子どもの行為から学びを読みとる

(この記事は2012年9月に公開したものです。教師の意識が変われば、指導が大きく変わる例です)

何をしているところだと思いますか?
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これは鉛筆デッサンが完成して、作品を台紙(画用紙)にをはりつけているところです。そのときに台紙に対して作品が傾いていたりしないか、離れてみて確かめているところです。自分の作品ですからやはりかっこよく飾りたいわけです。この姿は自ら美を生み出そうとしている瞬間とも言えます。



 実は、かつては同じように作品を台紙に「はらせていた」(使役動詞)のですが、そのときは「定規を使って」とか「傾かないように」「ていねいに」とか、言っていました。でも、けっこう傾いたままま貼っていた生徒も多かったです。

でも最近は傾いたり、ずれたりなどかっこ悪いのはほとんどありません。

 それは、私の指導をかえたからです。これまでは、生徒は言われてやっているから自分の力を発揮していなかったのです。そこで、美しく貼りたい気持ちをおこさせることをもっとも大事にすることにしました。

 いまは 台紙に貼る前に、グラフィックデザインとして本や雑誌、画集を見せています。そのとき使う言葉「バランス」「レイアウト」「かっこいい」「デザイナーの仕事」など。5分くらいでしょうか。定規を使わせるようなこともしません。絵を描くときと同じように「離れてみるとバランスがよくわかりますよ」って話も加えます。

 指導の成果は子どもの行為からもみとっています。子どもの行為から学びを読みとる力をつけていくといろいろなものが見えてきます。
 授業中の評価の言葉も結果だけではなく「〜しようとしている行為」も積極的に評価します。行為を評価するようになってから私の授業改善はかなりすすんだと思います。
なお、ここで使っている評価という言葉は、良さを見つけるといったニュアンスで使っています。

 ただし、深読みは禁物。生徒の行為を見てそれだけでわかるわけではありません。その意図や感じたり考えたりしていることを本人に聞いて教えてもらうこともけっこうあります。これが、すごく勉強になるんです。

ところで行為から学びがよく見えるのが「カメラの授業」なんです。

Commented by 泉谷 at 2012-09-08 21:32 x
本当ですね。
Commented by yumemasa at 2012-09-08 22:43
先輩に言っていただけて、光栄です。
by yumemasa | 2019-01-25 22:15 | 美術の授業(山崎) | Comments(2)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明