小さなことも大切にしたい

若手の先生から中学校美術Q&Aで取り組んでいる「アクション会議」を受けて、「転勤したばかりの美術室に複製画をはりました」という報告メールをいただきました。やったことは簡単なことです。けれど、それをするか、しないか、大きな違いがあります。
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私が大学の美術科教育法の講義でアートカードをしていたときのこと、たくさんあるカードの中から、ひとりの学生が「あ!私、知ってる!これ好き!」って言いました。
聞くと、中学校の校内に飾ってあって、それが「いいなあ」と思っていたのだそうです。
 私は、そういう好きな絵があるのは、いいことだという話とともに、以下のような話をしました。
「この絵は、教科書をつくっている会社の人が、たくさんある絵の中からこれを選んで、子どもたちに見てほしいなって思って印刷してくれて、さらに、それに共感した先生がいて、じゃ、これを飾ろう、って思って飾った訳で、そういうことが、あって、今のあなたの感じた事があるんですよ」
深くうなづいていました。

複製画を飾る、小さなことが時にはこんなに素敵なことを生み出すのだなって実感した場面でした。
日本中の中学校で起きてほしいことです。

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Commented by やまちゃん at 2014-05-22 19:11 x
こういう話はいいですね。
先生の熱いレスを読むと、『何もそこまで』と思う反面、その『熱さ』が懐かしく思い出される部分もあります。

『この生徒たちの為に!』という思いが、願いが人から人へ渡っていって、それが一つの力になったとき、どんな爆発的なエネルギーが生まれるのか?

今では『情熱』とか『熱さ』ってのは過去の遺物みたいなところがありますが…
私が現役の中学生の時はそういうものがまだまだあった時代でした。
10代、20代の若者の学校生活の話を聞くと、なんとなくそういう部分で寂しくなるところがありますが…

先生には教職を目指す若者に、是非その魂を伝えてあげてほしいものだと願います。
Commented by 石垣文子 at 2014-05-22 20:47 x
私もとっても同感しています。私事ですが、私の小学校の5年と6年の担任をしてくださった先生は6年生の時に黒板の上の正面にゴッホのひまわりを貼ってくれました。私は初めて見たゴッホのタッチに憧れたことを今でも時々思い出します。子どものころに心に突き刺さったことは、とても人生に意味を成してくると実感しています。
Commented by yumemasa at 2014-05-23 06:03
やまちゃんさん、「何もそこまで」と思われましたか?
事実です。
私も教科書づくりにかかわって感じていることです。それは、それは、真剣です、昨日一点選ぶのも。
ところで、教職を目指す人には情熱よりもやりがい、そのことが共有できたらと思っています。
Commented by yumemasa at 2014-05-23 06:16
石垣さん、そのような事例を教えていただいてうれしいです。たくさんの情報に取り囲まれているいまこそ、作品を飾ることが、とても大切なんだと思います。そうですか。今でもこうして鮮明に覚えておられるのですね。いま、その担任の先生の思いや飾っている姿、それを見た児童の姿を想像してみました。
by yumemasa | 2014-05-22 01:21 | Comments(4)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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