酒井式描画指導法 批判 |



先日、子どもが学校の授業で「先生が鼻を画用紙の真ん中に描いて、目の描き方も言われたとおりに描かないといけなくて、嫌だった」と言っていました。
何のことか分からなかったのですが、参観日に同じような顔の絵が廊下にずらりと並んでいました。
吐き気がする思いでした。
検索をしたら、酒井式というものを知りました。
子どもの言っていた描き方そのままで、びっくりしました。
小さいころから絵が好きで、近くに住む画家のおじいちゃんの家族の似顔絵を描いてはプレゼントして、「いいねいいね」(先生はどんな絵でも必ず誉めてくれます)と言われて、子どもも自分の絵が大好きでした。
学校で「漢字の書き方のように鼻から書く絵」を描いてから、子どもは人間が描けなくなってしまいました。
「描き方、忘れちゃった・・・」そうです。
わが子は絵の線が描けません。
線は見えないから線は描けないらしいです。
ですので下書きは全くせず、画用紙に直接、色を置いて描いていきます。絵の具が一番好きですが、色鉛筆もクレヨンも色があるものなら何でも良いようです。
見たままをそのまま描くので、大人もびっくりするような色使いと写実的な絵です。
似顔絵を描いてくれることはなくなってしまいましたが、
風景は学校で教えられてないので、今までどおり楽しく描いてプレゼントをしてくれます。
学校で大事なものを潰さないで欲しいと思っています。
担任の先生へ相談したら、学校での絵の描き方だと思って欲しいと言われました。家では自由にというのです。
自由に描くにしても、子どもはもう人間の絵は描きたくないと言っています。
わが子には酒井式は謎でしかありません。
あんな人間は見たことないです。
思わず、コメントしてしまいました。
https://www.seishinsha.co.jp/book_s/detail.php?b=30
酒井式の絵は酒井式が想定した「子どもの絵」を子どもの手を使って描かせる方法です。これが総本山の生の姿です。

その後について、お伝えします。
担任の先生は、授業で使うその方法が「酒井式指導法」ということを知らなかったようです。
ですが、こちらの地域の地区児童画展の入賞作品は、酒井式の本に載っているそのままのようなモチモチの木、龍の絵など見たことがある絵がたくさん飾ってありました。
わが子の通う小学校には美術専科の先生はいらっしゃらないので、TOSSランドに載っている方法をそのまま使ったのかもしれません。
先生へは「人間が大きくても小さくてもいい。参観日に完成しなくてもいい。子どもの頑張ったところが分かれば、同じような完成品を並べなくても、うちの子だけの絵が見れれば私は満足です」とお伝えしました。
その結果、わが子のクラスだけは、自由に好きに描いて良いことになったそうです。わが子は喜んでいましたが、その方法に慣れた子たちは「次どうしたらいいか分からない」となってしまった子もいたと言っていました。
また、特別学級に行っている子も一緒に教室で描ける事になって良かったとも言っていました。
出来れば、子どもたちには絵を描く道具にはこんな使い方があるということを教えてあげて欲しいです。
「筆で絵の具で描かなくても、チューブのままでも良いし、指でも良いし、絵の具を薄くしても、濃くても、パレットで混ぜても、混ぜなくても大丈夫。」「いいねえ。絵本の1ページみたい。包装紙にしたいくらい。」わが子の大好きな絵描きのおじいさんの言葉です。
酒井式のシナリオのセリフで「天才!」と褒められても、子どもには全く自分の絵を見ていないことは伝わります。
私は教師ではありませんが、学校の先生たちが子どもたちのために遅くまで残って仕事をしたり、給食の時間も仕事をしたりしていることは知っています。頑張って酒井式を研究して良かれと思ってしたことに、苦しんでしまう子どもがいることも知っていただけるとありがたいです。