シリーズ『アートの現場から』 Vol.21  (寄稿)鈴木 斉さん

2011.7.8
「アートinはむら展」で対話による鑑賞!

      しろひげNature Art.W.S  鈴木 斉

「ゆとろぎ」という羽村市の生涯学習センターで、今年も『アートinはむら展11thアートフェスティバル』が行われています。
「市民と子どもとアーティストが、一緒にアートを楽しもう」というコンセプトのもと、多摩地域の現代アーティスト50名の作品が、ギャラリーはもちろんのこと、地下から屋上芝生までの全館に展示されています。
2週間の期間中「みる(展示)きく(アーティストトーク)つくる(ワークショップ)交流する(小中交流授業)」の4つの企画が実施され、中でも今年注目されているのは、市内小中学校の児童生徒が鑑賞授業として会場を訪れている事です。

 『対話による鑑賞』という、昨今注目されている手法で、作品に対する子どもたちの自由な感想の言葉が引き出されます。
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↑気になるところは前に出て行って。



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↑抽象作品を寝っころがって、別の視点で見ています。
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↑予想もしない発言が出てくるから面白い。
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↑食い入るように覗き込んでいます。

ファシリテーターという対話の世話役のもと、まずじっくりと作品をみつめます。
その後、作品から気づいた事、感じた事や疑問に思う事を発言していきます。
大切な事は、自分なりの感想を持つ事と同時に、他の人の発言をよく聞く事にあります。
「そう見えるのかあ」という相違点に気づいたり、「私もそう感じてた!」という共感も生まれます。
ひとつの作品をみんなで鑑賞する事によって、お互いの意見を認め合う姿勢や、
自分だけでは気づかなかった視点も獲得し、より深く作品に迫る事ができるわけです。
最後に作家の言葉を聞けることも・・。
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↑自由見学時間には、子どもたちだけの対話が盛り上がります
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↑屋上の芝生の上にも作品があります。
海外の美術館ではずいぶん以前から、作品の前に座り込んだ子どもたちがこの手法で鑑賞を深める姿がありました。

『作品とは、静かに一対一で対面するもの』『現代アートって難しい』と、いつのまにか洗脳されてしまっている方々、
子どもたちのこの鑑賞授業を一度ご覧になれば、より自由で楽しい、
新たな鑑賞の視点に気づくチャンスになるかもしれませんよ。
 本日8日は、午前9時と午後2時頃から富士見小の児童が授業を行います。
来週も火、水、金と予定されています。
 ちなみに、これが私の流木造形の作品。「浜辺の記憶 Ⅳ」
被災地への鎮魂の思いを込めて。
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 しろひげ 田野畑村を応援する会

(山崎感想) 子どもが作品を鑑賞を積極的に楽しいんでいることが、このように新聞に掲載されることは、大きな意味を持ちます。「図工・美術教育」の大切さが、こうして理解されて行く訳です。

 美術教関係者は、一般の方にも、保護者の方にもわかりやすく伝えるような文章表現も大切にしていかなければなりません。鈴木斉先生の文章は「対話による鑑賞」の魅力を限られた字数の中、そのよさや特徴をよく伝えています。
Commented by 黒木 健 at 2011-07-24 07:00
山崎先生がおっしゃるように、子供たちが積極的に作品と関わっていることが伝わってくるいい写真ばかりですね。(^_^)
何もゴッホやピカソなど有名な作品を鑑賞するだけが美術鑑賞ではないこと、そしてそれ以上の学びがあるんだろうなぁということも伝わってきます。
私の地元で今年中には美術展示ホールなどが入った会館(センター)が移転、オープンになるのですが、このアートinはむら展の方法を何とか組み入れることができないか密かに思案中です。
Commented by 山崎正明 at 2011-07-26 07:38
黒木さん、北海道で待ってますよ!もう早くもいろいろな人と会いました。わくわくです。
Commented by 井上哲義 at 2011-07-26 10:09
 山崎さんや黒木さんが言っている通り、子どもが積極的に作品鑑賞に参加する姿は、ただ見るという事だけではなく、そこにいる多くの仲間達との眼差しの共有、対話による共通理解を更に深めてくれます。これは作品理解の大きな力になると思います。抽象作品や彫刻さらに、造形物、身近い所で多くの芸術作品が見られる環境を整えていく事の大切さが伝わってきます。子ども達の表情の豊かさや感受性の鋭さを更に見取っていく必要がありますね。ひとしさんの取り組みには、いつも感心させられます。被災地への心を込めたモニュメント、素晴らしい作品です。心に沁みます。本当に大切なものは、近く似合っていいんだよね。さあ、全国大会がんばらねば。
Commented by 笹木 陽一 at 2011-07-27 13:30
全国大会、引率者として参加させていただき、大変深い学びを体験することができました。斉先生にも、帰り際声をかけさせていただきました。「旅するムサビin札幌」で、初めて生の「対話による鑑賞」ギャラリー・トークに接し、子ども達の豊かな発想と作家である大学生達との温かいコミュニケーションに感銘を受けました。

「浜辺の記憶」写真からでも様々な感慨が湧き上がってきます。流木がどことなく骨のようにも見え、そこから喪われた命の重さを感じさせられました。田野畑村応援ブログも拝読しました。船が見つかったエピソードにある「人の温かみ、人間愛、そして絆」、教育に携わる我々が大切にしたい事と重なります。

黒木さん、挨拶しかできず残念でした。北海道にお越しの皆様、ぜひ初夏の札幌を堪能してお帰り下さい。山崎先生、今日は様々にお話しでき、楽しかったです。今日のレビューを近々学び研MLに投稿させていただきます。よろしくご笑読下さい。では皆様、今後ともご教示下さい。失礼します。
Commented by yumemasa at 2011-07-31 07:49
井上さん、笹木さん、せっかくコメントをいただいていながら、何も反応なくて、すいませんでした。実際のこの大会に参加して学ぶ事の何と多かったことか!
by yumemasa | 2011-07-21 23:44 | Comments(5)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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