青森市教育委員会が主催する市内の小中学校教員を対象にしたコンテストの中学校部門の最優秀に美術科が選ばれました!その先生が高安弘大さんです。
高安さんに、今回の件をくわしく教えていただきましたので、ここで、紹介させていただきます。
高安さんの言葉
「何か特別なアプリを使ったとか、プログラムを開発したということではなく、Chromebookの元々入っている(Googleの)アプリを使い、やってきた「和菓子づくり」の授業に、デジタルの良さを生かして活用した指導事例という点が、評価されたようです。
つまり、活用を目的としたのではないということです。
これまではICTを活用して、いろいろやってみようという段階でしたが、これからは、デジタルとアナログのそれぞれの良さを生かした授業作りが求められるのではないでしょうか。」
今回高安さんから、今回の受賞となった内容のプレゼンデータをいただきました。ここで紹介させていただきます。東中学校の 安弘大です。この実践は、中学校2年生、美術科で実施した「地域をテーマに四季を感じる和菓子をつくろう」の 指導事例です。まず初めに、こちらの和菓子、栄町の松栄堂さんがつくったものですが・・・なんとこちらは、生徒が粘土で制作した和菓子の模型作品をもとに、 職人さんがつくったもので、期間限定で販売され、
新聞やテレビ等でもたくさん取り上げていただきました。
さて、この和菓子が、どうやって出来上がったのか?
子どもたちの学びがどのようにして育まれたのか?
そこに、I C T がどのようにして活用されたのか?
というところをお話しさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
Google jamboard を利用し、和菓子の写真を季節ごとに並べる活動です。モチーフから表現されている季節を予想しました。これまでは、教師がこの写真を1枚ずつハサミで切ってカ ードを作成し、グループで並び替える活動を行なっていましたが、それをジャムボード上で行うことができ、非常に効率的でした。
Chrome 描画キャンバスで、アイデアスケッチを描きます。
従来の授業では、紙と鉛筆でしたが、デジタルの良さは、なんと言っても、やり直しがすぐに、そして何度でもできることです。色あいも、すぐに試せるのは強みです。
ちなみに、このアイデアスケッチから実際に制作した作品と、和菓子職人さんがつくってくださった試作品がこちらの写真です。
このように、Chromebook でアイデアスケッチを確認しながら制作しました。
また、技法の動画などの資料を classroom におき、いつでも見られるようにすることで、個々に応じた学びが進められました。
こちらは、和菓子を紹介するポスターです。作品を写真に撮り、描画キャンバスと Googleスライドで制作しています。これは、従来の授業ではできませんでした。
こちら、Google スライドの画面ですが、このようにスライドにアイデアスケッチや制作の
過程などを毎時 録し、デジタルポートフォリオにしています。これも従来のアナログで
は しかったことが、デジタルで簡単にできています。
こちら、Google スライドの画面ですが、このようにスライドにアイデアスケッチや制作の過程などを毎時間記録し、デジタルポートフォリオにしています。これも従来のアナログでは難しかったことが、デジタルで簡単にできています。
作品は、classroom のフォルダのリンクを共有することで、リアルタイムで相互鑑 することが可能です。これは、やっている方もいると思いますが、どの教科でもできる小技です。Google ドライブの生徒の課題が提出されたフォルダのリンクを共有するだけです。
お互いの作品の良さを つけ、交流することで、生徒の学びは一気に深まります。また、完成作品の交流も大事ですが、制作途中や、特に発想段階でのアイデアスケッチの交流では、生徒達の学びがその後の作品制作へと反映することができて、大変有効でした。
文化祭の展示では、「実際に食べてみたい和菓子」をこのQ R コードを み取ってGoogleフォームで投票しました。単に美しい和菓子とか、上手な作品・・ではなく、美味しそう、 食べてみたい作品・・を、保護者や来校された地域の方々と一緒に選びました。それが、冒頭で紹介したように、実際に商品化・販売されたわけです。
以上のように、紹介してきましたが、元々この「和菓子をつくろう」の題材は、アナログで実践してきたものでした。 I C Tを活用することで、生徒の作品の質が、より洗練されたものになったことは、いうまでもありません。 大切なことは、I C T の活用自体を目的とするのではなく、デジタルとアナログのそれぞれの良さを生かして、有効に組み合わせた授業を作っていくことだと考えています。こうしたことが今後ますます求められるのではないでしょうか。 以上で、私の発表を終わります。
新聞にも掲載されました。