谷川俊太郎の「うつくしい!」は、本当に素晴らしいです。
(光村図書出版「中学校・美術」に掲載されています。)
例えば、中学校1年生の美術の授業で、この詩を味わったあと、「キミのうつくしいは?」と問うことを課題として、翌週に、一人ひとりの感じた「うつくしい!」を紹介し合う(簡単な絵でも、写真でも、教科書の作品でも)。それをモニターに映し出して「共有」する。
その紹介し合う場が、最高に面白い。一人一人生きてきた環境も違えば、感じ方も考え方も違う。だから一人一人の「うつくしい!」が違う。そこが面白い。様々な発見がある。私は、この授業で「美意識」とか「価値観」と言う言葉も紹介している。
さらに、この授業のあと、一つの作品を見て、「対話による美術鑑賞」を行う。一つの作品を見ても、見る人によって、感じとるものが違ってくることが実感される。みんなでそんなことを共有すると自分の感じ方や考え方が、広がったり、深まったりする。
一人一人が感じたり、考えたりすることをみんなで共有するときの教師の態度は重要です。中には誰かの「うつくしい!」に対して「笑い」が起きたりします。その時はいい指導の場面です。もし、人を低く見るような笑いが、出てきたときは、教師の指導がとても大切です。
この授業をすることによって自分が感じたり、考えたりしたことが 認められるという実感を味わってもらうのには最適な授業です。
こうすることが、授業の基盤になればそれは「表現」の授業においても、いや、もっと言えば、学校生活に生きてきます。この谷川俊太郎「うつくしい!」による授業や「対話による美術鑑賞」の授業によって「対話的な深い学び」が生きてきます。
それからこの授業をしたら同僚に紹介するとよいかもしれません。学級経営や道徳、国語などにもつながっていきます。