北海道余市(よいち)郡の仁木(にき)中学校で「対話による美術鑑賞」の授業をさせていただきました。齋藤啓代校長(中学校美術)とのお話の中で実現できました。中学校1、2、3年生で授業をしてきました。コロナのことがあるため、風通しのよい体育館で、距離をとっての鑑賞授業です。写真を見ていただければわかるように、この座席で自分の考えを述べるのは大人でも勇気のいることでしょう。結論から言うと素晴らしい生徒たちでした。発言からあたたかさが伝わってきました。

中学校3年生
マルク・シャガール「人生」
中学校2年生
俵屋宗達「風神雷神図屏風」
中学校1年生
俵屋宗達「風神雷神図屏風」
以上の作品を鑑賞したのですが、私が3つの授業を終えて思ったことは、教育を通して「平和な世界の実現」を目指していくということです。
授業後、生徒の感想を読みました。こんなことが書かれていました。(中学校3年生)」
「今日の授業で改めて
他の人の意見を聞いて違った見方で考え直していく楽しさを感じ取ることができました。」
「僕は今日の授業通して思った事はまず自分の考えと似ている人もいたけども逆に全く違う考えの人もいてみんなの意見を聞いていて「いや、それは違うだろう」と思う事はありませんでした。やっぱり
他の人の考えも取り入れてまた絵を見てみると考えがまた変わったりしてとても面白かったです。」
「友達の意見を聞くことで、
新たな発見があると思いました」
「人それぞれ、絵に対しての「見方や感じ方」が違い面白いと感じました。「感じ方や考え方」が違うと対立がおきてしまうイメージが私にはありましたが、この授業を通して
「感じ方・考え方」が違っても、楽しめるということを知りました。絵を鑑賞し、
みんなの感じ方を聞くことで一体感が生まれたような気がしました。また、感じ方などに、1人1人の個性が出て面白かったです。今回、鑑賞教室を通して、みんなで「見る、考える、話す、聞く」ということの楽しさを知れました。これからに役立てていきたいです。」
「たった14人でも、それぞれ感性が全く違うのですごく面白かったです。」(14人というのは鑑賞に参加した3年生の数)
*今回の生徒たちは、多様な価値を受け入れ、認め合う中で自分の見方や感じ方も広げ、深めていました。それは多様な価値観があるからこそ世の中は面白い感じられるということでしょう。そのような考え方の積み重ねが「平和な世界」をつくっていく、そう思えます。
自分が正しいと主張して他を排除したり、利害関係でグループを作り、他を認めようとしなかったりの世界ではありません。「対話による鑑賞」が教育にもたらすものは大きいと改めて実感した。もちろん「学級経営」や「道徳」にもつながっていきます。
*授業を参観された外部の方が、「地域の大人と子どもが一緒になって鑑賞会をしたら地域のためにもよいではないでしょうか」というお話をいただきました。全くその通りだと思いました。北翔大学の美術研究グループで「多世代共創」を目指す一手段として「対話による美術鑑賞」に取り組んでいるくらいですから。
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