子どもの行為から学びを読みとる
2019年 01月 25日
これは鉛筆デッサンが完成して、作品を台紙(画用紙)にをはりつけているところです。そのときに台紙に対して作品が傾いていたりしないか、離れてみて確かめているところです。自分の作品ですからやはりかっこよく飾りたいわけです。この姿は自ら美を生み出そうとしている瞬間とも言えます。
実は、かつては同じように作品を台紙に「はらせていた」(使役動詞)のですが、そのときは「定規を使って」とか「傾かないように」「ていねいに」とか、言っていました。でも、けっこう傾いたままま貼っていた生徒も多かったです。
それは、私の指導をかえたからです。これまでは、生徒は言われてやっているから自分の力を発揮していなかったのです。そこで、美しく貼りたい気持ちをおこさせることをもっとも大事にすることにしました。
いまは 台紙に貼る前に、グラフィックデザインとして本や雑誌、画集を見せています。そのとき使う言葉「バランス」「レイアウト」「かっこいい」「デザイナーの仕事」など。5分くらいでしょうか。定規を使わせるようなこともしません。絵を描くときと同じように「離れてみるとバランスがよくわかりますよ」って話も加えます。
指導の成果は子どもの行為からもみとっています。子どもの行為から学びを読みとる力をつけていくといろいろなものが見えてきます。
授業中の評価の言葉も結果だけではなく「〜しようとしている行為」も積極的に評価します。行為を評価するようになってから私の授業改善はかなりすすんだと思います。
ただし、深読みは禁物。生徒の行為を見てそれだけでわかるわけではありません。その意図や感じたり考えたりしていることを本人に聞いて教えてもらうこともけっこうあります。これが、すごく勉強になるんです。
ところで行為から学びがよく見えるのが「カメラの授業」なんです。