美術は好きな子がやればいいんじゃないの?(その2) |
そうじゃなく、どの生徒にも必要だからやるということを、授業を通して示していきたい。
そのためには 何より子どもたちが本気でおもしろがって取り組む授業でないと説得力がありません。でも、いつでもそんな授業ができる訳でもないので、授業改善が必要なわけです。
子どもにとって、それが「価値ある時間」として「おもしろい時間」として実感されるようであるために、授業をつくる側の工夫が必要です。
ここに紹介させていただくステンドグラスの授業については、この5月で何とか自分なりに確かな手応えを感じるようになってきました。これを機にこの授業について振り返ってみます。


ステンドグラスの授業をはじめた動機は、生徒指導困難校で、校内を生徒の作品で明るくしたいということ、ちょっと息抜き的な感じでやる授業もたまにはいいかもしれないという動機です。ですから2時間扱い。ステンドグラスの図柄は、「時間がないので何か模様的なものをやってください」というような、今思うと、いいかげんなものでした。(だって1時間で、図案を考えて、黒の縁取りするんだからたいしたことは出来ないだろうと決め込んでいました。)しかし、さらりとやった授業ではありますが、生徒からの評判はすごくよかったのです。「きれい」とう言葉が連発されていました。しかし、私はその素材の魅力に甘えたまま、それほどの工夫もせずに、2年ほど取り組んだあと、転勤。


教育課程の見直しの中で、より価値あるものにしようということでテーマを決めました。それは「自然」。テーマの提示は前の時間の美術の時間で予告しておくことで、図案も工夫するような授業になってきました。この予告が効果は大きいものでした。
その後、毎年様々な改良を重ね、1年生の終わりにしていたものを、2年生の最初に持ってきました。
新たな決意を持ってはじまる2年生の最初、後輩も出来、中学校生活を1年間すごしているので見通しを持ったうえで自分になりの目標を持った素敵な時期です。そのタイミングで「こうありたい」と思う自分のことをステンドグラスで表現させる(実際には「表現したくなる」ことを目指します。)ことにしたのです。



ですから、この題材については予告を大事にしました。図案か自分のテーマを考えておくとよいということを説明しておくわけです。
時間数は3時間。3時間目は作品の解説を書き、油性ペンで作品に自分のサインを入れる時間。(2時間で完成できない生徒はここで制作を継続。解説は授業外で。)

なお、私の授業をもとに他の先生が実践を試みています。
「自分の住む地域のよいところ」をテーマにして校外でも展示したり、全員の作品をつなげて展示したときの効果を優先して「元気の出るオーラを放つもの」というテーマのもとに取り組んだり、いろいろな工夫されています。
なお、この授業は「発想、構想」の十分な時間の保証をしていませんので、その点では課題が残ります。それを補うのが事前の「予告」ですが。全体の授業時間のことを考えると、私のつくっている教育課程の中では3時間が限界です。ああ、週1時間の授業の悩み。

本当に校内明るいですよね。もう色の光が楽しくて!
生徒や先生に色の光が当たっているとこを見るのがまた楽しかったりします。これで耐光性があったらいいのになあ。