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フィギュールの森」のグループ展で、作者と鑑賞者がフラットな関係で対話による鑑賞をしました。そのファシリテーションをさせていただきましたが、ものすごく面白かったです。作品を出品した6人の作家のみなさんも確かな手応えを感じていたようです。鑑賞者と参加されたみなさんの発言も鑑賞を豊かなものにしてくれました。充実した時間になりました。

従来の作家を前にした鑑賞は、作家自身による自分の作品解説的なことが主で、鑑賞者はその解説にそって作品を理解していくという形が一般的です。それは美術館で作品のキャプションを見て、「理解する、知る」ということにも似ています。しかし、今回の鑑賞は違うものにしたかったのです。
これまでは、大井敏恭さん、林享さん、末次弘明さんを中心にこの対話による鑑賞を進めてきました。その中で、私たちが実感としたことは二つあります。「見る人が作品をつくる」「誰と見るかによってみかたが変わる」ということです。しかし、これまで鑑賞では作家は基本的にはあまり対話に参加しないというスタンスをとってきたのですが、今回は、一歩進め、作者どうして思い切り語り合うというものでした。さらに、新メンバーの川上りえさん、大西洋さん、山下圭介さんが加わって。そこに鑑賞者もフラットに対話に参加するという方法を取りました。
後半は、心理学を専門としている北翔大学の飯田昭人さんが、作者に質問をしながら、「表現」するということについて、フロアーの皆さんからの声も聞きながら、考える時間をつくりました。
飯田さんからの質問は以下のものでした。Q1.なぜ芸術に携わるのか。芸術活動(創造的営み)を続ける原動力は何でしょうか?
〜「人はパンのみにて生くるものにあらず(マタイ福音書)」→人は物質的な満足だけを目的として生きるものではなく、精神的なよりどころが必要であるからなのではないでしょうか。
Q2.皆さんの創造したものは,皆さんお一人で創造されたものでしょうか?
〜「一部の偉大な芸術作品は、その作者個人の自我が創り出したものではなく、無意識が個人を媒体として世に表したものである。」→ユングの「集合(普遍)的無意識」を念頭においての発言。
山崎による鑑賞 WS、飯田さんによるトークセッション、それぞれ90分でしたが、本当に充実した時間となりました。ありがとうございます。今日の鑑賞を通して参加したみなさんの中に何が生まれたのか、本当はそのことを聞く場があれば最高でした。前半、後半合わせて3時間、みなさんの眼差しが印象に残っています。
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