酒井式描画指導法 批判

(この記事の初掲載は2019年5月ですが、再投稿することにしました。理由は、この記事にある保護者の方から貴重なコメントが入ったからです。ぜひ、コメント欄もお読みください。保護者の方が、先生に勇気を持って話されて、その後先生もかわっていく様子がかかれています。コメント欄に日頃頑張っている先生への感謝の気持ちも書かれています。ありがたいことです。)

 このブログで、アクセスの多いのが、「酒井式描画指導法」に関するものです。その内容は問題点の指摘ですから、おそらく実際の教育現場で悩まれている方や酒井式に疑問をお持ちの保護者の方が、ご覧になっているのではないかと想像しています。酒井式をよいと思っておられる方は、 TOSSのサイトにアクセスするはずですから。

酒井式に関しては、最近ブログ記事にしていませんでした。やはり批判の記事は楽しくないですし、エネルギーが必要ですから。
でも今や、小学校(北海道)に行ったら酒井式の絵で指導しているクラスがあるのは珍しいことではない状況です。黙っていては認めたことになります。

酒井式描画指導法 批判_b0068572_00493948.jpg
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div> ( Google画像検索で「酒井式描画指導法」で検索した結果 2019,2,7)

 酒井式は「先生が子どもの絵とはこうあるのが良いと想定した絵」を描かせるために、子どもに指示を与えて、「描かせる」方法です。
 短時間で酒井式の指導について知りたい方は、下の関連サイトを御覧ください。

 酒井式は「学習指導要領」の方向とは違います。実際に酒井式にたっよて指導されている方は、批判だけでは困る方もおられるでしょう。ですので、お勧めの方法を紹介します。
 それは、「教科書」を活用することです。「教科書」には「指導書」がありますので、それをもとに。「指導書」はこれまでの内外の美術教育の成果を結集させて作ったものです。そこから始めてください。

 わたしは、最近、小学校で行う出前授業はあえて「教科書題材」でやるようにしています。しかも「指導書」の「指導案」をもとに。授業後、参観いただいた先生には、「指導書」の活用のしかたについて説明したり、指導書に掲載されている「指導案」と変更した部分について、その理由を添えて補足しています。

 こう書いている今も「酒井式」で絵を描かされている子がいることを思うと悲しくなります。その子だからこそ感じたこと、考えたこと、その年齢だからこそ描けること、そんなことは一切無視されます。その子のその時は、一生のうちに一度だけしかないのに。

*酒井式描画指導法がわからない方はTOSSで検索するか、下記の関連サイトで動画が公開されているのでご参照ください。

《関連記事》


 




(追記)2020,1.15
 このブログを読んでいる小学校の先生からメールが来ました。所属学年の先生(年上)が「酒井式をやろう」と言い出して困っているとのメールでした。その先生には「学習指導要領の目標」と「評価」のことから「図工の教科書題材」をやりたいという提案をしては?とアドバイスさせていただきました。しばらくして、うまくいったとのことで「酒井式をやろう」提案された先生も、酒井式を強くやろうと考えていなかったようです。偶然ですが、似たようなメールが他の先生からも来ました。これも、「酒井式をやらずに済みました」という報告を受けました。

(追記2)2020,1,25
 昨年度のことですが「第45回 北海道教育美術展」で酒井式描画指導法の定番「百話の鶴」が「奨励賞」となっていました。入選ではなく、奨励賞です。北海道造形教育連盟が、このような作品を結果として奨励してしまったこと、本当に残念でなりません。
 ここにこの作品展のことを書くのは、描いた子のことを考えると、躊躇したのも事実です。図工の授業では言われたことを守って一生懸命描いているはずですから。
 さて、問題は指導者が、伝統ある団体から認められ、指導に対して自信と確信をもつことです。こうして「負の連鎖」が続くことになります。
 もう10年以上も前です。北海道教育美術展の審査の中で、酒井式については何年も話をしてきてやっと結論を出しました。(私も審査に参加していました。)負の連鎖を断ち切るという決断です。その決断の素晴らしさに北海道造形教育連盟に所属することに誇りを感じました。が、しかし、もとに戻ってしまいました。本当に残念でなりません。
酒井式描画指導法 批判_b0068572_00504634.jpg
( Google画像検索で「酒井式 鶴」で検索した結果 2019,1,25)

