卒業制作について(その5)

「卒業制作」は、いわゆる「自画像」からスタートしていました。そのころは、どうやったら、よい作品を描かせることが出来るかに指導の方向が向いていました。
 ですから、生徒はよりそっくりに描くことに集中します。真剣に描いている生徒が多かったです。もちろん、主題も大切にしてほしいので多数の作品を見せたり、ポーズや表情などの工夫も求めました。授業も安定していました。集中して描かせられる自分に自信を持っていました。
卒業制作について(その5)_b0068572_119160.jpg
けれど、私が20代の終わり頃、ある生徒に「先生、自画像、ユニフォーム姿で描きたいんですけど?いいですか?」って聞かれました。はっとした瞬間でした。これはひとつの転換点でした。なんで、こんなことに気がつかなかったのだろう?この言葉はいま思えば生徒が本気で「こうしたい」って思ったからこそです。表現は子どものものだということです。

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by yumemasa | 2013-11-24 11:08 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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