現在、山崎の授業で、例年より早く「卒業制作」をはじめています。全12時間扱い。その卒業制作のプレゼンで、根っこにすえているのは「あなたは大切な存在です」ってことです。このことについて、私の身近な例から、生と死について、話します。本当に大事なことに取り組んでほしい、そう願って授業をしています。(ですからこの授業で話をするときはネクタイをして、生徒に深々と頭を下げてはじめます。)
実は、この授業は私の娘が中学生の時にしてあげたいと思っていたことも話します。
卒業を前にした時期だからこそ、その時しかできないこと、自分だからこそやること。この時間はとても、とても大事なんだって。
今盛んに言われている「主題を生み出す」って言葉、本当に本当に大事です。その子が今を生きているからこそ、その主題は生まれてきます。あたり前のことなんですけど。
*写真の意味
この広い世界、自分とほとんど同じ人がいたっていいと思いませんか?だって70億人もいるんですから。あるいは、人類が生まれてから、いや、これからも未来も含めて。でもいないんですよね。全く同じ人は。みなさん一人ひとりは奇跡のような存在です。
(追記)
この授業の3時間目(3時間目は、主題が明確になって、どんどんすすめている生徒、まだ発想段階の生徒もいる段階。)に「一人ひとり感じたり、考えたりすることが違う」「興味や関心が違う」「出す答えがそれぞれ違う」という事実(生徒の授業のふりかえりの言葉も使います)が「生きる」ことを面白くさせているという話をします。多様な価値観に触れながら葛藤して生きていく、そのことがよりよく生きることにつながると。(ただし価値の押し付けにならによう、〜と私は思うという言い方)黒板に「哲学」「美意識」という言葉を書きながら。ただし、話は簡潔に。つくりたい気持ちのときは、話は邪魔ですから。
(追記 2019年12月)
卒業制作は生徒自身がこれまでの「学び」をつなげながら発展させていく時間です。例えばこの3時間目の話は「対話による鑑賞」とつながります。
「対話による鑑賞」を通して、いろいろな感じ方や考え方があるから面白いし、他の人の考え方を知り、自分の感じ方や考え方が、広がり、深まるというような感想を持っています。これららのことは生徒自身の授業の「ふりかえり」を「共有」していく中で浮き彫りにしてきました。「学び」をつなげるのは生徒自身ですが、教師が「つなぐ」ことで、生徒が気がついたり、実感したりすることも大切です。
そして何より「一人ひとりは大切な存在、みんな違うから面白い」ということが授業のベースに流れていることです。授業のねらいを「どこまで到達させたか」ばかりでは見えてきにくいこともあります。