(追記3) 2020.2.7
コメント欄に保護者の方の声と学校へのアプローチが書かれています。ぜひ、お読みください。

(追記4)2020,2,11
素晴らしい、学ぶべき「作品展の改革」を紹介します。


(追記5)2021.03.05
こうした記事を書いている私自身もかつては、生徒に教師が描かせたいイメージに近づけるような指導に力をいれてきたときがありました。教師としてよかれと思ってやっていました。酒井式描画指導法もそもそもこどものためによかれと思ってはじまったのでした。


(追記6)2021.04.13
 学年の先輩教師が提案した図工の計画の中に「酒井式」があった。さあ、どうするか。かつて、そんなメールをいただいたことがあります。
そこで以下の記事を書きました。


(追記7)2021.9.11
この記事のアクセスの多さに驚いています。せっかくですから、酒井式がなぜいけないのかが、自ずとわかる本がありますので、紹介します。
本当は内外の美術教育の研究書(子どもの絵の発達について研究している本)を読まれると良いのですが、一般向きではありません。そこで、その理論を踏まえ、わかりやすく書いた本を紹介します。


(追記)2022.1.20

酒井式がいかに素晴らしいものかを、退職校長がYOUTUBEで説明しています。以下をクリックしてください。
 

(Youtube視聴の感想)
図画工作の指導を通して発揮される子どもの力が、酒井式を信望するまあり、図画工作で育むべき資質・能力が見えなくなっているのではないでしょうか。
子供全員に対して、教師の示した一定の、しかも、極めて特殊な方法で、教師の示した手順に従って描かせる。
これは、子供が自ら思考し、判断し、表現するという学びの機会を奪うことになります。

学習指導要領ではなく、酒井という人が考えた一つの方法で義務教育の図画工作の絵画を担うなどはあり得ないでしょう。
大阪では「一本戦の指導」という似たものもありますが、今は普及していないようです。

Youtubeでの話を聞いていて、教師として共感するところもあります。
「描けない」と言っている子に対して、教師としてなんとかしてあげたい、その部分です。悩んだはずです。
困っている子供に対して、指導の方法が見当たらない時に、出会った方法が「酒井式」。それを授業に取り入れたら、子供が描いた!それは、本人も先生も驚いたことでしょう。私だって知らなかったら驚くかもしれません。ただ、それを全ての子供に当てはめてしまった。
では、どうすべきだったのか、それは、子供が「描けない」と言った時、そこに耳を傾けるべきだったのです。その子自身のこと、その子を取り巻く環境のこと。その背景を考えるべきだったのです。さらに待ったり、見守ったり、子供と一緒に考えたり。そうやって教師も成長していくのに。

さて、結果として酒井式を広めたのは、図画工作の展覧会やコンクールです。だから美術教育界にも大きな責任があります。賞を与え、結果として推奨したのですから。
さらに、酒井式の何がいけないかについてきちんと批判してこなかったことです。

私が教師になった頃から、酒井式の研究会があるは知っていました。でも、それを内心、小馬鹿にし(思いあがった態度です)、「どうせ広まらないだろう」と思っていました。このような方法がどうして生まれてきたのか、深く考えようともせず、教育現場の中での教師の悩みに応えようとしなかったのです。

ある研究会で酒井式を実践した先生を批判したことがきっかけで2000年からネットで発信を始めたのです。でも酒井式の批判は、その数年後です。批判するのが怖かったのです。今日もYoutubeについて書くかどうか、少しためらいました。でも、きちんと批判はしておかないと。

