「上手だねー」…その言葉、ちょっと待ってください

「おおはしわーるど」の大橋功さんがちょっと辛口のとてもよい記事を書いていました。幼稚園での描画の授業についてです。小学校の先生や親はもちろん、図工・美術教育関係者に読んでほしいです。

まだまだあるんだな」←クリックしてください。

この記事に刺激を受けて書いたのがこの記事です。

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この絵(?)は娘が2歳7ヶ月のころに描いたものです。これは絵というよりもフェルトペンで遊んでいる延長ととらえたほうが適切でしょう。たくさんの色があるから使ってみたい。私は横にいて、娘の話を聴きながら、そのひとときを楽しみました。適当に描いた形にあとから意味をつけたり、時には目とか口とか言ってから点を描いたりしています。
ここで気をつけたことは、「上手だねー」と言わないことでした。子どもは上手に描くために描いているのではないのです。しかし、この「上手だねー」は、けっこう使われています。
 この頃はペンを使う行為を楽しんでいたり、描きながらの会話を楽しんでいるわけですから…。
子どもは上手に描く事を目的に描いているのではないということを幼児期の周囲の大人は気がつかないといけないと思うのです。
 こんな言葉がけばかりされていれば、子どもは絵は上手に描くためのものだと思ってしまうような気がします。
 年少の幼稚園児に「描けない」から大人が見本を与えるなんてことがよくありますが、このあたりのことを知っておけば、そんなことはしなくなると思うのですが。

 私の娘は小学校低学年で素晴らしい国語教育をうけました。子どもが自由に作文を書いたものを担任の先生に提出していました。作文には感想が書き添えられてきます。しかし、文法的なあやまりを指摘(修正)しなかったのです。作文という表現の結果ではなく、その内容に共感してくれたいたのです。娘ははりきってたくさんの作文をかきました。作文は楽しい!そう思わせてくれました。

 
 描いたりつくったりすることが、人間の成長にとても大切だと考えています。

そこで私がしたことは、「環境」をととのえることでした。

 100円の「らくがきちょう」やフェルトペン、えんぴつなどをすぐに使えるようにしておきました。はさみやのりカラーの粘土なども小さなテーブルに置いておきました。それはちょうどが材売り場にいってわくわくする感覚と似ているかもしれません。中学生でも大きな机の上に様々な画材や道具を置いておくとすごく興味を示します。同じでしょうね。




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Commented by nagataku23 at 2005-05-22 02:47
絵はよくわからない。なんていったら、師に叱られますが、
上手って言ってしまいますね。
難しいです。作文の時などのコメントも、
この文がいいねって言えると良いなと思います。
どこの文がいいのか着眼点はどうすればいいのかなどなど。
言葉は難しい。
Commented by おおはし at 2005-05-22 10:27
nagataku23さん、子どもの気持ちを受け止めるってことですよ。作文であれ、絵画であれ、子どもが何かの思いを伝えようとしている場合は、その言葉をきちんと読み取って、その気持ちに沿って受け止め共感してあげること、まずはそこですね。何が良いとか悪いとかの評価じゃないんですよね。
教えようとするんじゃなく、受け止めること。表現に関わる学習指導で一番大切なことです。あと、いつもいつも伝達しようなんて子どもは思っていませんから、遊びに夢中になっているような、行為を楽しんでいるような場合は、また少し違いますね。でも、お話を聞いてやることは大切なんですよ。
Commented by ながたく at 2005-05-23 00:53
受けとめるか・・・。
大切だけど一番難しいことですね、
話を聞くって一番大事だけど、子どもに関わる多くの人が
できていないような気がします。
ぼくもふくめて・・・。
Commented by peko55665 at 2005-05-23 21:34
ユメマサさん、お久しぶりです。
つい先頃お宅のお庭の桜が咲いたんですね。
日本列島は、南北に長いなと改めて実感しました。
それでも、今年は、こちらでも桜が遅くて、入学式まで桜が残ったんですよ。
さて、このたび、教科指導を別ログに移しましたので、そちらの方にもリンクさせていただきました。
また、このレビューと似たようなレビューを私も書いていたので、TBさせていただきますね。
Commented by artshore at 2005-05-25 02:32
子供のような絵を描きたいと思うことがありますが、
子供は大人のような絵を描きたいと思っているわけではないでしょうね。
じゃあ、子供はどう思っているのか。
彼らを見てると、なにかが彼らに描かせている
という感じをもつことがあります。
しいていえば、彼らを包む雰囲気というか環境のようなものが
彼らに描かせているというような。
どんなふうにお感じでしょうか?
Commented by yumemasa at 2005-05-26 07:46
nagatakuさんへのおおはしさんのコメント読んでいて、本当に私もその通りだと思います。ただ、大橋さんが「いつもいつも伝達しようなんて子どもは思っていませんから、遊びに夢中になっているような、行為を楽しんでいるような場合は、また少し違います」というコメントこれも実は非常に大事で、行為そのものを楽しむのもありますから。私もこのことについては、そういえば、ほとんど触れてこなかったなあ。
nagatakuさんは難しく考えすぎない方がいいかもしれないなあ。絵を通してこどものことを知り、楽しむ。これってすごい楽しいし,おもしろいですから。
Commented by yumemasa at 2005-05-26 08:24
artshoreさん、不思議ですよね。本当に。子どもをとりまく環境は大きいですね。それにしても娘が幼児期に描いた絵を見ていて本当にわくわくしました。おー、天才だ!(親バカ)。
私の家の近くにある大地太陽幼稚園の子どもの絵を見ていてももうわくわくします。では幼稚園児の絵ならみんなわくわくするかというと、そうではないです。子どもの表現は未熟なものとしてとらえている幼稚園では、子どもの絵を台無しにしてしまっています。あの時期だからこそ描ける輝けるような絵を描かなくなってしまいます。
artshoreさん鋭いですね。さすがです。大地太陽幼稚園で,何を大事にしてるか、それは環境なんです(ここでの環境は人間も含みます)。だから子どもの思いや絵をかく行為そのものを楽しいでいるうれしさが伝わってくるんです。
Commented by yumemasa at 2005-05-26 08:27
松永さん「美術科教科指導」ブログ見ました!正直うれしいです。なんか仲間が増えたぞって感じです。とてもうれしいのでそのうち記事で紹介させていただきます。
Commented by kabu at 2005-05-26 17:34
「子どもは上手に描く事を目的に描いているのではない」という言葉に、はっとしました。「上手だね~」、私もよく使っていました…。2歳の娘とお絵かきをして遊ぶのはなかなか難しく、どんなふうに会話し進めていくべきか、いつも悩みます。上手という言葉を使うことは、上手に描くことを、知らぬ間に要求していることになるんですね。画材を使うこと自体を楽しんだり、描いてできたものから話を膨らませたり、何を思って描いたのかお話してみたり、もっと子どもの目線、子どもの心でお絵かきを一緒に楽しんでいきたいと思いました。
Commented by yumemasa at 2005-05-26 23:37
kabuさんに記事の事を深く理解していただいてうれしいです。kabuさんのとらえ方も方向性もいいですね。あっ、何かいかにも教師臭い文書いちゃいました。2歳のお子さん、かわいいだろうなあ。
お母さんは木のおもちゃつくっているし、いい環境だなあ。
by yumemasa | 2005-05-21 12:08 | 子どもの表現 | Comments(10)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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