所沢市「中学校美術部展」招待参加 所沢北高校美術部

 埼玉県朝霞市の「中学校と高校の美術部の合同展」から刺激を受けてはじめたという所沢市の中学校美術部展について立ち上げの中心となった佐々木正裕さんから、お話を伺いました。「アートグランプリインSAKAI」とは、また違う価値を持った展覧会です。このような展覧会に興味を持たれた方に読んでいただければ、と思って記事にしました。
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以下は佐々木正裕さんのお話です。
  朝霞の手づくりの美術部展の魅力と運動部顧問をしていた時の経験から、この展覧会には生徒が決めたテーマ部門を設けようと思っていました。 運動部は総合体育大会など、何か大きな大会で引退となって、次の世代に引き継がれるという流れが出来ています。 そのような流れを「展覧会のテーマを自分たちで考え、次の回につなぐという形にすれば、美術部でも伝統をつないでいくようになるだろう…」と考えました。テーマは生徒(各校の部長や責任者の三年生とサポートする顧問の先生)が年度の最初の頃に何回か集まって決め、次の年はあなたたち(後輩)が考えてやってね!…というようなシステムにしました。




テーマ決めが、展覧会を自分たちがつくっているという感覚になってくれれば、何か美術部の伝統のようなものが生まれるのではないか…との考えもあります。 各校の美術部の取り組みは、かなり熱心に毎日活動する学校もあれば、活動日を決めてやるというような学校もあり、その学校の実態で質や量などマチマチです。それぞれの違いも認めながら、小さい作品でも共通のテーマで制作することで、「ああ、こういう見方な表し方があるんだ!」「あっ、私と同じような人がいる!」といった学校を超えた共通の捉え方が出来れば、美術をやっている仲間としての連帯感も生まれるのではないかと思います。上手いとかを思っても競うことで切磋琢磨するようなねらいではないから、この展覧会に出品する作品には賞はつけません。また、朝霞のように近隣の高校の美術部の作品を展示してもらって同時に鑑賞することで「高校でもこんな作品をつくる人がいるんだ…。」というように自分たちの未来になるだろう場所でも美術をやっている先輩がいると思ってもらえたらば、キャリア教育の一環にもなるかなって考えました。それから、これまでの開催二回は顧問の先生方も皆さん手弁当で参加でしたから、公的に出張などのサポートと生徒が校外で安心して活動が出来るように、市の図工、美術担当の校長に頼んで市の教育研究会 図工美術部の後援をお願いしました。美術の先生以外の顧問の方にも協力して頂くには、どうしても先生の動ける体制や生徒たちの安全を守れる体制を整えるのが一番重要だと思います。まだ十分に機能しているかわからないところがありますが、生徒たちが、朝霞のように自分たちの展覧会として意識してくれるようになるともっといい形になると思っています。

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by yumemasa | 2019-09-22 20:59 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明