(追記)2022.11.10
酒井式描画指導法が既に学校でやることになっていて、先輩の先生が、教えてくれるという場合もあるでしょう。「ひまわりと小人」などは、低学年の定番です。黄色いひまわりの中で小人たちが遊んでいる絵です。見た目も可愛らしいです。しかも、児童は言われたとおりに描くし、授業をする先生には都合がいいし、指導した気分を味わるのかもしれません。しかし、「ひまわりと小人」は子供が自らイメージしたことを描いている訳ではありません。教師の思い描いた世界に付き合わされているだけです。しかもほとんどは教師から決めらた手順で描かされるだけなので、学習指導要領の例えば「思考力・判断力・表現力」と言う視点で考えると説明はつかないでしょう。
酒井式などの特殊な指導法をやるのではなく、「図画工作」の教科書を活用すべきです。
ちなみに、図画工作の授業を教科書を活用して充実した授業をしている事例を以下に紹介します。


(追記)2023.2.1
酒井式について、酒井氏本人が、描かせ方を動画で説明しているサイトがあります。正進社(教科書の副読本を作っている会社です)のサイトですが、児童用にワークシートを使わせて、酒井氏で描かせるためのものです。
この動画を見て、現行の学習指導要領の3観点に沿って考えると、問題点が一層明白になるでしょう。本当は、学習指導要領以前の問題ですが。


(追記) 2023.10.2 「幼児と酒井式描画指導法」
不本意ですが、私のブログでアクセスの多い記事がこの記事です。さて、酒井式の根本は乳幼児期の絵は未熟だから教えてあげる。そこから幼稚園教育要領・保育指針・学習指導要領とも違っていいます。ましてや義務教育の中で、問題です。
このことについて興味のある方は以下の記事を読み比べてください。




 (追記)2024.5,31

酒井式のYouTube動画「授業の百科事典」を見ました。先生はもちろん、こどものために良かれと思ってやっています。絵が「描けない」という子を描けるようにさせる方法として広まったものです。教師の「良心」から始まった方法と言ってもいいでしょう。しかし、子どもの見方感じ方は無視されています。それは「表現」とは言えません。
「酒井式描画指導法」を義務教育でやっているのは大きな問題です。「私塾」ではないのです。
酒井式をやっている人から「描けない子に対してどうするんですか?」って聞こえてきそうですが、酒井式がやっているのは、指示した通り描かせるだけなので、それは子供が自ら描いたことにはなりません。さらに決定的なことに酒井式は中学校とは全く繋がりません。断言します。
かつて私が勤務していた中学校には、酒井式で指導された子どもたちが入学してきました。最初の仕事は酒井式から解放してあげることです。ちなみに。私の授業で「絵が描けない」といつまでもいう生徒はいません。卒業時はゼロです(ほとんで中学校1年生の段階でいなくなります)。そのあたりは、私の著作「美術の授業がもっと上手くなる50の技」に書いています。

酒井式の指導をこれからしようかどうか躊躇っている先生にお願いです。教科書と指導書を使ってください。よくできています。また「描けない」という子ができてきたらその子の声を丁寧に聞いてあげてください。全てはそこから始まります。また、子どもには、その年齢だからこそ、描く絵、描ける絵があります。YouTubeを見ていて、教師の言われたものを「描かせられる」子どものことを想像すると悲しくなります。子供はその時、描かせられていたことに気が付かなくてくも、後になって気がついた時、子供から呆れらたり恨まれたりするだけです。

保護者の方で、酒井式に取り組んでいる先生に意見を言いたくても言えない方は、このブログを先生に教えてくださるのも良いかと思います。なお、先生にお話するときは「酒井式」は善意でやっておられることは、十分踏まえていただければと思います。

何かのお役に立てらばと思います。私へのメールの場合は、件名に「酒井式」と書いてください。なお、メールの処理で時間がかかって、返信が厳しくなってきた場合は、ここに、その状況を書きます。今のところメールは出せます。受付できなくなった場合もここに書きます。

(追記)2025.1.24
2025.1.15のNarumiさんという方のコメント。このことを多くの人に知ってほしくて新たな記事を書きました。 Facebookでも大きな反響があり、多くの方がシェアをしてくれました。

