以前書いた記事
「絵の具って気持ちいい。絵の具って楽しい。」の補足です。
これは2年生が、想像の絵「自分にとって価値あることを絵で伝えよう〜コミュニケーション」を描くための下地をつくっている場面です。
「一色だけ塗るのはつまらないから、(でも意図があって一色にムラなく塗るならもちろんそれでも、いいですよ) いろいろやってみましょう。アクリルだから重ね塗りが出来るから。(←アクリル絵の具が拓く表現の可能性。生徒には「油絵の具」のことも話しています。)1年生の時「
感情を色で表したでしょ、あれ、あれ」(←これは大事なポイント「学びをつなげる」ということ。本当はかつて学んだことを教師が言わなくても、生徒自らがつなげるようの育てたい。でも、もしかしたら、言われなくても気がついたかも。)

自分の絵のアイディアが決まったら教室の後ろの方に行って やってもいいですよ。」 (←床が汚れても気にしないでできるようにするために、(と言ってもすでに絵の具がこびりついていますが)薄いベニヤ板(2㎜厚)を大型画板として用意しています。床に敷いたり、組み合わせて机の上に置いたり。これは大事なポイントです。汚れを気にしていると表現に制約がかかるので。
このあと、道具の説明をごく簡単に。というより、ただ見せる程度に近い。はじめて目にするペインティングナイフだけは軽く説明。(←美術室の後ろのスペースに材料用具をどう置くかなど「
環境の構成」は非常に重要。これで生徒の活動内容は変わってきます。)

このブログの検索ワードでけっこう多いのが「
モダンテクニック」。新卒のころ「モダンテクニック」という用語を教え、どれかを選択させて取り組ませ、それを生かして作品をつくってもよいというような授業をしたこともあります。(この頃は「図工」に「造形遊び」というものが、ない時代でした。)

でもこの授業の中でやっているのは基本的に、モダンテクニックの練習でもなければ再現でもありません。生徒は「美術資料集」の中にある「モダンテクニック」の説明を見て興味を持ったりしています。

これは絵の具を使った探求活動?遊び?うーん「技」の発明でしょうか。

「モダンテクニック」のどれかを試してみようという授業だと、「発見」や「工夫」や「発明」あるいは「学びあい」も、そしてもっと大事な「わくわく感」も少し弱まる気がします。

生徒の心の中に残ってほしいのは「いろいろな表現があるんだな」ということよりも「絵の具っておもしろいな」とか「工夫するっておもしろいな」ってことなんです。(1年生の時にアクリル絵の具をはじめて使うときに筆の使い方などを教えるのですが、その時
数分ビデオでいろいろな表現方法を紹介しているので、覚えている生徒もいるでしょうし、廊下にある美術作品の中にもいろいろあります、何より美術室の中にはいろいろな材料用具が置いてあります。しかも、箱に入れず、可能な限り、見えるようにしています。)

ところで、絵を描くっていうと、鉛筆で下がきを描いてから色を塗るというイメージが多いので「油絵」のことも話しています。それとあわせて「アクリル絵の具」の話もします。
(東京の「図工大好き子ども美術展」で見られるような専科の先生のもとで育った子どもたちだと絵についてのイメージはさらに広いでしょう。もし私がその児童達を引き継ぐならば私のカリキュラムは変わるでしょう。)

上の写真は、絵の具を乾燥のために美術室前の廊下に並べているのですが、これは様々な表現技法に気が付く場にもなっています。
このような体験は3年生の卒業制作「自分という人間の存在証明」につながっていきます。3年生では今回のように「教師が学びをつなげる」ではなく「生徒が学びをつなげる」ようになります。義務教育最後の美術ですから。
(補足)2021年5月
このような表現が可能になっているのは、個人持ちのアクリル絵の具があって、さらに大量の絵の具を自由に使える共同絵の具があるからです。
共同使用の絵の具は「
ニューサクラカラー」(ポリチューブ入り420ml)を使用。 生徒が一番気軽に使えると判断したからです。大きなチューブ絵の具ですから使いやすいです。自立しますし。(12色セットを購入しています。)なお、この絵の具の使用にあたっては、パレットがわりの塩ビ板、トレーや皿(給食センターから頂いた廃品)の使用が前提です。