多いんです。
また、機会があったらお話してみたいです。
そうそう樋口さんのあの「まとめ」教師の学びが見えてくるのはもちろんですが、図工で大切なことが見えてきます。本当に素晴らしい仕事です!
Commented by lyustyle at 2011-09-25 21:09
小学校でも「言語活動」がどの教科でも大切とされ、図工の実践でも大事にされはじめました。

「過程で何を学んでいるか」そのとおりだと思います。

 3年生の粘土のとき、一人の子がだんだんすごい形につくりあげていき、「これはすごい、よくできたね!」といって私も嬉しい気分で他の子の指導に行き、次に戻ってきたときには素晴らしいと見えた造形は見る影もなく破壊されてなにがなんだかわからないようになっていました。

 しかし、その本人は、出し尽くした、というようななんともいえない満足な表情を浮かべており、「これがこの時間のこの子の造形だったんだな。」と感じたことがあります。

 表現の最中にテストの丸つけをしていたら、途中のこの子の表現を見ることが出来ず、結果だけを見てしかるか、Cをつけるか、どちらかだったでしょうね。(コメント続く)

Commented by lyustyle at 2011-09-25 21:11
(コメントが長すぎるといわれたので分けました)

 私は、「実況放送」という名前でビデオカメラを通しながら評価をしていく手法で経過を撮っていましたので、その子の造形の経過を今でも見ることができますが、それにしてもよい学びをしたと思いました。
 今年の夏、研修の講師をさせていただいたときも、経過をしっかり見とりながら評価をしていくことの大切さをいうのに、この話をしました。
 そのことを。今日のエントリーから思い出しました。
 すばらしい授業にふれさせていただき、ありがとうございます。

 コメントされている樋口さんにしても、石垣さんんしても、全国レベルで授業を交流し、研究されていること、とてもすばらしいと思います。
Commented by yumemasa at 2011-09-26 05:59
lyustyleさん「実況放送」っていですね。その考え方は実は、今何を学んでいるかですよね。
http://www.youtube.com/user/yamazakimasaaki
私は「ビデオによる学び分析」などと言っています。他の教科でもできます。
それにしても、粘土でつくっていた小学生のそのときの様子のビデオ見てみたいです。
きっと、それを複数の人で見たら、さらに発見があるような気がします。
「これがこの時間のこの子の造形だったんだな。」っていうとらえ方も、またすごく大切なことですね。
Commented by yumemasa at 2011-09-26 06:04
(続き)そうそう、評価は本来、あたたかいものでもあると思うのですが、時に、評定方法の話が中心になったり、説明責任のための根拠の話が中心になったりしますから、 lyustyleさんのような視点はとっても大切だと思っています。

これからも、どうぞよろしくお願いします。
by yumemasa | 2011-05-11 20:47 | 美術の授業(山崎) | Comments(10)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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