(追記)2025.3.24
札幌市の経営者の研修として「対話による鑑賞」を実施しました。その研修会の後の懇親会の中で、経営者の一人が、我が子の小学校の校内に全員が同じような絵を描いている(聞けば酒井式のものだということがわかりました)ことに憤りを感じていると話してくれました。私はその場で酒井式の話は全くしていまないのに。こんな教育をしていることへの強い批判と疑問でした。酒井式をされている先生に是非とも伝えたい。本当にこんな教育は人材育成の視点からも問題だということ。それを容認している学校も。

(追記)2025.11.24
現在、北海道安平町の早来学園や追分小学校などの児童生徒の図工の作品を見る機会が多いのですが、よい授業がされているであろうということが、作品や子供のコメントからも伝わってきます。それらのほとんどはいわゆる「教科書題材」です。それらの授業から、作品をピックアップしながら、教育委員会の広報誌で紹介しています。そのことを通して、子どもの絵をどうとらえたらよいかを、シリーズで伝えていく計画です。

(追記)2025.12.17
12.8「技術も教えずあんた何指導してんの。」という批判を受けました(コメント欄に)。ふと、普通の図工の授業(教科書題材)に取り組んでいる先生が、このような言葉を実際に浴びせられたら、と想像してしまいました。心が折れるかもしれません。そんな人のためにつくった記事もぜひ、お読みください。


