子どもの思いを知る

これは中学校2年生が、洞爺湖に宿泊学習に行ったあと、つくったもの。テーマは「自然」です。ですが「宿泊学習」でもよいことにしています。さらにここで言う「自然」は宿泊学習に限らないことにしました。それは自然についてより大きな感動体験を持ってる場合、そちらを表現する方がモチベーションがあがると考えたからです。
 鑑賞する側にも広がりが感じられて楽しいですし。
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↑この作品は、洞爺湖ではなく、ある日友達と感じた素晴らしい自然。こんなことを知れたのは授業中の生徒との対話、そして作品に添えられたコメントがあるからです。



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↑黒い箱の穴をのぞくと下のような景色が見えました。
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↑わずか15㎝角の正方形の中に、こんなに広大な景色が広がっていました。この作品からは、コメントなしでも伝わってきますが、解説によって、その時の思いがより身近に感じます。
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↑宿泊施設へと続く桜並木。これは生徒の印象に残ったようです。この桜をテーマにした作品がけっこうありますが、表現の仕方の違いがとってもおもしろい。
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上の「生きる自然」も「生命力」も同じ場面です。行ったところは2000年の有珠山噴火の爪痕。倒木から新たな命が…。同じと場面を見ていても、感じ方や表し方が違うということを、実感できます。

 子どもが「表現」したものを通して子どもの思いを知る。どのように知るか、それは美術教育の根っ子にあっていいことだと思います。作品へのコメントは、子どもの思いを知る有力な手段です。
 
 ところで、これまで何度かかかわってきた子どもの作品展。どうしても作者の言葉が必要だと思い、作品募集のときに作者の思いを添えることを提案しましたが、変わりそうにありません。相変わらず、作品のみの審査です。ただし、わたしの身近なところはかわってきました。千歳の小中学校美術展。石狩管内教育美術展。石狩管内中学校文化連盟移動絵画展。など。

 「子どもの思いに触れるって、美術教育の醍醐味です。」
Commented by hirokky at 2012-07-13 22:32 x
完成したんですね!ひとりひとりの思いはつくりながらさらに醸成されていくのでは。私の見た時よりきっと深く確かな思いになっているような気がしました
Commented by yumemasa at 2012-07-13 23:40
hirokkyさん、「生きる自然」の作者はコメントの中で、「ぐしゃぐしゃにして色を重ねてふんいきを生み出しました」って書いています。そう、ここに思いが深まっていく過程が見えますね。「生み出しました」って感覚、いいですね。
Commented by 清水信博 at 2012-07-14 00:12 x
めちゃくちゃ力強いです。この課題の中で「伝わりづらかった作品」の画像も見たいと感じました。
Commented by yumemasa at 2012-07-14 00:22
清水さんいい着眼点ですね。授業実践は全員の作品を間にして語るか、あるいは授業を見るか。さて、どの作品も程度の差こそあれ、伝わってきます。子どもの作品を職場の同僚といっしょに見るのがとても楽しいのです。ずっと笑顔で、私たちが
共感的になりますから。
by yumemasa | 2012-07-13 21:52 | Comments(4)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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