以下の記事もお読みください。(↓画像をクリック)
酒井式描画指導法 批判_b0068572_21302982.jpeg

Commented by ささやん at 2019-09-05 15:34
小学2年の女の子の母です。
先日、子どもが学校の授業で「先生が鼻を画用紙の真ん中に描いて、目の描き方も言われたとおりに描かないといけなくて、嫌だった」と言っていました。
何のことか分からなかったのですが、参観日に同じような顔の絵が廊下にずらりと並んでいました。
吐き気がする思いでした。
検索をしたら、酒井式というものを知りました。
子どもの言っていた描き方そのままで、びっくりしました。
小さいころから絵が好きで、近くに住む画家のおじいちゃんの家族の似顔絵を描いてはプレゼントして、「いいねいいね」(先生はどんな絵でも必ず誉めてくれます)と言われて、子どもも自分の絵が大好きでした。
学校で「漢字の書き方のように鼻から書く絵」を描いてから、子どもは人間が描けなくなってしまいました。
「描き方、忘れちゃった・・・」そうです。
わが子は絵の線が描けません。
線は見えないから線は描けないらしいです。
ですので下書きは全くせず、画用紙に直接、色を置いて描いていきます。絵の具が一番好きですが、色鉛筆もクレヨンも色があるものなら何でも良いようです。
見たままをそのまま描くので、大人もびっくりするような色使いと写実的な絵です。
似顔絵を描いてくれることはなくなってしまいましたが、
風景は学校で教えられてないので、今までどおり楽しく描いてプレゼントをしてくれます。
学校で大事なものを潰さないで欲しいと思っています。
担任の先生へ相談したら、学校での絵の描き方だと思って欲しいと言われました。家では自由にというのです。
自由に描くにしても、子どもはもう人間の絵は描きたくないと言っています。
わが子には酒井式は謎でしかありません。
あんな人間は見たことないです。
思わず、コメントしてしまいました。
Commented by yumemasa at 2019-09-16 02:53
ささやんさん、貴重なコメントありがとうございました。お子さんの思いを知ると本当に切なくなってしまいます。酒井式は「親も喜ぶ、子どもも喜ぶ」と言って広まってきたものです。そもそも善意ではじまったことですが、その方向が間違っています。特定の指導法で私が「間違っている」ということはあまりないのですが、これだけは断言します。もちろん学習指導要領ともあいません。担任の先生が「学校での絵の描き方だと思って欲しい」というのは、その小学校として本当はまずいです。学習指導要領を無視していますから。でも、もっとまずいのは「もう人間の絵は描きたくない」とか「人間が描けなくなってしまいました。」と思い込ませてしまったことです。私は中学校の教師を30年以上していましたが、酒井式で指導された子が、何割かかならずいました。その子達は絵が嫌いです。でも、描き方を強制されても、まったくそのことは身につかないので、ある意味安心してください。小学校の図工や中学校の美術の教科書にはすてきな子どもの作品がたくさん掲載されていますから、子どもも中学生もなればそれがおかしいものであると気がつくようです。
Commented by yumemasa at 2019-09-16 03:11
ちなみに、このビデオが ワークブックをつくっている会社から出ています。
https://www.seishinsha.co.jp/book_s/detail.php?b=30
酒井式の絵は酒井式が想定した「子どもの絵」を子どもの手を使って描かせる方法です。これが総本山の生の姿です。
Commented by yumemasa at 2019-09-16 03:19
ささやんさん、もう酒井式の信者のようになっている方は多くはないでしょう。けっこう多いのが、同じ学校の先輩の先生が「酒井式」で指導しようと持ちかけらてれ困って仕方なくという人もいると知っておいてください。でも勇気を持って子供のために断る先生もいます。そのときにこのブログを役立ててくれる方もいらしたりしました。そういう意味で、保護者の立場からのこうした批判のコメントは非常に大きいです。ありがとうございます。
Commented by ささやん at 2019-12-09 15:34
丁寧なコメントをありがとうございました。
その後について、お伝えします。
担任の先生は、授業で使うその方法が「酒井式指導法」ということを知らなかったようです。
ですが、こちらの地域の地区児童画展の入賞作品は、酒井式の本に載っているそのままのようなモチモチの木、龍の絵など見たことがある絵がたくさん飾ってありました。
わが子の通う小学校には美術専科の先生はいらっしゃらないので、TOSSランドに載っている方法をそのまま使ったのかもしれません。
先生へは「人間が大きくても小さくてもいい。参観日に完成しなくてもいい。子どもの頑張ったところが分かれば、同じような完成品を並べなくても、うちの子だけの絵が見れれば私は満足です」とお伝えしました。
その結果、わが子のクラスだけは、自由に好きに描いて良いことになったそうです。わが子は喜んでいましたが、その方法に慣れた子たちは「次どうしたらいいか分からない」となってしまった子もいたと言っていました。
また、特別学級に行っている子も一緒に教室で描ける事になって良かったとも言っていました。
出来れば、子どもたちには絵を描く道具にはこんな使い方があるということを教えてあげて欲しいです。
「筆で絵の具で描かなくても、チューブのままでも良いし、指でも良いし、絵の具を薄くしても、濃くても、パレットで混ぜても、混ぜなくても大丈夫。」「いいねえ。絵本の1ページみたい。包装紙にしたいくらい。」わが子の大好きな絵描きのおじいさんの言葉です。
酒井式のシナリオのセリフで「天才!」と褒められても、子どもには全く自分の絵を見ていないことは伝わります。
私は教師ではありませんが、学校の先生たちが子どもたちのために遅くまで残って仕事をしたり、給食の時間も仕事をしたりしていることは知っています。頑張って酒井式を研究して良かれと思ってしたことに、苦しんでしまう子どもがいることも知っていただけるとありがたいです。
Commented by yumemasa at 2020-02-07 23:55
ささやさん、コメント今日、気が付きました。先生に話されたのですね。きっと勇気が必要だったのでしょう。ささやさんは、日頃頑張っている先生の姿を知っていての発言だったから通じたのかも知れませんね。ささやさん、小学校の学習指導要領に基づいてつくられた図工の教科書は、ささやさんの願い通り、「子どもたちには絵を描く道具にはこんな使い方があるということを教えてあげて欲しいです。」が実現されています。
Commented by Nanami at 2025-01-15 15:48
初めまして。酒井式に関する記事を読みコメントさせていただきました。

小学校の6年間、酒井式で図工の指導を受けてきました。
小さい頃から絵を描くのが好きでしたが、酒井式で絵を描かされるのは嫌でした。自分の好きなように描けないことに不自由さを感じました。また、酒井式によく見られる極端に鼻の穴や皺を強調した顔や不自然に曲がった腕などもどうしても好きになれませんでした。
酒井式で描くのが嫌でなかなか描き始められず、何度も居残りしました。先生に描き方を指示されて(時には描き足されて)完成した絵は自分の絵ではないような感覚を覚え、気持ち悪いと感じました。皆は特に疑問を言うこともなく普通に描いていたので、「自分が変なのではないか」とも思いました。工作や風景画など人物を描く必要のない授業は好きでしたが、人を描く授業は嫌いでした。

最近ふとこれを思い出し、「あれはなんだったんだろう」と調べてみたところ、酒井式を知りました。「鼻から描く」「大きく描く」「手足はオーバーに曲げる」といった特徴が全て当てはまり、「あれは酒井式というものだったのか」と腑に落ちました。
さらに調べていって山崎先生のブログを見つけました。そこで酒井式には批判もあると知り、自分の感じていた疑問や違和感は間違っていなかったと救われました。
酒井氏は、酒井式の目的として「『いい作品』を生むため」「その子なりの最高傑作を作らせること」を挙げられていますが、私は酒井式で描かれた自分の絵を「いい作品」「最高傑作」だとは思えませんでした。むしろ嫌いでした。教室や廊下に掲示されているのを見ないようにしていました。掲示が終わった絵を返却されたらすぐに裏返して、親に見せないようにしていました。この「いい作品」「最高傑作」は誰にとってのものなのでしょうか。教員やコンクール審査員など、大人にとっての「いい作品」「最高傑作」なのではないかと思えて仕方ありません。

幸い中学校・高校では先生に恵まれ、絵は今でも描き続けています。一方で、今でも酒井式に苦しめられている子どもがいると考えると胸が痛みます。酒井式がなくなってほしいとは思いませんが、酒井式が「素晴らしい指導法」としてもてはやされる状況は変えなければいけないと思います。

このブログを読んで、酒井式に対し声を上げる人がいたということを非常に嬉しく思いました。
先生の活動を応援しております。
Commented by yumemasa at 2025-01-24 21:44
Nanami さん、コメントありがとうございます。Narumiさんの「今でも酒井式に苦しめられている子どもがいると考えると胸が痛みます。」という言葉、重いです。こうした、子供の側からの声、指導を受けてきた側からの声は、とてもとても貴重です。生の声ですから。居残りの話とか、親にも見せなかった話とか、衝撃でした。こんなに克明に覚えておられるのですね。でもこうして書いて下さったことで、酒井式に懐疑的だったらり、指導法が良いのかどうか、戸惑っている方にとっては、大切な判断材料の一つになると思います。このコメントが、酒井式の広がりを食い止める一つの力になるでしょう。今も絵を描いてるとの話でホッとしました。その後の良い先生との出会いの話も救いです。ありがとうございました。
酒井式の批判をするのは好きではないですが、子供の「表現」が奪われないようにしなければと決意を新たにしました。応援ありがとうございます。元気が出ます!
Commented by ああ at 2025-12-08 18:48
技術も教えずあんた何指導してんの。ぜひあんたの学級経営みてみたいもんやわ。成績も上がらなければ子どももつまらない顔してんだろね
Commented by yumemasa at 2025-12-17 20:31
ああさん、「ぜひ」「見てみたい」とのことでしたので、授業を見たければ、いつでもどうぞ。連絡、お待ちしています。ただし所属と名前は教えていただきます。私への連絡は簡単です。ブログにメール他、連絡先を示しています。
なお、「技術」を軽視しているわけではありません。誤読です。技術を教えることが、子供の学びを阻害することもあります。

なお、社会人として、どんなに批判したい相手であっても「あんた」」という言い方は、いかがなものでしょう?
by yumemasa | 2020-02-08 01:11 | 子どもの表現 | Comments(10)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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